更新日: 2021.02.10 生命保険

余命6ヶ月の宣告で保険金を受け取れる「リビング・ニーズ特約」って?

執筆者 : 大泉稔

余命6ヶ月の宣告で保険金を受け取れる「リビング・ニーズ特約」って?
余命6ヶ月の宣告を受けると、保険金を請求することができる「リビング・ニーズ特約」。しかも、この特約は保険料が無料であることが多く、契約中の保険に付けている人もいらっしゃるでしょう。
 
今回は、リビング・ニーズ特約についておさらいします。

【PR】日用品10点セットプレゼント

【PR】保険クリニック

おすすめポイント

初めてご相談いただいた方へ日用品10点セットをプレゼント!
保険相談であなたにぴったりな保険がみつかる
業界トップクラス!取り扱い保険会社約50社
※詳細はキャンペーンページをご確認ください

大泉稔

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

そもそもリビング・ニーズ特約とは?

リビング・ニーズ特約とは、その原因を問わず、被保険者が「余命6ヶ月以内」という宣告を受けると、死亡保険金の全部または一部を、生前に請求することができるというものです。
 
リビング・ニーズ特約で請求することができる金額の上限は3000万円です。被保険者の死を待たずして、まとまった現金を受け取ることができます。被保険者の残された余 命を有効に生かすための資金、あるいは闘病や介護などに充てる等が考えられます。
 
なお、仮に宣告を受けた後、余命6ヶ月を超えて長生きしたとしても、「リビング・ニーズ特約で請求した保険金を返してください」ということにはなりません。
 
また、リビング・ニーズ特約による保険金の請求を行うと、その分だけ死亡保険金が減るか、契約が消滅します。
 

【PR】日用品10点セットプレゼント

【PR】保険クリニック

おすすめポイント

初めてご相談いただいた方へ日用品10点セットをプレゼント!
保険相談であなたにぴったりな保険がみつかる
業界トップクラス!取り扱い保険会社約50社
※詳細はキャンペーンページをご確認ください

リビング・ニーズ特約の特徴

リビング・ニーズ特約による保険金の請求は、「死亡保険金の前払い」とイメージをすると分かりやすいでしょう。生命保険の保険料は、死亡保険金のための保険料であり、その一部もしくは全部を「前払い」する特約なので、保険料が発生しないのはそれゆえなのではないかと推察します。
 
リビング・ニーズ特約には、特約保険料がないゆえのメリットがあります。それは、払済保険に変更してもリビング・ニーズ特約は消滅しないという点です。
 
払済保険とは、保険料の払込を中止する代わりに、保険金額を減らして契約を存続させる保険です。払済保険に変更すると特約が消滅することが多いのですが、リビング・ニーズ特約は払済保険に変更しても存続します。
 

リビング・ニーズ特約による保険金の請求と税金

リビング・ニーズ特約による保険金を請求すると、6ヶ月分の保険料と同期間分の利息を差し引かれます。リビング・ニーズ特約で受け取った保険金は非課税です。
 
例えば、リビング・ニーズ特約による保険金の請求手続きを済ませ、保険金が入金する前に被保険者の容体が急変し、亡くなった後に受け取ったとしましょう。この受け取ったお金は死亡保険金ではなく、リビング・ニーズ特約による保険金です。つまり非課税対象です。
 
ただし、被保険者が死亡後、リビング・ニーズ特約で受け取った保険金が現金として残った場合、これは相続評価の対象となります。つまり、死亡保険金の非課税額などの適用等もありませんし、遺産分割協議を経て、相続人の誰かが相続することになります。
 
なお、存命中にリビング・ニーズ特約による保険金を受け取り、使い切ることなく被保険者が亡くなってしまった場合も同じです。使い切らずに残った保険金が、そのまま現金として相続評価の対象です。
 

まとめに代えて

相続という「相続税」を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、非課税という点だけに捉われて、急いでリビング・ニーズ特約による保険金を請求してしまうと、被保険者の容体が急変した時や亡くなった後の相続時などに、想定外のトラブルを招く可能性があります。
 
リビング・ニーズ特約による保険金請求を検討するということは、余命宣告を受けている時ですから、「じっくり計画を練って」というのも難しいかもしれません。
 
しかし、何のために契約した生命保険なのか、生命保険の契約の目的を確認するとともに、改めて遺言書の必要性や相続税のシミュレーションをしてみるなどを行ってから、リビング・ニーズ特約による保険金の請求を検討するべきではないでしょうか。
 
(参考)
生命保険センター「保険料の負担軽減・払込の中止と契約の継続」
大同生命「リビング・ニーズ特約の中途付加」
生命保険センター「生前給付型保険の法的諸問題」
国税庁「リビング・ニーズ特約に基づく生前給付金」
生命保険センター「保険金・給付金の請求から受取りまでの手引き」
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役
 

ライターさん募集