更新日: 2019.07.04 家計の見直し

3つ当てはまったらあなたも要注意! 家計がぎりぎりになってしまう人の共通点はこの3つ

執筆者 : 柴沼直美

3つ当てはまったらあなたも要注意! 家計がぎりぎりになってしまう人の共通点はこの3つ
ご相談をお受けして、どこをどう探っても、お宝はなく、年金も心もとない、という方が、「どうしましょう」と駆け込み寺のように救いを求められることがあります。ファイナンシャルプランナー(FP)がまるで打ち出の小槌をもっているかのように、相談するととっておきの秘策が出てくるという期待と、藁にもすがる思いで回答を求めて来られますが、このようなぎりぎりの方に共通している点を探っていきたいと思います。
柴沼直美

執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

先延ばし

最大の共通点は「意思決定の先延ばし」です。
 
ご相談にお見えになる前から、このままではまずいと、何となく思っていたけれど「日々の業務に忙殺されて」「目先の仕事をまず片づけないと」という理由でしょうか、意思決定を先延ばしにして、例えば住宅ローンの返済の見直し、保険の見直しを怠って、払わなくてもよかったものをそのままずるずる払い続けていた、携帯電話の通信プランを割安なものに変更する、等、打てる手がいくらでもあるのに、面倒がって月日がただ流れてしまうパターンです。
 
「これはまずい!」「このまま続けていれば早晩立ち行かなくなる」と意識した時点で、赤信号です。体と同じで、倒れてからでは手術をして、何日も就労できず、収入は途絶え、信頼を失い、と大きなダメージになります。それを事前に手当しておけば、服薬と運動療法で防げるものです。前回にも書きましたが、意思決定の先延ばしは、どんな理由があれ究極の「怠慢」だと思うべきです。結局最後に困るのはほかの誰でもなく自分自身であることを自覚すべきです。
 

自己責任感の欠如

よく、試験で不本意な結果に終わると「忙しかったから」とか「体調が悪かったから」と、まるで自分には何の非もないかのように言い訳を並べる人をよく見かけますが、どういう理由であれ、自己責任感の欠如であると言わざるを得ません。仮に、近親者の病気などで時間が確保できなかったとしても、そのような偶発的なことをすべて考慮したうえで時間管理をするのが自己責任です。
 
家計の管理も同じで、「教育費がかかったから」「冠婚葬祭が多かったから」といっても、その出費を決定したのは、ほかならぬ自分自身です。もし、家計状況がひっ迫して心当たりがあるのであれば、自己責任感が甘かった自分に向き合いましょう。自分の非を受け入れること、すなわち現状を認識することが最初のステップです。
 

優先順位を決めることができない

3つ目の共通点としては、「あれもこれも」と注意が散漫になることです。家計も改善したいけれど、住宅購入も諦められない、など。二兎を追う者は一兎をも得ずのことわざ通りで、優先順位を決められず先延ばしになってしまったという場合もよく見られます。一度にすべてを満たそうと考えず、順番に緊急性の高いものから取り組んでいきましょう。
 
いずれにせよ、決断するのも実行するのも、修正するのも自分自身です。その認識のうえに、ファイナンシャルプランナーを伴走者・アドバイザーとして活用していただきたいですね。
 
Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)、
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表

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