更新日: 2021.07.19 その他相続

夫の死亡後、夫の保険から入院給付金などを受け取ったら相続放棄できなくなるって本当?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 高橋庸夫

夫の死亡後、夫の保険から入院給付金などを受け取ったら相続放棄できなくなるって本当?
入院給付金や死亡保険金などを受け取った場合に相続放棄ができないのか気になっている方は多いのではないでしょうか。
 
結論からいえば、保険の契約者や被保険者、受取人が誰になっているかで変わります。もし、夫が受取人の場合は相続財産扱いとなり、保険金を受け取ったら相続放棄できない可能性があるので注意してください。
 
ここでは、相続放棄の意味やどのような状態だと相続放棄に影響があるのか解説します。

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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

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サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

相続放棄とは

相続放棄とは、被相続人(亡くなった人)の資産や借金・負債などすべての財産の相続を放棄することです。つまり、プラスの財産もマイナスの財産も一切受け取らないということです。
 
相続放棄は、相続が発生した場合の3つの選択肢のうちの1つで、相続があると知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てる必要があります。期限内に何も手続きをしなかった場合は、自動的に財産をすべて相続する単純承認を選択したことになります。
 
ここでは、相続放棄の意味や期限など、押さえておきたい内容について見ていきましょう。

 

相続人には3つの選択肢

相続が発生した場合、相続人には「単純承認」「限定承認」「相続放棄」の3つの選択肢があり、どの選択肢を取るかで相続財産が変わります。
 
それぞれの内容は以下のとおりです。
 

単純承認 被相続人の資産と借金、負債などをすべて相続する方法です。期限内に手続きをしなかった場合は、自動的に単純承認となり、プラスとマイナスの財産を制限なく相続します。
限定承認 相続資産の範囲内で借金も相続する方法です。プラスの財産の範囲内でマイナスの財産も引き継ぐため、債務の弁済に自分の財産を使うことはありません。限定承認を選択する場合は期限内に相続人全員で家庭裁判所に申し立てが必要です。
相続放棄 プラスの財産もマイナスの財産もすべての相続を放棄する方法です。借金や負債などマイナスの財産が多い場合に選択されます。相続放棄をする場合は期限内に家庭裁判所に申し立てが必要です。

 
どの方法を選択するかでプラス財産・マイナス財産の相続の仕方が変わります。
 
相続放棄をすれば、プラス資産の相続ができませんが、借金の弁済を回避できます。相続放棄をしたい人(相続人)単独で家庭裁判所に申述が可能です。
 
なお、相続放棄をした場合は、その相続は最初から存在しなかったことになります。

 

相続放棄の際は3ヶ月以内に手続きが必要

相続放棄をする場合は、相続人は相続があったことを知った日から3ヶ月以内に手続きが必要です。
 
相続放棄の手続きをする際には、被相続人の戸籍謄本や住民票または戸籍の附票、相続放棄をする人の戸籍謄本、相続放棄申述書などを用意し、被相続人の最期の住所地を管轄する家庭裁判所へ提出をします。
 
そして、家庭裁判所から送付される照会書に回答を記入して返信すれば、1週間〜10日程度で相続放棄申述受理通知書が送られてきます。
 
被相続人の財産状況などがわからず、3ヶ月以内に手続きが難しい場合は、同じく3ヶ月以内に相続放棄のための申述期間伸長の申請を家庭裁判所へ行いましょう。認められた場合は期限が延長されます。
 
ただし、これらの手続きは必ず認められるわけではないため注意してください。

 

夫の死亡後、入院給付金などを受け取ると相続放棄できなくなる

夫の死亡後、入院給付金などを受け取ると、単純承認とみなされて相続放棄ができなくなることがあります。保険金受取人が亡くなった夫だと、相続財産扱いになるからです。夫が受取人ではなく、妻や子供が受取人の場合は相続放棄の影響は受けません。
 
ここでは、どのような状態だと相続放棄に影響があるのか確認していきましょう。

 

入院給付金などを受け取ると単純承認したとみなされる

入院給付金などを受け取ると、相続放棄ができず単純承認したとみなされる可能性があります。保険は「契約者」「被保険者」「保険金受取人」がいて、受取人が誰になっているかで変わります。
 

・契約者:保険会社と契約をしている人
・被保険者:保険がかけられている人
・保険金受取人:保険金を受け取れる人

 
基本的に、受取人が被相続人の場合は、支払われた保険金は被相続人の財産となるため、相続財産扱いになります。そのため、相続人が相続放棄をした場合は、受け取ることができません。ただし、被相続人が契約者や被保険者で受取人以外だった場合には相続財産扱いにならないため、相続放棄の影響を受けないことになります。
 
入院給付金などの保険の受取人が被相続人の場合は、相続放棄をしたら受け取れませんし、相続放棄前に受け取っている場合は単純承認とみなされる恐れがあるため注意してください。

 

生命保険の死亡保険金は相続放棄しても受け取れる

死亡保険金は被保険者でない人が受取人になります。そのため、被相続人の死亡保険金の受取人が相続人の場合は、相続放棄をしても受け取ることが可能です。受取人の固有の財産となり、被相続人の財産にはなりません。

 

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夫の死亡後に入院給付金などを受け取る際は注意が必要

相続放棄をすれば、被相続人のプラスとマイナス財産の両方を相続せずに済みます。しかし、保険の契約者や被保険者、受取人に誰がなっているかで、保険金を受け取った場合に単純承認とみなされる可能性があるため注意してください。
 
夫が亡くなった後に保険金を受け取る場合は、できるだけ早いタイミングで受取人などを確認しておきましょう。

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
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