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2018.01.19スペシャルインタビュー

人生100年時代のビジョンマップ「心もお財布も幸せに生きよう!」(2)

国の年金制度って大丈夫なんですか?

Interview Guest : 青山桂子(厚労省年金局 企業年金・個人年金課長)

interviewer : 山中伸枝 / Photo : 岩田 えり

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Interview Guest

青山桂子(厚労省年金局 企業年金・個人年金課長)

青山桂子(厚労省年金局 企業年金・個人年金課長)

こんにちは、心とお財布を幸せにする専門家 ファイナンシャルプランナーの山中伸枝です。人生100年のビジョンマップ。前回(1)に続き厚生労働省年金局の青山様にお話しを聞いていきます。

専業主婦、公務員にはもっともっとiDeCoを知ってもらいたい

山中 たとえば拡大された対象者の層である専業主婦の方っていうのは反応としてはいかがですか。
 
—青山 専業主婦の方は、普段こういう情報には触れにくいのかもしれないので、会社さんに周知するときにも、従業員の配偶者の方も意識して専業主婦の方も入れますよってことを一言付け加えたりしています。
 
少ない額から始められることを、専業主婦の方がメリットに感じていただけるという声も聞いたことがあります。iDeCoはひと月5千円から始められるので、それほど手持ち資産がなくても始められる点は評価されているようです。パンフレットなどでどのような資産・所得の方でもできますということを伝えているつもりで、その点は少しずつキャッチいただいてるかなとは思います。
 
山中 5千円はお手軽ですよね。また積み立てでしかやれないっていうのが、やりやすいかもしれませんね。公務員さんはいかがですか。
 
—青山 公務員も、確定拠出年金制度自体全く縁がなかった層なのですが、厚生年金に一元化されたりした影響もあるのか、関心は持ってもらっていると思います。公務員の年金制度も変わる中で、他省庁や地方公務員さんを雇用する自治体にもいろいろ周知したり、職員向けにセミナーをやったりしています。
 
セミナーは結構参加も多いですね。公務員にとっても、例外なく老後の自助努力が重要なんだということは感じてもらっていると思います。老後のために何か自分で積み立てようと思うのだったら、iDeCoは断然税制上の優遇が大きい、そういう認識は高まってきていると思います。
 
山中 何かしなきゃいけないよねと思ってる人は多かったと思うんですけれども、そこに、じゃあ老後資金ならこれっていう明確な答えが見えたのが分かりやすかったのかもしれませんよね。
 
—青山 公務員なので、「法律上の制度です」と言うと、理解、安心されるところもあるのだと思います(笑)。
 
山中 国の法律「確定拠出年金法」ですからね(笑)。人によってはiDeCoは金融商品だと誤解される方もいらっしゃいますね。どうしても金融機関さんのセミナーとかって、お得お得みたいなところが先に立ってしまったりするんですけれども、しっかりと「これは国の法律に基づいて守られている制度ですよ」ってお伝えするべきですね。やっぱり、厚生労働省さんがバックアップしている非常に大きな国の制度だっていう方が、安心感ありますよね。
 
—青山 そうですね。運用とか商品の部分だけに捉われるのではなくて、定期的に、60歳までは引き出さないで積み立てなければいけないとか、60歳以降、年金として貰えるといったトータルで見ていただきたいと思いますね。
 
山中 法律で決められた制度だといっても結構流動性もあって、60歳までは下ろせないっていうのはありますけど、掛け金は5千円から千円単位で決められるし、変更もできますよね。いざとなったら、運用指図者といって掛け金をお休みすることもできたりとか、割と融通が効きますよ。なので、その辺りはぜひ知ってほしいなといつも思っていて。
 
—青山 制度のバックがありながら選択肢が多いと思います。だからこそ迷ってしまう部分があるのでしょうけれども。確定拠出年金自体が自分で拠出を決めて、自分で運用する制度なので、その分選択肢は多くしなければいけないというのが政策の考え方だと思います。
 

国の年金制度って大丈夫なんですか?

山中 でもiDeCoの普及が拡大するとともに、自助努力として国が「私的年金をどんどん頑張ってください」って言うと、「国の年金がもう駄目になっちゃってるじゃないか」っていうようなお話って出てくると思うんですけれども、そういったとこに対するご説明はされていらっしゃるんですか。
 
—青山 公的年金はマクロ経済スライドという給付の自動調整の制度も入れてますが、確かに「不安なのではないか」と言われることがあります、初めにわれわれ年金局の仕事を聞いていただきましたが、われわれとしては、公的年金がやはり老後の所得の柱だというのは昔も今も変わらない考えです。
 
少子高齢化という状況を迎えて不安に思う方いらっしゃるかもしれないのですけれども、財政検証といって年金財政を定期的に健康診断するような形で、必要なメンテナンスをしながら制度を運営しています。そこはこちらも、将来に渡って制度を安定的に持続させるということはよく意識して制度を企画してますので、理解いただきたいと思っています。
 
iDeCoとかそういう私的年金は、その上で自分自身でさらに豊かに老後を送りたいという方にとっては有用です。個々人の老後に対するニーズが多様だと思いますので、いろいろなニーズに応えられるようにiDeCoなどの上乗せの部分の政策も多様に用意したいと、そういう考えで日々仕事をしています。
 
