2017.12.30 暮らし

「NO MORE 映画泥棒」10年以下の懲役か1千万円以下の罰金、またはその両方が科せられるのは本当か?

最近映画館で映画を観ましたか?映画館で見る映画本編の直前には必ず「NO MORE 映画泥棒」の啓発CMが流れます。
上映中の映画撮影が見つかったら「10年以下の懲役」か「1千万円以下の罰金」またはその両方が科せられるとのことですが、これは本当なのでしょうか?

苦戦する映画業界に追い打ちをかける映画盗撮

総務省統計局の統計によると、平成12年の映画公開本数は644本。平成27年は1136本と、1.7倍近く増えています。映画館数(スクリーン数)は平成12年から27年にかけて1000ほど増えています。
 
年々増加する映画の公開本数に比べて、入場者数はほぼ横ばいです。これは映画一本あたりの入場者数が減っているということ。苦戦する映画業界に追い打ちをかけているのが、映画の盗撮と盗撮された映画の違法な配信や販売です。
 
映画館のチケットはそれなりに高いのに比べて、盗撮された映画は無料や格安で見られることから、映画館の入場者数にも影響が出ているのではないでしょうか。
 
総務省統計局参考URL :www.stat.go.jp/data/nenkan/66nenkan/zuhyou/y662612000.xls
 

違法動画はダウンロードした人も罪に問われる

映画館で上映されている映画を無断で録画したり録音したりする行為は著作権侵害(著作権法違反)となり、「10年以下の懲役」か「1千万円以下の罰金」またはその両方が科せられることになります。
盗撮した映像や音声をネット上で公開したり、販売したりすると、さらに罪が重くなります。
 
しかも、盗撮された映像や音声であることを知っていてダウンロードすることも犯罪です。パソコンやスマートフォンにデータを落とすと、ダウンロードしたということになるので気を付けましょう。
ちなみに、映画に限らず、アーティストやミュージシャンのコンサートでも、コンサートの様子を無断で録画したり録音したりすると原則として著作権侵害になります。
 

漫画の「自炊」で出版業界も悲鳴

最近では漫画の電子書籍化が浸透しています。
漫画本における「自炊」という言葉を知っていますでしょうか?自炊とは自分の持っている本や漫画本を裁断して、1ページずつスキャンし、データ化して電子書籍にすることです。
 
これは個人的に楽しむだけならギリギリセーフですが、販売したらアウトです。自炊した漫画を無料でネット上にあげ、出版社から対抗措置を検討されているサイトもあります。
 

音楽教室での音楽利用も著作権使用料徴収の対象に

音楽の著作権に関しては「JASRAC(日本音楽著作権協会)」が有名ですね。漫画の中で登場人物が歌を歌っているページの下に「JASRAC」の文字があるのを見たことはありませんか?これは、漫画や雑誌、新聞に歌詞を載せる時は著作権使用料を支払う決まりになっているからです。
 
今まで音楽教室で音楽を演奏したり、使用したりしても著作権使用料は取られませんでしたが、先日、音楽教室での演奏においても著作権使用料が徴収されることが決まりました。(参考資料:文化庁
http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/kanrijigyoho/jigyosha/pdf/shitei_kanri_jasrac_ver3.pdf
 
今まで自由に音楽を使用していた音楽教室では痛手になりそうですね。
 

軽い気持ちでしたことが犯罪に

映画を盗撮したり、ネット上で販売したりする人は犯罪の自覚があってしている場合がほとんどだと思いますが、それらの映像や音楽をネット上でダウンロードしている人は自覚が無い場合も多いのではないでしょうか。
 
今はスマートフォンで録画も録音もコピーも簡単にできてしまいます。本来お金を払って見る映画やコンサートを無料で録画する、購入した漫画をデータにしてネットにアップする、無許可と思われる動画や音声をダウンロードすることは多くの場合「著作権法違反」になります。軽い気持ちでしないように気を付けましょう。
 
TEXT:ファイナンシャルフィールド編集部
監修:東京桜橋法律事務所 豊田賢治 弁護士

FINANCIAL FIELD編集部

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

豊田 賢治

開成高校卒、東京大学法学部卒。弁護士登録後、大手渉外法律事務所、外資系法律事務所での勤務を経て独立。現在は弁護士16名を擁する東京桜橋法律事務所の所長として、多数の企業や個人の法務顧問として活動。どんな相談に対しても「わからない」とは言わないことをスタンスに、日々クライアントのために奮闘中。
【東京桜橋法律事務所】

ファイナンシャルフィールドとは?