最終更新日: 2021.04.28 公開日: 2021.04.30
保険

地震保険は、政府が予算を組んでいるってホント?

執筆者 : 大泉稔

もともと割高感の否めない地震保険の保険料ですが、2017年から1年おきに改定され、今年の1月にも改定がなされ、多くの都道府県で保険料が上がっています。保険料が高いということから、「地震保険を解約してしまおうか」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

ところで、地震保険は、実は政府が予算を組んでいる保険であるということをご存じでしたか?
 
大泉稔

執筆者:

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

大泉稔

執筆者:

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

地震保険の限度額は12兆円、その理由と内訳は?

地震保険の解約を検討している方の中には、地震保険に対して、少なからぬ不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。
 
「かつての関東大震災のような大きな地震保険が起きてしまえば、どうせ、地震保険の保険金はもらえない。だから地震保険の契約は無意味だ」
 
「巨大地震が起きれば、地震保険の保険金支払いによって、損害保険会社がつぶれてしまうのでは? だから、地震保険の保険金は、損害保険会社に払い渋られてしまうのでは?」
 
「大きな地震が増えているので、保険料が上がるのはやむを得ないが、地震の増加にかこつけて損害保険会社が意図的に保険料を高くしているようにも思える」
 
本当にそうでしょうか?
 
地震保険をご契約の方でも、ご存じの方は少ないかもしれませんが、2021年4月に地震保険の「地震1回あたり」の限度額が12兆円に引き上げられました。この12兆円とは、1923年9月1日に起きた関東大震災が今起きたとしても、地震保険の保険金を支払うことができるように想定された金額です。
 
ちなみに、もし地震保険の保険金請求額の合計が12兆円を超えてしまった場合には、按分された保険金を受け取ることになります。つまり、「大きな地震が起きたら、地震保険の保険金はもらえない」ということはないでしょう。
 
なお、この12兆円は地震保険のすべての契約に対するもので、特定の損害保険会社や特定の契約を想定したものではありません。
 
また、12兆円のうち11兆7751億円が政府の予算であり、残りの2249億円が、地震保険の契約を引き受けている損害保険会社の負担となっています。つまり、地震保険の限度額のうち、実に99.8%が政府の予算で占められているのです。
 

損害保険会社は、地震保険ではもうからない

地震保険は政府が予算を組んでいるとはいえ、地震保険は火災保険とセットで契約することになっていますので、損害保険会社と契約することになります。
 
地震保険の契約を引き受ける損害保険は、地震保険の契約からは利潤を得ることができません。また、損害保険会社が地震保険の保険金を支払ったとしても、損害保険会社の保険金の収支状況には影響しません。これをノーロスノープロフィットの原則と言います。
(※ただし、お客さまと相対する保険代理店は損害保険会社から代理店手数料が支払われます)
 
つまり、「地震保険の保険金の支払いによって損害保険会社がつぶれてしまう」ということや「地震保険の保険金を払い渋られてしまう」という心配もなさそうです。
 
もし、損害保険会社がつぶれたとしても、損害保険契約者保護機構では、地震保険に対する補償の割合は100%です。また、「地震の増加にかこつけて、損害保険会社が意図的に保険料を上げている」ということもありません。
 

まとめに代えて

いかがでしょうか? 地震保険の解約を検討なさっている方、地震保険に対する見方が少しは変わったでしょうか?
 
前述のとおり、2017年以後1年おきに地震保険の保険料が改定されています。中には、地震保険の保険料が上がり続けている方もいらっしゃるでしょう。地震保険の保険料が上がり続けるのは、地震のリスクが上がっているということも影響しているかもしれません。保険料を支払うのが難しいと感じている方は、保険金を減額するなどして、損害保険会社に保険料を下げる相談なさってはいかがでしょうか。
 
(参考)
財務省「地震保険制度に関するプロジェクトチームにおけるこれまでの議論の中間的整理」
損害保険契約者保護機構「損害保険契約者保護機構について」
日本地震再保険株式会社「地震保険のしくみ」
損害保険料率算出機構「地震保険料率の変遷」
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役

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