山中 多くの方は、受給開始年齢の引き上げや年金額の目減りという点に不安感を持っていらっしゃるのではないでしょうか?かつて60歳だった年金が65歳に引き上げられて、それがさらに68、70になるかも知れない。
 
—青山 政策的にも高齢者がいつまでも働き続けられる環境整備を進めています。それとの間合いで今65となってるわけなんですが、ただ制度としてはそこまでなんですね。65歳より後に受給開始を繰り下げると政策的に決めているわけでは全くありません。ただ、今でも自分の意思で早めたり遅くしたりできる「繰上げ、繰り下げ」という制度があります。それは、受給開始年齢を自分で遅くすればそれだけ増額される仕組みであくまでもご自身の選択です。
 
山中 繰り下げると受給額が増えますからね。
 
—青山 そうですね。いつまでも働きたいっていう方もいらっしゃるし、そうでない方もニーズに応じて、受給可能年齢の選択肢を複数用意しています。貰える年齢を強制的に今からさらに後にするという方向が出ている訳ではないので、誤解はしないようにしていただければと思います。あくまでも、就労との関係も踏まえながら議論していくことかと思います
 
山中 選択肢が広がったっていうことを、プラスに捉えられるのかネガティブに捉えられるのかっていうところがあるんでしょうね。
 
—青山 特定の選択肢だけしかないというつもりではないのです。
 
山中 そうですよね。よりそういった選択肢もあるよっていうことを誤解していらっしゃる方も多いんでしょうね、きっと。あとやっぱり、マクロ経済スライド率が適用されたっていうの目減りっていう言葉を使っちゃうのとでは、言葉のニュアンスが全然違いますよね。なんか言葉の使い方で非常に損をしているようなイメージになります。
 
—青山 今の若い世代が将来きちんともらえなくなると困るので、制度が長期的に続かなければならないという前提でやっていますので、今日明日目減りすることだけで不安になるというよりも、制度としていつまでも安定的に運用されていくことが大事だということを理解いただきたいと思います。
 

変化はかえって安心材料なのだ

山中 反対に言うと、国の年金は物価スライドが原則だからものすごくありがたい制度なんですよね。

 
—青山 理解いただきたいです。
 
山中 一般の確定年金っていうと額が決まっちゃってますからね。例えば、結構若い方でも個人年金保険とか入っていらっしゃる方が多くて、「60歳から年金50万円を10年間受け取れます」っていう話に安定を感じてしまっている。一方で「国の年金は物価が上がればそれに応じた上昇が見込めます」っていう、その変化は不安と感じたりするところはあるんですよね。
 
—青山 あるかもしれないですね。
 
山中 30年後の決まった金額よりは、30年後にその経済状況に合わせた受給額が決定するっていう方が、正しく考えればありがたい制度なんですけれども。今確定された金額の方が安心っていう理解は、そろそろ考え直した方がいいですね。
 
—青山 今金額が見える方がどうしても安心だと思ってしまうのでしょうけども。
 
山中 でも、世の中変わったときに今の金額がそのまま同じ価値かっていう、価値のスライドはもう少し知ってほしいですよね。
 
—青山 そうなんですよね。同じ100円玉でも、物価が上がれば価値が下がりますから。
 
山中 それはすごく思いますね、決まった金額が安心だっていうのは間違ってますね。確かに、マクロ経済スライドが適用されて年金は物価上昇に負けるといったことを言いますけど、でも物価全体が上がればそれでも年金額が上がっていくわけですから、そこはちゃんとお伝えしないといけないなとは思うんですよね。
 
国の年金は大丈夫なのでしょうか?という質問の答えは、財政検証とか持続可能な制度としてしっかりウォッチしているので、心配ご無用ってことですね。さらに選択肢としてiDeCoが登場!みたいな理解ですね。
 
—青山 自分で自助努力できる選択肢を増やすことで、いろいろ老後のニーズに応えられるようにしたいと思っています。

(3)に続く  全4回掲載予定 次回:1/26予定
 


 
Interview/Text :山中伸枝 (やまなか・のぶえ)
ファイナンシャルプランナー(CFP)
株式会社アセット・アドバンテージ 代表取締役 
1993年米国オハイオ州立大学ビジネス学部卒業。メーカーに勤務し、人事、経理、海外業務を担当。留学経験や海外業務・人事業務などを通じ、これからはひとりひとりが、自らの知識と信念で自分の人生を切り開いていく時代と痛感し、お金のアドバイザーであるファイナンシャルプランナーとして、講演・相談・執筆を中心に活動。

山中伸枝

interviewer:山中伸枝(やまなか のぶえ)

ファイナンシャルプランナー(CFP)
株式会社アセット・アドバンテージ 代表取締役 

1993年米国オハイオ州立大学ビジネス学部卒業。メーカーに勤務し、人事、経理、海外業務を担当。留学経験や海外業務・人事業務などを通じ、これからはひとりひとりが、自らの知識と信念で自分の人生を切り開いていく時代と痛感し、お金のアドバイザーであるファイナンシャルプランナーとして、講演・相談・執筆を中心に活動。

岩田 えり

Photo:岩田 えり(いわた えり)

フリーランス・フォトグラファー

日本舞台写真家協会・会員。タレント・舞台俳優など人物写真を得意とする。