2018.01.13暮らし

「実例を紹介」 普通の主婦が大発明家に!普段の暮らしの中にある発明のヒント

Text : 木村薫

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「発明ってどんな人がするのだろう?」、「立派な先生や有名な研究者が発明をするのだろうなあ~」と思ったことはありませんか?実は発明をするのは特別な人ばかりではありません。ごくごく普通の主婦でも発明をして成功している人が沢山います。
今日はこのような実例をご紹介したいと思います。

主婦から生まれた大発明「大黒麺」!

隈川久美子さんは、10年前まで埼玉県在住の普通の主婦でした。毎日家事に追われ家族の帰りを待つという平凡な生活を送る日々。ところが隈川さんに10年前転機が訪れました。更年期障害で体調を崩したことがきっかけになり食事を見直しました。そして、豆腐のイソフラボンは女性ホルモンの働きをして更年期障害に良いことを知り、大豆の研究に取り組みます。
 
大豆の研究を始めてみると、豆腐のおからは栄養価が高く、食物繊維を豊富に含み、しかも低カロリーであることに行きつきます。
 
ところがおからは食料として利用されることは非常に少なく、食品工場からは産業廃棄物として捨てられることが多いという実態も知りました。隈川さんは、こんなに素晴らしいおからを世の中のために、もっともっと利用できるようにしたい!そんな思いから更に研究を重ね、おからを沢山の人が美味しく食べられるように日々研究を続けました。
 
そして、「大黒麺」という麺を開発するに至りました。
 

大黒麺の開発秘話

「大黒麺」は、おからとひじきと米粉をまぜで作った麺です。なぜおからとひじきと米粉なのか?おからには特有のにおいがあったり、ぼそぼそした食感があります。これを嫌う人もいます。
 
隈川さんは、「これを何とかしないと!」という思いから、おからと相性のよい食材探しに奔走します。そして、行きついたのがひじきです。ひじきは、カルシウムを始めとするミネラルが豊富で、食物繊維やビタミンAも多く含まれます。
 
このため、骨を強くし、腸を綺麗にし、美肌効果もあります。しかも低カロリー!隈川さんは、おからとひじきを混ぜることを考えました。混ぜてみるとおから特有のにおいが消えたのです!「そうだ、これを麺にしよう!そうすればおからのぼそぼそした食感もなくなるし、きっと食べやすくなる!」そう直感しました。
 
そして、繋ぎに何を使うか・・・。直ぐに思いついたのが米粉です。米粉を混ぜることによってグルテンフリーの素晴らしい麺ができると考えました。実際、麺を作ってみると更に意外な効果も発見します。
ひじきの粘り成分がおからと米粉を混ぜた時に強いコシとツルツルの喉越しの良さを与えて絶妙な麺に仕上がったのです!見た目は黒く蕎麦のように見えますが、コシや食感はさぬきうどんや盛岡冷麺に近く海の香りもほんのりとする独特の麺に仕上がっています。
 

隈川さん、特許を取得し数々の賞も受賞!

「ここまで来たら特許を取って、商品化しよう!」隈川さんはそう決意しました。そして、2008年、おからとひじきと米粉(穀粉)の混合成分比で特許出願をし、翌2009年に特許を取得しました(特許第4253033「加工食品用原料粉」)。
 
そして製品化に乗り出します。その年の2009年にはさいたま市ニュービジネス大賞最優秀賞、2015年には宮城県亘理町伊達なわたり活き行き大賞グランプリ受賞、亘理町推奨特産品認定受賞等数々の賞を受賞しました。
 
この他にも隈川さんの大黒麺は、2015年にザ・フナイの「食べ物と人間」特集記事に掲載されたり、何とあの大発明家ドクター中松氏の目に留まり、「Dr.中松推奨」のお墨付きを頂きました。
 

現在大黒麺の販売に奔走中です!

大黒麺は、レストランや高級料亭等で利用され多くの人に愛されています。隈川さんの夢は広がります。この大黒麺をもっともっと多くの人に食べてもらいたい。そういう思いから販売拡大に日夜奔走中です。
 
私弁理士木村薫も大黒麺がもっと沢山の人に食べてもらえるように微力ながら販売の促進のお手伝いをしています。隈川さんも私も販売は全くの素人ですが大黒麺がもっと沢山の人に愛されるようになって欲しいと日々活動しています。
みなさんも是非一度ご賞味ください!なお、大黒麺の売り上げの一部は東日本大震災の復興支援に寄付されています。
 
大震災の被害にあった製造地の宮城県のみなさんのためにも一役買いたい!そんな思いもあり、隈川さんは生涯をかけて大黒麺に取り組もうとしています。
 
Text/木村薫(きむら・かおる)
弁理士
木村薫国際特許事務所 所長
2012年日本弁理士会企業弁理士知財委員会副委員長
2015年~現在中小企業基盤整備機構経営支援アドバイザー
https://www.kaorukimura-pat.com/

木村薫

Text:木村薫(きむら かおる)

弁理士
木村薫国際特許事務所 所長
2012年日本弁理士会企業弁理士知財委員会副委員長
2015年~現在中小企業基盤整備機構経営支援アドバイザー

大学院修了後、大手重工メーカーに入社。火力発電プラントの設計開発者として特許出願8件に携わり弁理士の道を志す。特許事務所、化学薬品メーカー経験後、弁理士試験合格。大手工作機械メーカーの社内弁理士を経験後独立。企業、特許事務所の経験を通じて「特許は中小企業こそ取得すべし」という信念をもつ。中小企業の経営者と思いを共有しながら特許を取得することに注力している。
https://www.kaorukimura-pat.com/