最終更新日:2019.01.10 公開日:2018.05.05
保険

生命保険が相続対策になるってホント?活用するメリットと注意点とは。

「生命保険は相続税対策になりますので、ぜひこの機会にご検討くださいませ」保険の勧誘を受けるさい、このようなトークを聞いたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、なぜ生命保険が相続対策になるのかと、税金や納税資金の面からみたメリットや契約形態による注意点を説明いたします。
橋本直樹

執筆者:

Text:橋本直樹(はしもとなおき)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士
橋本1級FP事務所 代表
総合保険代理店、証券会社勤務後、独立。独立後は保険や投資信託等の金融商品は取り扱わず、保険の見直しやライフプラン実現のための効率的ポートフォリオの提案等の相談業務のみのコンサルティングに特化。生活していくうえで付きまとうお金の問題をわかりやすく丁寧に説明するよう心がけています。

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橋本直樹

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Text:橋本直樹(はしもとなおき)

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総合保険代理店、証券会社勤務後、独立。独立後は保険や投資信託等の金融商品は取り扱わず、保険の見直しやライフプラン実現のための効率的ポートフォリオの提案等の相談業務のみのコンサルティングに特化。生活していくうえで付きまとうお金の問題をわかりやすく丁寧に説明するよう心がけています。

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相続財産の半分近くが現金化が難しい

早速ですが、相続財産に占める土地や家屋などの容易に現金化することが難しい財産の割合はご存じでしょうか。
 
平成28年度の国税庁公表「平成28年分の相続税の申告状況について」によると、相続財産の金額の構成比でみた土地、家屋の割合は43.5%となっておりますので、相続財産の半分近くを現金化が難しい資産が占めています。
 
相続税は原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内に納税をする必要があります。また金融機関に預けてある被相続人の預金は相続財産の扱いになりますので、遺産分割協議ができるまでは預金の引き出しを制限することが通常です。
 
ですが、人の死によってお葬式やお墓代など、すぐに費用が必要になる場合があります。
 
費用がすぐに必要になる場合、生命保険の死亡保険金は受取人が請求手続きをすれば、保険会社の調査や対応スピードなどに差はありますが1週間ほどで指定の口座に振り込みがなされます。その点でも資金の確保として有益な方法になるのではと思います。
 
続いては相続対策に生命保険を活用するメリットとして非課税枠について説明いたします。
 
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2017/sozoku_shinkoku/index.htm
(出典:国税庁)
 

相続対策に生命保険を活用するメリット

ご自分の身に万が一のことがおこったら、と考えると残されるご遺族の生活や資金など金銭面について心配になる人も多いのではないでしょうか。
 
ここでは相続対策に生命保険を活用するメリットとして非課税枠についてお伝えいたします。
 
生命保険の死亡保険金は原則として相続税の課税対象となりますが、ご遺族の生活を守るためにも非課税枠が設けられています。
 
非課税枠:500万円×法定相続人の数
 
例えば、相続人が配偶者と子2人の場合で死亡保険金が3000万円のケースで非課税枠を計算しますと、500万円×3人=1500万円となりますので、死亡保険金3000万円-非課税枠1500万円=課税対象1500万円となります。
 
このケースでは預金などの現金で3000万円相続するよりも1500万円課税対象から控除することができますので、そのぶん納めるべき相続税額も少なくなります。
 
ただし、相続対策で非課税枠を活用する場合は契約形態に注意が必要です。契約形態によっては相続税の対象とはならず、他の所得として課税されてしまう場合があります。
 
続いては契約形態による課税方法の違いをある家族を例に説明いたします。
 

契約形態による課税方法の違い

例題:ご主人Aさんが亡くなられ相続人は配偶者Bさん、子C君、子Dちゃんとして死亡保険金は3000万円とします。
 
ケース1の契約形態
保険契約者(保険料負担者)Aさん、被保険者Aさん、保険金受取人Bさん(C君、Dちゃんでも可)
 
このケースは相続税の課税対象となり非課税枠1500万円の控除が利用できます。
 
ケース2の契約形態
保険契約者(保険料負担者)Bさん、被保険者Aさん、保険金受取人Bさん
 
このケースでは配偶者Bさんの一時所得として所得税の課税対象となります。
 
※死亡保険金以外に一時所得の対象となる所得はないものと仮定して計算しますと、死亡保険金3000万円-払い込んだ保険料-50万円で計算した金額を二分の一にした金額が所得税の課税対象となります。
 
ケース3の契約形態
保険契約者(保険料負担者)Bさん、被保険者Aさん、保険金受取人C君、Dちゃん
 
このケースでは保険金受取人のC君、Dちゃんに贈与税が課税されます。
 
※他に贈与等がないものと仮定するとC君、Dちゃんの各受取額から贈与税の基礎控除110万円を差し引いた金額に所定の税率で計算します。
 
3つのケースを事例として説明しましたが、死亡保険金が相続税の課税対象となるかどうかのポイントは大きくわけて2点あります。
 
ポイント1:保険契約者(保険料負担者)と被保険者は同一人であること
ポイント2:保険金受取人は配偶者や子などの相続人であること
 

さいごに

この記事では相続対策に生命保険を活用するメリットとして非課税枠の活用と請求手続きをすることで比較的早く保険金が口座に振り込まれることを記載し、あわせて注意点として契約形態による課税方法の違いを説明いたしました。
 
相続がいつ発生するかは容易に把握できるものではないと思います。また国税庁の公表にもありますように相続財産の半分近くは換金が難しい土地や家屋で構成されています。
 
相続が発生するとは、誰か、大切な人が亡くなることですので、その時に冷静に平常通りの思考、対応ができる人はまれだろうと思います
 
相続の発生による各種の手続き等に落ち着いて対応するためにも、事前に万が一のことを考え対策を講じておくことは大切なことだと思います。
 
Text:橋本直樹(はしもとなおき)
1級ファイナンシャルプランニング技能士 宅地建物取引士
橋本1級FP事務所 代表

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