2018.01.26 年金

人生100年時代のビジョンマップ「心もお財布も幸せに生きよう!」

iDeCoの運用はどう考えたらいいのでしょう?

Interview Guest : 青山桂子 (厚労省年金局 企業年金・個人年金課長)

interviewer : 山中伸枝 / Photo : 岩田 えり

Interview Guest

青山桂子 (厚労省年金局 企業年金・個人年金課長)

青山桂子 (厚労省年金局 企業年金・個人年金課長)

こんにちは、心とお財布を幸せにする専門家 ファイナンシャルプランナーの山中伸枝です。人生100年のビジョンマップ。前回に続き厚生労働省年金局の青山様にお話しを聞いていきます。

iDeCoの加入者が自分で納得して効果的に運用をしていくことが制度の肝になります

山中  iDeCoは税制優遇があって、老後資金作りとしてはとても有利なんですが、やっぱり自分で投資商品を選ぶってところが、結構厳しいところもあると思うんです。この辺りについて今後のサポート体制とか、厚労省が考えていることありますか。
 
—青山  自分で運用するが故に、運用に慣れてない方にとっては戸惑うことは実際あり得ると思います。今やっていますのは、iDeCoは制度自体を知ってもらわなければいけないところ、税制上の優遇、積み立て方の仕組みなど全体を分かりやすく周知する中で、運用の基礎的なことも周知しています。
 
運用はiDeCoの中で重要なポイントなのでiDeCoアプリとか、特設サイトであるイデコガイドとか、漫画などを作って運用商品を選ぶときのポイントをお伝えをしています。元本確保型商品はこうだとか、そうではない投資信託はこういうものだとかですね。
 
ただ、運用についてもう少し知識を得なければいけないということはあると思います。元々確定拠出年金の制度では、そういう「投資教育」というものを制度上組み込んでいて、企業型では会社ごとに投資教育をやってくださいとお願いしてます。
 
iDeCoですと、国民年金基金連合会から委託を受けて運営管理機関がやっています。おそらく、加入する際や加入している途中で、様々な投資教育サポートが、すでにやられいると思いますが、より分かりやすい教育をしていただきたいとこちらも望んでいます。
 
加入者が自分で納得して効果的に運用をしていくことは制度の肝だと思いますので、そういう投資教育がより浸透するように、個人により響くようにやっていかなければ、もう少しいろいろ考えていかなければという問題意識は持ってはいます。
 
山中 漫画の動画もすごく面白いですよね。白イルカのイデコちゃんが出てきて。
 
—青山 今回キャラクターがイデコちゃんで、デコデコっていう韻を付けて運用はこうだなみたいな話をしたりしています。関心を持っていただきたいと思っています。
 
山中 ああいう動画や漫画っていうのがやっぱり分かりやすいですもんね。
 
—青山 はい。そういうところを気楽に見ていただいて、そういうものなのだなとまずは思っていただくことが狙いかと思います。
 
山中 少なくとも掛け金の税控除を考えれば、もう補助輪付きの運用ですもんね。運用初心者でもめちゃくちゃやりやすいはずです。
 
—青山 運用商品も、運営管理機関がよく吟味して設定しているはずなので、初心者の方にとってもそんなに怖れるようなものではないとは信じています。ぜひ怖れることなく利用していただきたいと思います。
 
山中 改めて考えるとiDeCoが2017年1年金融業界に与えた影響はすごく大きかったと思うんですよね。まず、個人型の確定拠出年金って力を入れてる金融機関がこれまではあんまりなかった。でも加入資格者拡大で、金融機関が新規参入してきましたし、今までコストの開示っていうのがあまりなかったんですけど、手数料開示もしました。あと信託報酬の引き下げって2017年はすごく多かったですよね。
 
—青山 投資信託のですね。
 
山中 はい、投資信託ってちょっと前までは国内の株式に投資をするもののインデックス型って0.5%ぐらいの信託報酬が普通かなっていう認識でいたんですけど、今0.16とか0.2%を切ってきてるんですよね。なので、ものすごく環境的には一般投資家の方には今年は大きな飛躍でしたよね。
 
—青山 各金融機関さん、みなさん競争もあるでしょうから、その中でいい商品を可能な限り低コストで提供したいということを努力いただいてるのだとすれば、それはいいことだと思います。
 
山中 ここまで金融機関さんが動くんだな、というのはすごく思いましたね。
 
—青山 やっぱり加入者が増えると、「自分のところも頑張らなきゃ」ってより思われる。でも、この1年、加入者は増えましたけども、加入してない人の方がまだまだ多いので。これからも周知していく必要があります。
 

加入者はまだたったの1%です

山中 加入対象者の人数からすると、70万人っていうのはどの程度なんですか。
 
—青山 iDeCoの加入対象となる公的年金の被保険者は約6000万人いるのでiDeCo加入者約70万人ですので、1%台にやっと乗ったというところです。
 
山中 やっと1%ですか。まだ100人に1人!
 
