最終更新日: 2020.12.28 公開日: 2021.01.01
相続

実家を相続したものの、土地は借地…これからどうすればいいの?

執筆者 : 宿輪德幸

「父親が亡くなって、相続人は私(長男)と妹(長女)の2人です。自宅は同居していた私が相続しますが、土地は借地です。今後、どうすればいいのでしょうか。」と68歳男性からのご相談です。
 
宿輪德幸

執筆者:

執筆者:宿輪德幸(しゅくわ のりゆき)

CFP(R)認定者、行政書士

宅地建物取引士試験合格者、損害保険代理店特級資格、自動車整備士3級
相続専門の行政書士、FP事務所です。書類の作成だけでなく、FPの知識を生かしトータルなアドバイスをご提供。特に資産活用、相続トラブル予防のため積極的に「民事信託(家族信託)」を取り扱い、長崎県では先駆的存在となっている。
また、離れて住む親御さんの認知症対策、相続対策をご心配の方のために、Web会議室を設置。
資料を画面共有しながら納得がいくまでの面談で、納得のGOALを目指します。
地域の皆様のかかりつけ法律家を目指し奮闘中!!
https://www.shukuwa.com/

宿輪德幸

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借地権という財産

借地権とは土地を借りる権利です。土地を所有しているわけではありませんが、とても強力な権利で、所有者である地主が自分で使いたいと思っても、土地を明け渡してもらうのは困難です。だからこそ借地人は、大金を使って自宅を建てたりできるのです。
 
資産価値もあります。その土地の相続税評価額に借地権割合をかけた価格が借地権の評価額となり、相続財産として計算されます。借地権割合は、国税庁が公表している「路線価図」に、30%~90%で設定されており、利用価値の高い都市部が高い割合となっています。
 

借地権の期間

1992年8月以降設定の借地権は、「借地借家法」により以下のようになります。

・借地権の期間は30年以上で決めなければならない。
・最初の更新は20年以上、次からの更新は10年以上で決める。

個別の契約で長くすることは可能ですが、通常は30年→20年→10年→10年……となります。
 

それ以前の借地権は「旧借地法」が適用され以下のようになります(木造の場合)。

・借地権の期間は20年以上、期間の合意がない場合30年
・更新後の期間20年

20年→20年→20年…… または 30年→20年→20年…… となることが多い。
 
相談者の相続した自宅は1974年に新築され、被相続人名義で登記されていましたので、旧借地法の借地権となります。相談者は建物を相続しますので、当然に借地権も相続により取得します。
 
借地権の期間としては、30年→20年→20年……となっているようです。
 
1974年+50年=2024年ですから、2回目の更新の時期が迫ってきているのです。相談者は3つの選択肢を考えました。
 
(1)更新する
更新する場合は、さらに20年の借地権を取得することになります。
 
(2)借地権を地主に買い取ってもらう
 
(3)土地を買い取る
地主の底地権を買い取り、土地の所有権を取得します。
 
(1)は借地人の意思によりできますが、(2)と(3)については地主との交渉が必要になります。長期にわたる借地の場合は、地主側にも相続が発生していることが多く、現金化したい意向の場合もありますので、交渉の余地はあります。
 

買い取り価格

買い取る場合の価格はいくらになるでしょうか。
 
土地の価格はいくつかの種類があります。代表的な価格としては以下のようなものです。
 

・実勢価格(売買取引価格)
・公示価格
・路線価(実勢価格の約8割)
・固定資産税評価額(実勢価格の約7割)

 
相続税は路線価で計算しますが、売買では実勢価格を基準とすることになります。地価の変動が大きい地域では、近隣の売買価格を確認するなどして実勢価格を確認します。

※筆者作成
 
借地人が、地主の底地権を取得すると所有権になります。ただし、通常の売買ではありませんので、地域の慣習などによっても適正価格は異なります。地元の不動産業者などに相場を確認しましょう。
 

選択のポイント

建物の状況、買い取る場合の条件、自分の相続対策などを総合的に考えて、判断する必要があります。
 

相談者は、

・引っ越しはしたくない。
・建物の老朽化が進んでおり、建て替えまたは大規模改修工事が必要な時期が迫っている。
 →借地権のままでは面倒な手続きや、費用発生の可能性がある。
・処分しやすい財産として子どもに残したい。

と考え、土地を買い取る方向で地主と交渉することにしました。
 
旧借地法の借地権は、借地人の権利が強く半永久的に継続できるともいわれます。しかし、子どもたちには、借地権より処分しやすい所有権や金銭の方が喜ばれるかもしれません。更新の時期になったら、慎重に検討しましょう。
 
執筆者:宿輪德幸
CFP(R)認定者、行政書士
 

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