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2018.02.02スペシャルインタビュー

人生100年時代のビジョンマップ「心もお財布も幸せに生きよう!」(4)

「iDeCo」と「つみたてNISA」!どう使い分けたらいいのでしょう?

Interview Guest : 青山桂子 (厚労省年金局 企業年金・個人年金課長)

interviewer : 山中伸枝 / Photo : 岩田 えり

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Interview Guest

青山桂子 (厚労省年金局 企業年金・個人年金課長)

青山桂子 (厚労省年金局 企業年金・個人年金課長)

こんにちは、心とお財布を幸せにする専門家 ファイナンシャルプランナーの山中伸枝です。人生100年のビジョンマップ。前回に続き厚生労働省年金局の青山様にお話しを聞いていきます。

つみたてNISAとどう使い分けるの?

山中  いよいよ2018年からはつみたてNISAも始まってくるわけですけど、選択肢が増えると「どう使っていいのか分からない」とか、つみたてNISAも一言で「税制優遇」って言われちゃうと「iDeCoと何が違うの」みたいになっちゃうとは思うんです。この辺りはどういう風に付き合っていけば良いかとか、アドバイスがありますか。
 
—青山 つみたてNISAは、長期間継続的に積み立てできるという点はiDeCoと一緒ですね。また運用益非課税の部分も共通なのですが、掛け金が所得控除になるなど、iDeCoにはあるけどつみたてNISAはないという点もあります。その違いを見ればiDeCoの方が税制上の優遇は大きいです。他方、NISAは元々老後資金目的の制度ではないので、引き出しはいつでもできますね。
 
山中 制約がないっていうことですからね。
 
—青山 iDeCoは老後のための資産形成ですから、原則60歳まで引き出しはできないので、老後資金以外で払い出ししたい人にとってはNISAの方が使い勝手は良いですね。そういう違いは、分かりやすく伝えていくことは大事かと思っています。
 
山中 目的別にお金を積み立てをするっていう認識をもう少し強めていただければ、使い分けが上手にできるかもしれませんね。
 
—青山 何のために貯めたいのかとか、今どれだけ積み立てに回せるお金があるのかとか考え、どっちをやるか、あるいは両方同時でやることは別に構わないので、そこは自分のニーズをよく見極めていただければ大丈夫だと思います。
 
山中 昔は財形も一般財形、住宅財形、年金財形と3種類ドーンとあって、みなさん使い分けをしていらっしゃっていたはずなので、そういうイメージで使っていけばいいですよね。 財形より税制優遇枠もiDeCoの方が大きいですしね。では、今あえてiDeCoの問題点というか課題ってありますか。
 
—青山 問題点というわけではありませんが、例えば拠出限度額です。お仕事などにより異なる掛金の上限額が低いとか、対象者によって微妙に額が違うので分かりにくいなどの指摘があります。また、老後の備えと考えると60歳まで引き出せないことは、その目的に向かって合理的な仕組みとして作ったものですが、人によっては多少窮屈に感じる、そういうご意見もあります。その辺りは、課題として引き続き議論の対象にはなり得るかなと思います。
 
あと、iDeCoは今70歳まで運用は継続できるのですが、掛金の拠出は60歳までしかできないので、65歳まで働くという時代にそれでいいのかという指摘もあります。また、iDeCoに限ってではないですが、給付の際の税制上の違いもあって、分割の年金ではなく一時金で貰う人がとても多いです。そういう問題をどうするのかとか、そういうのは過去に審議会でも議論になって引き続き検討課題となってます。
iDeCoを含む確定拠出年金制度は今後も引き続きいろいな課題を考えていかなければならないと思っています。
 
また、われわれが「iDeCoはメリットありますよ」と周知する際に、いい面だけではなく、きちんと注意点は言わなければいけないと思っています。「60歳まで引き出せませんよ」とか「自分で運用する必要がありますよ」とか、「手数料が掛かります」とか。もちろん手数料の金額は各金融機関が決めていますが、手数料はかかるのが普通でそれが掛け金から引かれますので、そういう注意事項は必ず併せて言うようにはしています。
 
山中 手続きや掛金上限は少し分かりにくい部分もあるのかもしれませんね。
 
—青山 手続きも、書類が多いとか、サラリーマンの場合事業主からの書類が大変だとかいろいろ指摘があります。こちらも金融機関や国民年金基金連合会で作る普及・推進協議会の方で、できる事務改善・事務簡素化は進めていこうと取り組んで順次やっています。帳票の見直しとかなどですね。そういうものは手掛けていくつもりなので、なるべく手続きも極力簡素化するという思いで取り組んでいきたいと思います。
 
山中 今年初めて、年末調整でiDeCo控除を受けられる人も多いわけですが、たぶん、その人たちが牽引役にまたなってくれると思うんですよね。わたしは確定拠出年金相談ねっとというサイト運営をしているんですけれども、最近一番読まれてる記事が、『年末調整ってどうやるんですか』っていう記事なんですね。11月になるとこういうハガキが来ますよとか、それを会社に持って行けばいいんですよっていうようなコラムがすごく読まれました。やっぱり、年末調整で具体的な掛け金で税金が戻ってくる・・・いつもの年末調整よりも還付が多いよっていうのが分かってくると、またその人たちから実感を得てくるといいんじゃないかなと思いますよね。
 
