最終更新日: 2019.01.10 公開日: 2018.02.02
暮らし

SNSで見かける「チケットお売りします」これって転売にならないの?

皆さんはコンサートや演劇を観に行ったことはありますか?

人気の歌手や劇団だと、申し込んでも抽選で外れてしまうこともあるかと思います。そんな時に便利なのがファン同士の売買です。今や10代の若い子たちも、オークションやSNSで、チケットの売買や交換を行っています。

しかし、チケットの転売が度々問題になる昨今、このようなSNSを利用したやりとりは法律上問題にならないのでしょうか。SNS上でのチケットの売買について、東京桜橋法律事務所の池田理明先生にお伺いしました。
 
FINANCIAL FIELD編集部

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジュを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

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池田理明

監修:

監修:池田理明(いけだみちあき)

弁護士/東京桜橋法律事務所

第二東京弁護士会所属。
中央大学法学部卒。弁護士登録後、東京桜橋法律事務所に勤務。平成25年以降は同所パートナー弁護士に昇格し、主にIT関連、エンタメ関連の企業法務を中心として、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応している。

座右の銘は「強くなければ生きられない。優しくなれなければ生きていく資格はない。」時には、クライアント自身の姿勢を問うようなアドバイスができるよう心掛けている。

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池田理明

執筆者:

監修:池田理明(いけだみちあき)

弁護士/東京桜橋法律事務所

第二東京弁護士会所属。
中央大学法学部卒。弁護士登録後、東京桜橋法律事務所に勤務。平成25年以降は同所パートナー弁護士に昇格し、主にIT関連、エンタメ関連の企業法務を中心として、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応している。

座右の銘は「強くなければ生きられない。優しくなれなければ生きていく資格はない。」時には、クライアント自身の姿勢を問うようなアドバイスができるよう心掛けている。

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「ダフ屋」にならないためには、3つの法律違反に注意しよう

個人間でのやりとりは問題にならないことがほとんどです。
 
注意したいのは、それを生業として商売を行った場合。会社として営業しているかどうかではなく、個人であっても毎月転売を行って収入を得ていた場合は、問題となる可能性があります。チケットの転売というと「ダフ屋」などが典型です。以下の3つがダフ屋に関わる可能性のある法律です。
 
(1)都道府県の迷惑防止条例
「チケットなどを転売するために公共の場所で売り買いしてはいけない」といった条文があり、これに違反する。
 
(2)詐欺
入場するのに本人確認が必要なライブのチケットを、転売目的で購入すると、詐欺罪にあたる(2017年9月22日に神戸地裁で有罪判決が出されました。)。
 
(3)古物営業法
古物を売り買いして利益を得ることを仕事にするには、古物商としての許可が必要になる。チケットは新品だとしても、購入者の手を離れ再び売りに出されれば「古物」になる。そのため、許可なく転売を行い、生計を立てている場合は違反にあたる場合が多い。
 
SNS上でチケットのやりとりを行う際は、主に(2)の詐欺と(3)の古物営業法の違反に関して気を付ける必要があります。
また、詐欺罪などの財産犯が成立するような違法なルートで手に入れた人から、違法性のあるものだと分かったうえでチケットなどを購入することも盗品譲受罪にあたる可能性があります。
 
最近ではSNS上で売買のやりとりを行い、購入者がお金を振り込んだけどチケットが届かない…という詐欺も発生しています。この場合は、警察や弁護士に相談することでお金を返してもらえる可能性がありますので、もし被害にあった場合は泣き寝入りせず、しかるべき場所に相談しましょう。
 

転売はグレーゾーンが多い。ファンならきちんと法律に則って

転売に関わる問題は難しい部分もあります。
 
例えば「毎月転売を行って収入を得ていた場合は、問題となる可能性がある」といっても、古物営業法の違法ラインとして、頻度や収入額に明確な決まりがあるわけではありません。2ヵ月に1回ならいいのか?月に数万円ならいいのか?というところで、はっきりとした答えを出すのは難しいのが現状です。
 
古物営業法を適用した最近の逮捕事例を見ると、よほど酷い場合に限られているようですが、いくら罪に問われないからといって、不当にチケットを売りさばくことは許されることではありません。転売屋がチケットを買い占めて高額で売りさばくことがまかり通れば、本当にチケットを必要としているファンが適切な金額でチケットを入手することができなくなります。
 
最近では、この問題意識から、現行の迷惑防止条例では摘発できない、いわゆる「ネットダフ屋」を法律で禁止しようという立法の動きもあります。
 
消費者側にニーズがあるからこそ、それを生業とする違法な業者や詐欺がなくならないという側面もあります。行きたかったコンサートのチケットが手に入るとなると、つい誘惑に負けてしまいそうになることもあるかと思いますが、ファンならきちんとしたルールに則ってチケットを購入することが、自分のためにもアーティストのためにもなるのではないでしょうか。
 
著:ファイナンシャル フィールド編集部
監修:池田 理明 (いけだ みちあき)弁護士
東京桜橋法律事務所、第二東京弁護士会所属 http://tksb.jp/

IT関連・エンタメ関連の企業法務を中心に、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応。



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