2018.01.05暮らし

年齢と貯金額から考える、貯金できる人がしている簡単な習慣

Text : 柴沼 直美

キーワード :

ご相談をお受けすると「ところで私ぐらいの年齢だったらどのくらいの貯金があればいいのでしょうか。」というご質問が必ずついてきます。以前も、これに関連したご回答について、だいたいの数値をお示ししたかと思いますが、今回はその続編です。

平均値や中央値は意味がない

確かに、このようなご質問をお受けすると、「大体の平均値」「一般的な数字」をお示ししますが、ご相談者の貯蓄額が平均値を上回っていれば、その質問は終わりますが、下回っている場合、「どうしましょう」とさらなる質問をいただきます。
 
それは「では、私ぐらいの貯蓄額より少ない人はいないのでしょうか」というもので、最低の貯蓄額が例えば50万円、それにたいしてご相談者の貯蓄額が200万円であれば、ようやくほっとされて、「皆さんご苦労されているのですね。私だけじゃなかった。よかった」と言われます。
 
このQ&Aに何の意味があるのでしょうか。100世帯あれば100通りの家計のやりくりがあります。貯蓄額や収入額は横比較できても、実は生活スタイルや家計運営の仕方のほうが大きくその後の生活設計を左右します。
 
月収100万円の家庭だったとしても、教育費に40万円、被服費や交際費に30万円、食費に20万円、通信費に10万円、保険に20万円を使っていれば、赤字です。「それは使い過ぎだから財布のひもを締めればいいだけ」と思うかもしれませんが、いったんその家計規模で支出するようにできあがってしまうと、簡単に支出を抑えることはできないのです。
 

ハウツー本から得られることは汎用的なルールのみ

「今日から節約する」と心に決めて節約術の本を買い込んでいる時点で、節約することにはなっていないのです。そういったハウツー本は汎用的なケースでどんな家計にもあてはまるような節約の仕方を紹介していますが、究極は家計運営はオーダーメイドで設計していくしかありません。
 
今のキャッシュフローは少なくても、先祖から受け継がれたマンションでの家賃収入が安定的にはいっているケースもあれば、月収は多くても、子供4人を私立に通わせていて、月に20万もかかるようなお稽古事をやらせているケースもあります。つまり、「定量的なハウツー」では解決できず、お金の使い方という「定性的な姿勢」のほうが重要です。
 
これは、ノーベル経済学賞を受賞された行動経済学の権威、米シカゴ大学のセイラー教授も同様の意味のことを述べています。
 

常に最悪の状況を想定し、意識して財布のひもは締める

即実行可能なことは、意識して支出を抑える習慣をつけることです。収入は外的要因で変動する可能性が多く自分でコントロールすることはできません。一方お金の使い方は自分でコントロールが可能でかつ唯一の方法です。
 
一朝一夕にはお金の使い方をかえることは難しいですがまずは意識することからスタートしてみましょう。
 
Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)、
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表

柴沼 直美

Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)、
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表

大学を卒業後、日本生命保険に入社。保険営業に従事したのち渡米。米国アリゾナ州、Thunderbird School of Global ManagementにてMBAを修得。帰国後外資系証券会社、投資顧問会社にてアナリスト、日本株ファンドマネジャーを経験。出産・母親の介護を機に退職。三人の子育ての中で、仕事と主婦業の両立を図るべく独立。キャリアカウンセラー、CFPの資格を活かしつつ、それぞれのライフステージでのお金との付き合い方を、セミナーや個別相談により紹介。子どもの教育費・留学費から介護に至るまで経験を交えた実行可能な幅広いストライクゾーンで対応。
http://www.caripri.com