2018.01.11暮らし

身近な電気の話 コンセントやプラグ配線の火災(トラッキング現象)には十分注意を!

Text : 藤森 禮一郎

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電気は、日常生活に欠かすことのできないエネルギーで、どこの家庭も便利家電が家中にあふれています。冬になるとエアコン、電気ストーブ、電気カーペットなどの暖房機器が欠かせません。でも、煖房に時期に心配なのが「電気火災」です。
東京消防庁の調べによると、平成22~26年の5年間で、管内では毎年およそ5000件の火災が発生していて、その内20%の約1000件が電気設備機器などによる「電気火災」だそうです。多いのですね。

電気ストーブに注意!

平成26年中の電気火災の発生状況を詳しく見てみましょう。電気火災全体で1020件発生し、内訳をみると、電気ストーブが78件、差込みプラグが59件、コンセントが48件、蛍光灯が42件、屋内線が40件などとなっています。火災報道などから、電気ストーブ火災が多いのは納得できますね。
 
電気ストーブは空気を汚さず、エアコンとは違う温かさを感じるので、底堅い人気があります。ただ、石油ストーブと異なり、見た目には直火(炎)が見えませんが、暖房器具ですから高温を発することに変わりありません。
使用する際には、燃えやすいものから距離を置くなどの注意が必要ですね。つけっ放しの電気ストーブをベッドのそばに置くと、寝返りを打って布団がストーブにかぶさり、発火するケースが多いですね。
 
冬型の気象は空気が乾燥しますから、要注意です。特に一人暮らしの方、気を付けてください。
 

差込みプラグの「トラッキング現象」による火災

電気火災で、意外に多いのが差込みプラグやコンセントと言った配線器具によるものです。両方を合わせると東京消防庁管内では毎年100件以上の火災が発生しています。詳しく見てみましょう。
 
配線器具は室内でも壁の下の方にあり、家具に隠れてしまっている場合が多いですね。人目につかないコンセントからコンセントをつなぎ合わせタコ足配線している場合がありますね。
 
差込みプラグの「トラッキング現象」やコンセント内部からの発熱などで発火するケースが多いので気を付けたいですね。平成26年、トラッキング現象による火災が33件も発生しています。聞きなれない言葉ですが、トラッキング現象とは、壁に埋め込まれたコンセントやテーブルタップ型コンセントンなどに差し込んだプラグとの隙間にほこりがたまり、それが湿気を帯びて微小なスパーク(放電)を繰り返すとやがては電気回路を形成して出火する現象を言います。
 
日常は隠れた部分で発生しますから、発見が遅れ思わぬ被害につながる場合があります。湿度が高いキッチン周りや家具の陰に隠れたコンセントには気を付けたいですね。身近にある電気製品は、ちょっとした使用方法の誤りで、火災を発生させる恐れがあります。取り扱いに十分注意して電気のある生活を楽しみたいですね。身近な電気製品火災の種類と対策を以下に紹介します。
 

電気ストーブ火災

電気ストーブは前述したとおり広く普及しています。火を直接の熱源とする器具ではありませんが、高温の発熱体が露出している形態のものが多く、部屋干し乾燥など誤った使い方などは火災につながります。
 
■火災を防ぐポイント
1)電気ストーブの回りは常に整頓する
2)外出や就寝前には必ず電源を切りプラグを抜いておく
3)燃えやすいものの近くで使用しない使用しないときは必ず電源プラグをコンセントから抜いておく
 
以上面倒でも守ってください。
 

センサーライト火災

 
センサーライトは防犯のため広く普及していますが、センサーライトの電球が、種類によっては点灯時に非常に高温になるものがあります。設置場所や飛来物などにより「連続点灯」の状態になり、衣類などが覆いかぶさると火災の危険があります。
 
■火災を防ぐポイント
1)使用する前に取り扱い説明書を読み、使用方法を確認しておく
2)設置位置を検討し、決められた設置方法で設置する
3)もう安いものの近くで使用しない。
過去の事例から、ベランダに設置したセンサーライトなどは要注意です。洗濯物が強風に飛ばされ、覆いかぶさることがありますから注意してください。
 

コンセントやプラグ、配線の火災(トラッキング現象火災)

コンセントプラグの隙間に付着したほこりが湿気を帯び、微小なスパ ークを繰り返し、やがて新たな電気回路(トラック)を形成し出荷に至る現象です。
火災を防ぐポイントは
1)コンセントやプラグはほこりが貯まらないようにきれいにしておく
2)プラグを丁寧に取り扱う
3)傷みや緩みのあるプラグは使わない
4)プラグはコンセントにしっかり差し込む
5)使用しない場合は電源を切り、電源プラグを抜いておく
 
■電気コードの短絡(ショート)による火災
電気コードが核の下敷きになっていたり、コードを釘やステーブルで強く固定すると被覆や心線を傷つけ短絡の原因となります。また、コードを束ねると熱が貯まり発熱し、被覆が溶けて火災の原因になる恐れがあります。注意しましょう。
 
火災を防ぐポイントは
1)家具などでコードを踏まない
2)コードを釘などで固定することは、絶対しない
3)コードの位置を点検する
4)コードは束ねて使用しない
テーブルタップに電気製品の電源コードのプラグを差し込んでいて、差込みプラグ部分で短絡が起き、火花が散って誇りに火が付き火災になったケースがありました。
 
■たこ足配線による火災
電気コードは使用できる電気の量が定められています。多くの電気機器を使用すると、許容量を超えてしまい、熱を持つことがあります。火災を防ぐポイントは
1)たこ足配線をしない
2)テーブルタップを使用する場合は許容電流を守る
許容電流を超えてもすぐにブレーカーが作動するわけではありません、一定時間を電流が流れ続けます。同一タップで沢山の電気機器を同時使用するのは止めましょう。
 
例えばテーブルタップの許容電流が1500Wの場合は、電気ポッ ト、コーヒーメーカー、電子レンジなど消費電力の大きい機器を同時に使うと危険です。家電製品の消費電力(W)を調べてみましょう。
 
電気製品は、適切に使用すれば、クリーンで安全、快適な生活ができます。大掃除をする12月を家電機器安全点検の月にしてみてはいかがですか。
 
Text:藤森 禮一郎(ふじもり れいいちろう)
フリージャーナリスト

藤森 禮一郎

Text:藤森 禮一郎(ふじもり れいいちろう)

フリージャーナリスト

中央大学法学部卒。電気新聞入社、電力・原子力・電力自由化など、主としてエネルギー行政を担当。編集局長、論説主幹、特別編集委員を経て2010年より現職。電力問題のコメンテーターとしてテレビ、雑誌などでも活躍中。主な著書に『電力系統をやさしく科学する』、『知ってナットク原子力』、『データ通信をやさしく科学する』、『身近な電気のクエスション』、『火力発電、温暖化を防ぐカギのカギ』、『電気の未来、スマートグリッド』(いずれも電気新聞刊)など多数。