—青山 制度導入前は0.5%でしたが、まだまだ。もちろん企業型確定拠出年金がある場合の条件はありますけども、ほとんどの方はなんの制約もなく入れるはずなので。
 
山中 100人に1人なんですね。業界的にはすごく増えたなと思ってますけど、全国の規模で考えるとまだまだ。
 
—青山 はい、まだまだ。
 
山中 じゃあ、ますますこれからは普及に拡大っていうとこだと思うんですけれども。例えばまだやっていらっしゃらない方で、特にこういう人にはぜひっていうのはありますか。
 
—青山 どのようなな方でももちろん活用いただきたいのですが、例えばですが、サラリーマンは国民年金の上に厚生年金がありますが、これがない方が老後は不安かもしれません。自営業者の方とかは国民年金だけですから、そういう方とか。
 
あと、厚生年金はあっても、3階部分の企業年金がない方もいらっしゃるので、そういう上乗せ部分が薄い方でそれを不安に思う方であればiDeCoの利用という形で不安を解消していただきたいとは思っています。
 
山中  あとは、来年から配偶者控除の拡大もありますから、これも結構iDeCoにはプラスに働くのではないかと思うんですね。今まで、いわゆるパートの主婦で103万円の壁を意識して働き方を調整している場合、iDeCoをしたとしてもそもそも税金を払っていませんから、掛け金の税控除は意味がない。従って「主婦にiDeCoのメリットはないよね?」っていうような方たちが結構いらっしゃって。
 
でも、その場合でももしあと月2万円ぐらい働けるのなら働いて、それをそのまんまiDeCoで貯蓄をすると、iDeCo控除の24万円が作れるので収入が増えても税金は払わなくて済むんですよね。
 
なので、「税金払わずにご主人の扶養の範囲で働ける」って紹介していたんですけど、やはりネックは103万円を超えるとご主人の扶養控除が使えなくなるからご主人の税金が増えちゃうんですね。でも扶養控除が150万円まで拡大すると、ご主人さんの税の増加もないからみんな丸く収まって、更に主婦層にiDeCoが浸透するんじゃないかなって。
 
—青山 iDeCoの掛金は全額控除されるから、その分収入が増えても変わらずに積立ができますね。
 
山中 その辺りのところはぜひ推したいなとは思ってるんですけど。
 
—青山 確かにそれはそうかもしれないですね。あまりこちらもそういう形では周知したことはあまりないのですけれども、所得控除の効果ですね。
 
山中 収入を増やしていくってことはすごく大事なことですよね。ぜひ所得控除の拡大が引き金になって、「じゃあもう少し働いてみて、さらに余裕があった分で税制優遇を使って自分年金を作ろう」ってうまくいけばいいんじゃないかなとは思うんです。
 
—青山 少しでも自分で収入を得る中でiDeCoもその助けになるということはいいことかと思います。
 
山中 自営業者などはまだまだ加入が少ないんですか。
 
—青山 そうですね。例えば、小規模企業共済という制度がありますが、そちらに比べるとiDeCoはあまり知られてなかったかもしれません。今回かなり加入者が増えていることを考えると、単に知らなかっただけの人が多いかもしれないですね。
 
山中 これはまだまだ頑張らないといけませんね。
 
—青山 ほんとにまだまだ知らない方が多いのと、まだ様子見というか・・・仰っているように、知っているけどまだ始めてない方もいらっしゃると思うのでしっかり取り組んでいきます。
 
(4)に続く  全4回掲載予定 次回:2/2予定
 
Interview/Text :山中伸枝 (やまなか・のぶえ)
ファイナンシャルプランナー(CFP)
株式会社アセット・アドバンテージ 代表取締役 
1993年米国オハイオ州立大学ビジネス学部卒業。メーカーに勤務し、人事、経理、海外業務を担当。留学経験や海外業務・人事業務などを通じ、これからはひとりひとりが、自らの知識と信念で自分の人生を切り開いていく時代と痛感し、お金のアドバイザーであるファイナンシャルプランナーとして、講演・相談・執筆を中心に活動。

人生100年時代のビジョンマップ「心もお財布も幸せに生きよう!」

山中伸枝

interviewer:山中伸枝(やまなか のぶえ)

ファイナンシャルプランナー(CFP)
株式会社アセット・アドバンテージ 代表取締役 

1993年米国オハイオ州立大学ビジネス学部卒業。メーカーに勤務し、人事、経理、海外業務を担当。留学経験や海外業務・人事業務などを通じ、これからはひとりひとりが、自らの知識と信念で自分の人生を切り開いていく時代と痛感し、お金のアドバイザーであるファイナンシャルプランナーとして、講演・相談・執筆を中心に活動。

岩田 えり

Photo:岩田 えり(いわた えり)

フリーランス・フォトグラファー

日本舞台写真家協会・会員。タレント・舞台俳優など人物写真を得意とする。

 

 

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