更新日: 2020.06.12 相続税

なかなか話しづらい相続の話。親世代と子ども世代に大きなギャップ

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

なかなか話しづらい相続の話。親世代と子ども世代に大きなギャップ
今、親が住んでいる家は、将来誰かが相続しますか?もし、自分が親と現在同居しているなら、相続する可能性が高いでしょう。
 
しかし、親と遠く離れた場所で家を買い、そこで仕事や子育てをしている場合は、実家に帰って生活するということは容易ではないかもしれません。その場合、実家はどうしますか?
 
このように、相続は考えてみるとなかなか重い問題です。ランドマーク税理士法人(本社:神奈川県横浜市)は、首都圏に戸建を所有する人(被相続人)または実親が戸建を所有している人(相続人)を対象に、戸建持家の相続についての意識調査を実施しました(※)。
 
みんなは相続についてどう考えているのでしょうか。結果を見てみましょう。
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親の6割は相続させるつもりだが、子どもの半数はまだ相続のことは考えていない

「将来実家を相続する(させる)つもりはありますか?」との問いに対して、親世代は全体で60.2%が「相続させるつもり」と回答しているのに対し、子ども世代で「相続するつもり」と答えたのは36.1%にとどまりました。
 
6割の親が相続させたいと考えているものの、子どもとはややギャップがあるようです。
 
子ども世代の中でも、特に30代では「相続するつもり」と回答した人は24.3%に過ぎず、「まだ考えていない」が54.4%と半数以上を占めました。今の30代は独身も多く、仕事や遊び、子育てで忙しく、まだ将来のことまで考えられないのでしょうね。
 
「実家を相続した(させた)後、どのように活用する(させる)つもりですか」と尋ねると、親世代・子ども世代とも「自分(子ども)用の住居として活用」するという回答が最も多く、子ども世代で51.2%、親世代で46.8%と、約半数を占めました。
 
小さいころから暮らしてきた思い出深い親の家を、子どもが引き続き住めるといいですよね。子ども世代では、「まだ考えていない」が18.4%というほかは、「売却」(17.0%)、「賃貸住宅」(9.0%)という回答が続きました。
 
実家と離れたところに生活拠点がある場合はそういう選択肢も多いでしょう。親世代では「子どもに任せる」が35.1%という結果となりました。1~2%とごく少数ですが「空き家で所有」という回答もあり、空き家問題が増えているのもわかるような気がします。

相続税と兄弟・姉妹間での分配について不安がある

「実家の相続について、不安点はありますか?」と質問したところ、子ども世代全体では「相続税」が41.3%と最も高くなりました。いったいどのくらいの税金が取られるのか不安なのでしょう。
 
「兄弟・姉妹間での分配」(37.2%)という回答も多く見られました。昔から遺産、相続争いは小説や映画のネタになっていますよね。また、「実家の資産価値」(23.3%)が気になる人も多いようです。譲り受けた実家を査定したら、思わぬ値段がついたり、逆にほぼ価値がないということもあり、気になるところです。
 
一方、親世代では52.8%と半数以上が「特になし」と回答しており、他の項目の回答も子ども世代に比べて低くなっています。譲る側は譲られる側のことをあまり気にしていないようですね。

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なかなか話を切り出しにくい相続問題。思い切って一度話し合ってみては?

「親(子ども)と実家の相続について話をしていますか?」と聞いたところ、「実家の相続について話をしている」と回答した人は全体で27.2%にとどまりました。7割以上の親子が相続について何も話し合っていないという現状が浮き彫りになりました。
 
「話をしない理由は何ですか?」と聞いたところ、親世代では「時期尚早」との回答が44.2%と最も多い一方で、子ども世代の回答は24.2%と、20ポイント近くのギャップが見られます。
 
親世代はもっと年老いてから相続の話をしようと考えているのに対し、子ども世代の方が相続についてどうするつもりか話をしたいと思っているようです。
 
なお、子ども世代で最も多い回答は「なんとなく/特に理由はない」が27.4%でした。これについては親世代でも21.1%となっており、親子とも、多くがまだ相続問題を自分事として考えていないことが伺えます。
 
また、「話をするきっかけ/機会がない」(14.9%)「話をしづらい/面倒」(13.6%)は子ども世代では、そこそこ高いですが、親世代では数%でした。相続は親の死後の財産に関わる話なので、特に子ども世代から話を切り出すのは難しいと感じているようです。
 
実家の相続については、親世代と子ども世代の意識に乖離があることが明らかになりました。なかなか話しづらいテーマですが、特に相続税や兄弟・姉妹間の分配など後で問題が起こりそうな場合は、早いうちから話し合っておいたほうがいいかもしれません。できれば親の方から話を切り出してあげるといいでしょう。
 
出典 ※ランドマーク税理士法人「戸建持家の相続についての意識調査」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部


 

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