公開日: 2021.03.23 相続

子どもの住宅購入時に親が資金贈与すれば相続税が節税できるって本当?

執筆者 : 宿輪德幸

非課税で贈与できれば、相続財産が減りますので相続税対策になります。贈与により相続税の基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人の人数)になれば、相続税の申告手続も不要となり、残される家族の事務的負担も大きく軽減されます。
 
宿輪德幸

執筆者:

執筆者:宿輪德幸(しゅくわ のりゆき)

CFP(R)認定者、行政書士

宅地建物取引士試験合格者、損害保険代理店特級資格、自動車整備士3級
相続専門の行政書士、FP事務所です。書類の作成だけでなく、FPの知識を生かしトータルなアドバイスをご提供。特に資産活用、相続トラブル予防のため積極的に「民事信託(家族信託)」を取り扱い、長崎県では先駆的存在となっている。
また、離れて住む親御さんの認知症対策、相続対策をご心配の方のために、Web会議室を設置。
資料を画面共有しながら納得がいくまでの面談で、納得のGOALを目指します。
地域の皆様のかかりつけ法律家を目指し奮闘中!!
https://www.shukuwa.com/

宿輪德幸

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執筆者:宿輪德幸(しゅくわ のりゆき)

CFP(R)認定者、行政書士

宅地建物取引士試験合格者、損害保険代理店特級資格、自動車整備士3級
相続専門の行政書士、FP事務所です。書類の作成だけでなく、FPの知識を生かしトータルなアドバイスをご提供。特に資産活用、相続トラブル予防のため積極的に「民事信託(家族信託)」を取り扱い、長崎県では先駆的存在となっている。
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住宅取得等資金贈与の特例

暦年課税の場合、親子間でも贈与をすれば年間110万円を超えたら贈与税が発生します。
 
例)20歳以上の子が親から1000万円の贈与を受けた場合 
贈与税=(1000万円-110万円)×30%-90万円=177万円

 
1000万円贈与してもらっても、贈与税を払うと手元に残るのは823万円です。
 
しかし、自分が住む住宅を取得する資金を贈与してもらった場合に、特例を利用すると非課税になります。非課税となる額は、住宅の種類や契約締結日により金額が異なります。
 
(1)住宅用の家屋の新築等に係る対価等の額に含まれる消費税等の税率が 10%である場合

住宅用の家屋の新築等に係る
契約の締結日
省エネ等住宅 左記以外の住宅
2019.4.1~2020.3.31 3000万円 2500万円
2020.4.1~2021.3.31 1500万円 1000万円
2021.4.1~2021.12.31 1200万円 700万円

 
(2)上記以外の場合(個人間の中古住宅売買など)

住宅用の家屋の新築等に係る
契約の締結日
省エネ等住宅 左記以外の住宅
~2015.12.31 1500万円 1000万円
2020.4.1~2021.3.31 1200万円 700万円
2020.4.1~2021.3.31 1000万円 500万円
2021.4.1~2021.12.31 800万円 300万円

※国税庁 「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」より筆者作成
※2021.4.1~2021.12.31の非課税限度額は、2020.4.1~2021.3.31と同額に引き上げられる予定(令和3年度税制改正の大綱より)
 
特例を受けるための受贈者の主な要件と期限は以下になります。
 

●贈与を受けるのは直系卑属(子や孫)である
●贈与を受けた年の1月1日において、20歳以上である
●贈与を受けた年の所得税に係る合計所得金額が2000万円以下である
●贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること、または同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること

 

特例利用の注意点

(1)申告

贈与を受けた翌年の2月1日~3月15日に申告する。期限を過ぎると非課税制度を利用できません。
 
(2)お金の贈与

土地や建物の現物を贈与された場合には特例を使えません。
 
(3)全額を住宅購入に充てる

贈与された金銭の一部を頭金にして、住宅ローンを組んだ場合には、頭金を超える金額に贈与税が発生します。
 
(4)贈与のタイミング

住宅の引渡時期が翌年の3月15日を過ぎる場合は、贈与の年を翌年にするなど、贈与の時期に注意が必要です。
 

親が住宅を買って子にタダで貸す方法

親が住宅を購入して、子に無償で貸すと、上記特例を使わずにそれに近い効果を得ることが可能です。
 

(1)親が住宅を購入します。
(2)親が所有する住宅に子が住みます。親子なので、賃料は取らないということです。
(3)相続が発生したときには、子が相続します。

 

 
子は住宅に住みますが、所有者は親ですので贈与は発生しません。当然、贈与税などを考える必要もありません。さらに、相続税対策として以下のようなメリットがあります。
 

(1)子は、実質的に住宅を取得したような状況になる。生前贈与したのと同じ効果。
(2)相続時にはそのときの課税価格で評価される。
建物の評価額は築年数により下がります。木造住宅を2000万円で新築しても、20年後には建物の評価額は微々たるものになります。
(3)子が親不孝者になったら、追い出すことが可能。
タダで借りている者には、賃貸人のような法律上の保護はありません。
所有者である親の意思で、追い出すことができます。

 
相続発生まで親子関係が良好であれば、子の経済的負担を軽減し、さらに相続税の節税を図ることができます。住宅ローンの金利まで考えると、効果絶大です。
 
相続税の節税対策は、金額も大きくなりますので時間もかかるものです。時間的に余裕がある元気なうちに取り組むと、効果的に進めることが可能になります。
 
参考
国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
 
執筆者:宿輪德幸
CFP(R)認定者、行政書士