—青山 年末調整のハガキに『あなたの年間の積立金額はこのぐらい』とある。その分の所得税分だけそっくり返ってくることを知ると「おお」って思うと思いますよ。
 
山中 また翌年の住民税も全額掛金控除ですからね。大きいはずなんですよね。そこをたぶん、実感した人たちがまた少しずつ増えていくと、また来年再来年って形で徐々に加入者が増えていくと思ってはいるんですけどね。増えるといいですね。
 

青山さんの人生100年とは

山中 最後に、今人生100年時代といわれていますが、青山さんご自身はどうお考えになっているのかお聞かせいただけますか。
 
—青山 わたしのような人間に人さまにご紹介するようなものは全然ないのですが、確かに人生100年時代ということで、政府としても長い人生を捉えた学び直しなど議論がされています。わたしもこういう仕事をやっている過程で、老後に向けた備え、特にわたしの仕事でいうと資産面の備えが重要、遠い将来の話ではなく、今から備えなければ、ということを、より切に感じるようになりました。
 
あと、学び直しというように、生涯を通じて様々な知識を蓄えないとなと思ったり。あとは健康面ですね。いずれにしても具体的な何かをやっているということはないのですけれども、計画的に備えなければという感覚は今の仕事や人生100年の議論を通じて自分自身のこととしても捉えるようになりました。それぐらいです。
 
山中 青山さんは女性で働いてこられてっていうところで、女性の働き方という点でもお話をお聞かせいただきたいのですが。人生100年と思えばその経済的な備えは正に収入だと思っているのですが、ずっと厚生労働省さんですか。
 
—青山 そうですね。1992年に入省して、当時は「労働省」という省庁でして、その後労働省で働き、途中で厚生労働省として省庁が統合しました。その後ずっと厚生労働省です。
 
山中 定年後とかって考えていらっしゃるんですか。
 
—青山 全然考えていなかったのを今反省してます。定年後の人生も長いですし、いろいろ経験をしておくとか、いろいろ学んでおくとか、備えておけば定年後も何か新しいことができるのではないかなとと思うのです。ボケっとしてると定年後「何をしたらいいのか分からない」になってしまうと思うので。今からいろいろなことを内外から吸収しようとは思っています。勉強したりとかですね。もちろんiDeCoも、わたしも公務員ですから2017年1月から可能になったので、入りました。自分で老後に向けた資産運用を本格的にするのは、そういう意味で初めてです。
 
山中 じゃあ常にアンテナを立てて学んでいってっていう感じなんですね。
 
—青山 補足ですが、今回iDeCoの加入対象が全員に広がったメリットとして、女性の方などが会社を退職した後でもiDeCoを継続できるようになったことが挙げられます。昔の制度だと、企業型確定拠出年金をしていた女性の方が会社を辞めて専業主婦になったら、その企業型の加入者ではなくなるし、iDeCoも入れなかったので積み立てができなくなってしまっていました。プツッと積み立てが切れてしまって終わってしまう。それが、今回の改正により専業主婦もiDeCoという形で積立てが続けてできるになったことは大きなメリットです。
 
山中 継続ができるようになりましたからね。
 
—青山 積み立てられますし、専業主婦からまた再就職しても、積み立てがそのまま続けられるという点はメリットと思っています。実は過去審議会で検討した時に、専業主婦の加入を認めるかどうか、という点は、どこまで専業主婦であることに優遇すべきなのかという意見などもあったのですが、むしろ専業主婦だけではなくてどの身分に変わっても常に積み立てが続けられるということのメリットを強調すべきという考え方でまとまりました。専業主婦の方も含めて女性の方全般、もちろん男性も含めてなんですけれども、仕事をするしないとかが変わっても続けられますということを強調していきたいと思います。
 
山中 そうですよね。加入期間は、受け取りのときにまた税制優遇で退職所得控除になりますから大きいですよね。確かに今回の改正って、企業型でいらっしゃった女性が専業主婦になって、その間途切れちゃいますよっていう人にはすごくメリットだと思うんですよね。なので今後はおうちにいる時間っていうのは通過点であって、仕事と家庭のバランスを取りながら働いて資産形成を続ける時代だっていう象徴でもありそうな気がしますよね。
 
—青山 そうですね。女性が生涯の中で主婦でいる期間の平均は短くなってきていて、再就職されたり、辞めないとかですね。だからどのような身分でも、iDeCoを続けることでずっと自助努力が自分でできるということが、まさにライフスタイルの多様化にも対応したものになっていると思います。
 
山中 男性でも親の介護でちょっと仕事を休むときもありますもんね。ほんとにライフスタイルの多様化にiDeCoはずいぶん対応してきましたから、より使いやすくなりましたよね。
 
—青山 そうだと思います。誰でも入れるというところでチャンスが広がりました。
 
山中 青山さん、ほんとにありがとうございました!
 


 
Interview/Text :山中伸枝 (やまなか・のぶえ)
ファイナンシャルプランナー(CFP)
株式会社アセット・アドバンテージ 代表取締役 

山中伸枝

interviewer:山中伸枝(やまなか のぶえ)

ファイナンシャルプランナー(CFP)
株式会社アセット・アドバンテージ 代表取締役 

1993年米国オハイオ州立大学ビジネス学部卒業。メーカーに勤務し、人事、経理、海外業務を担当。留学経験や海外業務・人事業務などを通じ、これからはひとりひとりが、自らの知識と信念で自分の人生を切り開いていく時代と痛感し、お金のアドバイザーであるファイナンシャルプランナーとして、講演・相談・執筆を中心に活動。

岩田 えり

Photo:岩田 えり(いわた えり)

フリーランス・フォトグラファー

日本舞台写真家協会・会員。タレント・舞台俳優など人物写真を得意とする。