更新日: 2023.05.23 その他保険

自転車事故で相手にけがをさせてしまったら? 賠償金はどれくらい払うのか

自転車事故で相手にけがをさせてしまったら? 賠償金はどれくらい払うのか
幅広い世代の方たちが利用する自転車は、手軽で便利な交通手段ですが、自動車と同様に、交通事故に遭遇するリスクもあります。近年では、自転車事故を巡って裁判に発展し、加害者に高額な賠償金の支払いが命じられるケースも増えており、注意が必要です。
 
本記事では、自転車事故で高額賠償を請求された事例などを交えて、保険に加入する必要性について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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自転車事故で1億円近い賠償金を支払う可能性がある

自転車事故を起こした加害者に、1億円近い賠償金が命じられた事例が、これまでにいくつかあります。また、死亡事故に至らなかった場合でも、被害者に後遺障害が残ると、賠償額が高額になります。
 
そこで、1億円近い賠償金の支払いを要求された事例について確認してみましょう。
 

子どもの母親に9521万円の支払いが命じられた例

9521万円の賠償金支払いを請求された事例では、加害者は当時小学5年生の男児です。男児が運転する自転車に、歩行中にはねられた女性が意識不明の重体となった、自転車と歩行者の接触事故です。
 
基本的な安全確認を怠ったとの理由から、子どもの母親に9521万円の賠償金の支払いが命じられました。このケースのように、わが子が起こした自転車事故で、保護者が責任を負う可能性があります。
 

男子高校生に9266万円の支払いが命じられた例

こちらの事故は、自転車同士の接触事故により、男子高校生側に賠償金の支払いが命じられた事案です。死亡事故には至りませんでしたが、被害者である会社員に言語記憶喪失、右上肢機能全廃などの重い障害が残った結果、1億円近い賠償金の支払いが命じられています。
 
このケースのように、幸いにも死亡事故を避けられたとしても、被害者に重篤な障害が残った場合は、賠償金が高額になる傾向がみられます。
 

自転車事故が問題視される理由

自転車事故の問題点は、加害者となったときに賠償金が高額となり、支払えない可能性が高いことです。
 
よほど金銭的に余裕があるか、家を売るなどしない限りは、高額な賠償金をすんなりと支払うことは難しいでしょう。賠償金が支払えずに自己破産の道を選んだとしても、賠償金の支払いが全額免責されない可能性もあるのです。
 

自転車保険に加入しておくと万が一に備えられる

万が一、自分が自転車事故を起こして加害者となったときに備えて、自転車保険に加入しておくことが重要です。近年では、各県で自転車に乗る県民に、自転車保険への加入を呼びかける動きもみられます。
 
国土交通省のデータによると、2023年4月1日時点で、自転車保険への加入を32県で義務化、10県で努力義務と位置付けています。自転車保険に加入しておくことは、加害者としての責任を果たせるだけではなく、あなたや家族の今後の生活を守ることにつながるのです。
 
TSマーク付きの自転車を購入すると、自動的に自転車保険に加入できますが、被害者側の死亡、もしくは後遺障害時の補償額は最大1億円です。そのため、場合によっては差額分の補償額を自己負担する必要があります。そのように考えると、自転車保険への任意加入は必須といえるでしょう。
 

自転車保険に加入する際のポイント

自転車保険と一言にいっても、さまざまな商品があるため、補償内容を十分に比較し検討する必要があります。
 
まず、1点目に押さえておきたいポイントは、被害者へ支払う賠償金の額です。前述した通り、近年では9000万円を超える賠償金を命じられた例があります。そのような時代背景から考えると、補償額が1億円を超える自転車保険に加入しておくことが適切です。
 
また、高額な賠償金を請求されるケースでは、当事者同士での示談交渉が難しいため、主契約に弁護士特約を付けておくと安心です。弁護士が提携する保険会社を通して、交通事故が発生した当初からの流れを確認できるため、裁判に発展したときに備えられます。
 

自転車保険に加入して高額補償に備えよう

自転車は交通手段としては便利な乗り物ですが、走行中に他人にけがを負わせてしまうと、数千万円単位の補償を命じられる可能性があります。
 
事故を起こし加害者になったときに、高額な賠償金を請求される危険性について理解し、自転車保険に加入しておくことが必要です。
 

出典

国土交通省 自転車賠償責任保険等への加入促進について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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