更新日: 2019.01.07 その他保険

せっかく保険に入っているのにもらえない!?保険の請求漏れにご注意を

執筆者 : 塚越菜々子

せっかく保険に入っているのにもらえない!?保険の請求漏れにご注意を
家計のご相談を受けて保険の内容を確認しているときに、お子様名義の保険がありました。

掛金も安く、年に一度の支払いで家計としては負担感がなかったので、ご相談者様は保険の内容をはっきりとは覚えていないようでした。

証券を確認してみたところ入院の保障がついているものということがわかり、そこでご相談者様が「そういえば数カ月前に子供が数日入院した」ということをおっしゃいました。

保険に加入していることを意識していなかったので、保険金の請求もしていないことが判明したのです。

塚越菜々子

Text:塚越菜々子(つかごし ななこ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催
お金を貯める努力をするのではなく『お金が貯まる仕組み』づくりのサポート。保険や金融商品の販売を一切せず、働くママの家計に特化した相談業務を行っている。「お金だけを理由に、ママが自分の夢をあきらめることのない社会」の実現に向け、難しい知識ではなく、身近なお金のことをわかりやすく解説。税理士事務所出身の経験を活かし、ママ起業家の税務や経理についても支援している。
https://mamasuma.com

加入する「入口」も、保険が下りる「出口」もどっちも大事。

 
保険は「入る」ときはいろいろと比較検討していることが多いですが、保険を請求し保険金が「出る」というケースはそれほど頻繁でないため、つい請求を忘れてしまうことが多いようです。
 
保険の請求の期限は、保険法により原則、保険をもらう事象が発生してから「3年」と定められています。請求できること自体を忘れてしまうと、せっかく保険料を払っているのにもらえないままもらう権利が消滅してしまう可能性がありますので、注意しましょう。
 

保険を請求するのを忘れがちなケース

 
1) 勧められて加入した保険で、自分が把握しきれていない場合
これくらいのものに入っておけば安心、と勧められてなんとなく加入しているという方も少なからずいらっしゃいます。
また、妻は保険について把握していたけれど、夫は妻に任せていてよくわからなかったということもあり得ます。契約者本人が請求するケースばかりではなく、本人が請求できない場合は代理で手続きを行う「指定代理請求人」を配偶者に設定している方も多いのではないでしょうか。

家族が手続きをすることも考慮して、誰がどんな保険に加入しているのか、一度整理してみるのもいいと思います。
 
2)違う保険会社で契約している場合
メインの主契約のほかに、オプションとして特約が付いている保険も多くあります。一つの保険会社には請求したけれど、別の保険会社で契約している保険にも実は特約が付いていて保険を請求することができた、というケースもあります。

保険の請求は保険会社ごとに行わないといけませんので、一つ請求をしたらほかの保険会社で請求できるものがないかもチェックが必要です。
 
3)家族の契約の特約などで加入している場合
契約者や被保険者は夫の契約で、オプション(特約)として、家族も使えるものがつけられる保険もあります。
契約書などには契約者の名前がメインで書かれていることが多いので、契約から時間がたつなどするとうっかりと忘れてしまうこともありそうです。

また、夫の会社の団体保険で家族分の保証がついている場合などは、保険料の支払いが給与天引きであることが多いため、保険に加入しているということを忘れがちです。
 
4)短期間入院や日帰り手術等、また被害が少なく費用負担が少なかった場合
手術でも日帰りであったり、一晩の入院であったりすると、支払う金額がそれほど高くないこともあります。そうすると普段病院にかかったのと変わらない印象で、そもそも保険を請求するものだと思わずに請求し忘れてしまうということもあるかもしれません。

また、損害保険においては「火災保険」の特約に、自然災害の保障がついているケースもありますが「火災保険」というイメージから、台風や豪雨などの被害で請求できること自体を失念していることも多く、被害額が少ないと請求をしないままになってしまうこともあります。
 

保険会社は請求漏れ・支払漏れがないように努力していますが・・・

 
生命保険会社や損害保険会社は「こんなことがありませんか?」というような、保険請求に該当しそうな事案を見やすいパンフレットにしたものを配ったり、台風などの災害があった地域には、請求するような事案がないか確認をするお知らせなどを出したりして、保険の請求漏れがないように努力をしてはいます。
 
ですが、やはりすべての加入者のすべての保険事故を見守るというのは難しいもの。加入者自身が保険の請求ができることに気づいていないと、請求漏れが発生し、保険が下りなかったということが起こってしまうかもしれません。

保険の請求をしなければいけないときは、少なくとも冷静さを欠いている事象が起きていることが多いもの。なおさら事務的な手続きは忘れてしまいがちです。普段の何もないときに、一度加入している保険の内容や、何かあったときの問い合わせ先を確認しておきましょう。
 
また、保険会社には必ず問い合わせ窓口があります。「こんなのは保険が下りるのかな?」と思ったら、ためらわず問い合わせして、せっかく加入している保険が請求漏れにならないように気を付けたいですね。
 
Text:塚越菜々子(つかごし ななこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
https://mamasuma.com/

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