更新日: 2021.06.16 相続

老々相続はとても危険? おひとりさまも要注意!

終活が話題になり、相続対策を始める人も増えました。「遺(のこ)された子どもたちがもめないように」「争族回避」が主なテーマです。
 
おひとりさまの場合はいかがでしょう。自分が亡くなったときに財産を誰に託すのか、相続人となるのは誰なのか、考えてみましょう。
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宮﨑真紀子

執筆者:

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

宮﨑真紀子

執筆者:

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
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相続対策は介護とセットで考える

一例をご紹介します。
 
Aさんは50代後半女性のおひとりさまです。そろそろ自身の老後プランも考えたいところですが、気になっているのは80代になる両親の介護や相続問題です。
 
コロナの影響もあり、1年以上帰省していません。両親は妹と暮らしています。身の回りのことを妹に任せているので申し訳ないと感じつつ、助かっているというのが本音です。それゆえに緊迫感がなく、これまで上記のような問題を後回しにしてきました。
 
Aさんは10年ほど前に自宅マンションを購入した際に、親から援助を受けています。実家の不動産は同居している妹に相続してもらうことで、争族を回避できるのではないかと漠然と考えています。とはいえ、これは両親や妹の気持ちを確認したわけではありません。
 
上記のような状況の場合、それぞれの立場でどのような希望を持っているのかを知ることが重要です。今は元気であっても、将来介護が必要になる可能性があります。介護費用を巡って姉妹でもめることのないように、介護費用は親の資産から捻出するのがお勧めです。
 
親の資産状況を聞くことには躊躇しがちですが、やはり親が元気なうちに資産の棚卸しは必要です。この時期帰省ができないという声は多いですが、この状況が続くとますます疎遠になってしまいます。まずは、マメに連絡を取ることから始めると良いと思います。
 

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老々相続で協議が難航

別の事例でご説明します。
 
Aさんには母親の妹である独身の叔母(Bさん)がいます。幼いころからかわいがってもらい、お世話になってきました。もうすぐ80歳なので、介護が必要になったら役に立ちたいという思いがあります。相続のことも気になりますが、物欲しそうに思われないかという気持ちから、話題にしたことはありません。Aさん自身は“相続財産をもらう気はない”といいます。
 
上記の例では、Bさんに相続が起きた場合、ご両親(Aさんからみると祖父母)はすでに他界していますので、相続人となるのはBさんの兄弟です。つまりAさんの母親とその兄弟です。
 
ただし、ご兄弟が皆さん高齢であることに注意が必要です。遺言書がない場合、遺産分割協議書を作成することになりますが、相続人が高齢になると話し合いの場に出席することも困難なケースが出てきます。認知症など判断能力に問題があることで、協議が前に進まないことも考えられます。
 
(図1)

(筆者作成)
 
相続が発生したときに、Aさんの母親がBさんよりも先に亡くなっていれば、Aさんと妹が相続人です。同様に兄弟である長男や次男が亡くなっていれば、Aさんの従妹が相続人となります。
 
“高齢なので協議が進まない”という心配はなくなりますが、兄弟に比べて親密ではないことが多く、やはり遺産分割協議がまとまらない例は多いです。
 
(図2)

(筆者作成)
 
特に相続財産に不動産が含まれていると分割が難しく、名義変更されないまま放置されると、やがて所有者が誰か分からなくなる例が多く見られます。社会的にも問題になっていますので、相続を知ったときから3年以内に不動産登記を義務化するという法整備が現在進められています。
 
子どもの有無にかかわらず、相続人に自分の遺志を示すためにも、遺言書は有効です。とはいえ、きっかけがないと着手できないのが実情です。「介護が必要になったら手伝いたい」というAさんですが、介護や相続について叔母さんがどのように考えているのか、気持ちを整理するお手伝いから始めるのが良策だと思います。
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士