公開日:2019.06.16 保険

先進医療特約に似た「患者申出療養」を保障する保険は使える?

健康保険が使える治療法で有効なものがないという状況になったとき、自由診療を治療法の候補として検討する人は珍しくありません。
 
自由診療は高額な費用がかかることが多いですが、「患者申出療養」という制度を使うことで、その負担を減らすことができる場合があります。「先進医療」と同様、めったに利用できるものではないので過剰な期待は禁物ですが、知っておいて損はないでしょう。
 
そこで今回は、この患者申出療養という制度について解説します。
 
横山琢哉

執筆者:

執筆者:横山琢哉(よこやま たくや)

ファイナンシャルプランナー(日本FP協会 AFP認定者)
フリーランスライター

保険を得意ジャンルとするFP・フリーライター。
代理店時代、医療保険不要論に悩まされた結果、1本も保険を売らずに1年で辞めた経験を持つ。
FPとして、中立公正な立場から保険選びをサポートしています。
https://michishirube87.com

詳細はこちら
横山琢哉

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執筆者:横山琢哉(よこやま たくや)

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患者申出療養とは

患者申出療養とは、治療が困難な病気にかかり保険診療では有効な治療法がないようなとき、患者自身が見つけてその利用を医師に申し出た治療法について、健康保険(公的医療保険)を使って治療を受けるための仕組みです。
 
怪しげな民間療法ならともかく、健康保険が使えなくても海外で一般的に行われている治療法であれば、効果が期待できるのではないかと考えるのは自然なことでしょう。このような利用を想定した制度です。
 
患者が主治医に相談し、所定の手続きを経てその効果の有無や安全性などの基準をクリアした場合に健康保険の適用が承認されます。ただし、2019年3月7日現在で7種類の医療技術しか承認されておらず、制度としての歴史は浅いです。
 
患者申出療養として承認されると、一般的な治療法と共通する費用(診察、検査、入院料など)については健康保険が使えるようになります。この仕組みは先進医療と同じで、患者にとっては自己負担が減るのでメリットがあるというわけです。
 

どのくらい負担が違うのか

患者申出療養の2例目として承認されたのが、重症心不全の患者に対して行われる「耳介後部コネクターを用いた植込み型補助人工心臓による療法」という医療技術です。厚生労働省の資料によると、この医療技術にかかる費用の内訳は以下のとおりです(入院日数は60日間)。
 
1.保険給付されない費用(患者申出療養にかかる費用):1613万7000円 → 患者負担
 
2.保険給付される費用(保険外併用療養費に係る保険者負担):982万3000円 → 加入している健康保険の運営者が負担する部分
 
3.保険外併用療養費分に係る患者の一部負担金:419万6000円 → 高額療養費制度が適用される部分(患者負担)
 
患者申出療養として承認されたことで3.の費用については健康保険が適用され、高額療養費制度を利用することができます。
 
419万6000円という金額は高額療養費制度が適用される前の金額ですが、健康保険が使えることでかなり負担が軽くなることが予想されます(負担額は所得などの条件によって個人差があります)。
 
ただし、実際はここまでメリットがあるときばかりではありません。たとえば6例目である「インフィグラチニブ経口投与療法」の場合、患者の一部負担金(3.の費用)は4万5000円です。このように、医療技術によって費用に大きな差がある点は先進医療と同じです。
 

患者申出療養を保障する民間保険

民間の医療保険には先進医療特約と同じように、この患者申出療養にかかる費用(例示した1.の費用)を保障する商品があります。その1つがアクサ生命の「患者申出療養サポート」です。
 
この保険は単体で加入することはできず、医療保険やがん保険など他の保険とセットでのみ加入することができます(2019年4月現在)。
 
1回の療養で最高1000万円、通算2000万円まで保障されるので、先述の例では全額をまかなうことはできませんが、それでもこの保険に加入していればかなり助かったでしょう。
 

自由診療を候補に入れたいなら、自由診療を保障するがん保険という選択肢も

患者申出療養はもともと保険診療で有効な治療法がなくなったときのための制度です。また、申請しても承認されるとは限らないため、実際に使う可能性は先進医療よりもさらに低いでしょう。
 
もし、いざというときに先進医療以外の自由診療も治療法の候補に入れたいのであれば、病気の種類はがんに限られますが、自由診療を保障するタイプのがん保険に加入するという方法があります。
 
こうした商品を利用すれば、高額な費用のかかる自由診療も選択肢として利用しやすくなります。
 
自由診療を利用したときに給付を受けられる商品は限られていますが、いずれも通算で1000~2000万円の保障を得られるので、興味があるなら検討してみましょう。なお、商品によっては通算の限度額とは別に月間の上限を設けているものがあります。
 
このような商品は通算の保障金額が高くても、場合によっては期待したほどの給付金を受け取れない可能性があります。商品を選ぶときはその点に注意してください。
 
出典
厚生労働省「第4回患者申出療養評価会議(平成29年2月6日)における患者申出療養の科学的評価結果」
厚生労働省「患者申出療養の新規届出技術に対する事前評価結果等について」
厚生労働省「患者申出療養の各技術の概要について」
 
執筆者:横山琢哉(よこやま たくや)
ファイナンシャルプランナー(日本FP協会 AFP認定者)
フリーランスライター
 

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