更新日: 2020.08.26 その他保険

終身保険の「解約返戻金」とは?受け取るときに税金はかかるの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

終身保険の「解約返戻金」とは?受け取るときに税金はかかるの?
終身保険の解約返戻金とは、保険解約時に払い戻されるお金のことをいいます。終身保険には「従来型」と「低解約返戻金型」の2種類があるので、自分に合った保険を選択しましょう。
 
この記事では、解約返戻金と、解約時の注意点について詳しく解説します。
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終身保険を途中解約したときに払い戻される「解約返戻金」とは

「解約返戻金」とは終身保険を途中解約すると、保険会社から契約者へ払い戻されるお金です。積立型の終身保険の保険料は保障部分と貯蓄部分とが一緒になっており、基本的には解約返戻金は貯蓄部分の一部から返ってきます。
 
貯蓄部分は保険会社でそのまま保管されているのではなく、運用されています。そのため契約期間が長いほど解約返戻金も増える傾向にありますが、貯金とは異なります。

終身保険には2種類ある

終身保険は、「従来型」と「低解約返戻金型」との2種類あります。
 
「従来型」は保険料の払込期間が長くなるにつれ、解約返戻金が徐々に増えていくタイプです。解約返戻金は、払込保険料に解約返戻率を掛けて算出されます。解約返戻率が100%を超えると、払込金の総額を上回ります。
 
「低解約返戻金型」は、保険料の払込期間中は従来型よりも解約返戻金が7割程度と少なく、その代わりに払込が終わってから返戻率が大きく上昇するタイプ。保険料は従来型よりも割安なケースがほとんどです。

終身保険を解約する前に|気をつけるべきことを知っておこう

終身保険を解約するときには、解約返戻率を確認しておきましょう。早期に解約すると解約返戻率が100%を下回り、元本割れとなってしまいます。先で紹介した「低解約返戻金型」を選択していた場合は、保険料を払い込んでいる間は返戻率が特に低めです。
 
また、解約すれば終身保険の保障もなくなってしまいます。自分の葬式代や相続税対策、残された家族の生活費などに保障を使おうと考えていた場合、それらができなくなってしまうことに注意しましょう。

解約返戻金を受け取ると所得税がかかる

解約返戻金には税金がかかることも覚えておきましょう。保険料を払い込んでいた契約者が受け取る場合は、所得税がかかります。
 
例えば、解約返戻金を一時金扱いで受け取ると所得区分は「一時所得」となり、控除額50万円を引いた半分が課税所得金額に加算されます。
 
また、解約返戻金を年金として受け取ると所得区分は「雑所得」です。雑所得を含む課税所得金額からそれに対応する控除額を引き、所得税を算出します。

契約者以外が受け取った場合は贈与税の対象に

契約者ではない人が解約返戻金を受け取ると、所得税ではなく贈与税がかかります。贈与税の基礎控除額は110万円なので、1年間でそれを下回る額であれば贈与税の支払いはありません。
 
贈与税は一時所得の所得税よりも税率が高く、高額になります。直系尊属から20歳以上の方が受け取るなら特例贈与、それ以外なら一般贈与です。
 
親子や夫婦など家族間であっても、保険料を払った人と解約返戻金を受け取る人が異なれば贈与税の対象になります。解約前には、契約者と受取者がどうなっているのかを確認しておくことをおすすめします。

解約後すぐに解約返戻金を受け取らない選択肢も

終身保険の保険料支払いを止めたいけれど、解約返戻金をすぐに受け取る必要がない場合は「払済保険」にすることができます。払済保険なら保障を受ける権利をそのままにでき、解約返戻率を上げていくことも可能です。
 
払済保険は終身保険とは違い、入院特約や医療特約などをプラスできない点には注意しましょう。入院特約や医療特約が必要な方は、払済保険のほかに別な保険を契約することをおすすめします。

解約返戻金の違いも含めて終身保険を選ぼう

終身保険を選ぶときは、解約返戻金がどのように戻るタイプなのかについても確認しておきましょう。貯蓄性の良い終身保険を希望であれば、早期解約しなければ返戻率100%以上が見込める「低解約返戻金型」が良いかもしれません。
 
解約したら保障が受けられなくなってしまうこと、解約返戻金を受け取ると税金がかかることも気をつけたいポイントです。だいぶ前に契約しているなどで不安な方は、内容を確認してから保険の解約手続きを行いましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部


 

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