更新日: 2019.01.11 その他暮らし

2020年東京オリンピックまでマンション建設ラッシュは続くのか?

執筆者 : 松浦建二

2020年東京オリンピックまでマンション建設ラッシュは続くのか?
都心を中心に、毎年新築マンションがたくさん供給されています。2020年の東京五輪までは、この状況が続くという意見も多いですが、日本全体でも同じ状況なのでしょうか? 新設住宅の戸数から、マンション市況について考えてみました
松浦建二

Text:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/

新設住宅の戸数は10年前より大幅に減っている

新設される住宅の戸数は、日本全体でみると人口減少の影響もあって減っています。これは戸建てに限ったことではなく、マンションも同じ傾向にあります。
 
下記のグラフは過去20年間(平成9~28年度)の全国の新設住宅の戸数で、棒グラクは日本全体の戸数で、オレンジ色の部分は分譲の共同住宅(≒分譲マンション)だけの戸数を表しています。折れ線グラクは新設住宅の戸数のうち分譲の共同住宅が占める割合で、黄色が全国、青色が東京都を表しています。
※戸数は左の目盛(単位:万戸)、割合は右の目盛(単位:%)


平成28年度の新設住宅の戸数は97万4137戸で2年連続増加していますが、平成21年度以降、8年連続で100万戸を下回っています。平成18年度には129万戸、平成8年度には163万戸もあったことから、昔に比べて戸数が大幅に減っていることがわかります。出生数が2016年から100万人を下回っているのと同様に、日本社会が縮小化していることを感じることができる数字です。
 
分譲の共同住宅も例外ではありません。新設住宅の戸数を分譲の共同住宅に限ってみても、平成28年度は11万3970戸で、前年に比べて4.8%減少しています。10年前の平成18年度(24万2821戸)と比べたら半分にも届きません。
 

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分譲の共同住宅の割合が減ってきている

新設住宅の戸数全体に対する分譲の共同住宅の割合(上記グラフの黄色い折れ線)を計算してみると、長らく15%~20%程度で推移していましたが、平成21年度にわずか8.7%へ急降下しています。おそらくリーマンショックの影響があったのでしょう。
 
ただ、この現象は一時的なものではないようです。平成21年度を除いても割合は右肩下がりで、再び15%を超えるどころか、平成28年度には11.7%まで減ってきています。過去20年間で平成21年度の次に低く、全国的に分譲の共同住宅(≒分譲マンション)が減っています。
 
東京だけは例外ではないかと考え、東京都に限定した分譲の共同住宅の割合(上記グラフの青い折れ線)も計算してみました。
 
東京都はほかと比べて分譲の共同住宅の割合が高く、平成15年度には38.7%もありました。平成20年度までは30%台で推移していましたが、リーマンショックの影響等で、平成21年度に18.1%へ急落しました。翌年以降は回復しましたが、再び30%台に戻ることはなく、直近の平成28年度でも27.6%にとどまっています。
 
東京都も例外ではなく、分譲の共同住宅の割合が昔に比べて減っています。
 
分譲の共同住宅の割合が減っている要因はいくつか考えられます。人口減少により空き家が増えている状況では、敷地を高度利用して共同住宅を建てる必要性が減ってきているのではないでしょうか。また、ここ数年は相続税対策と思われる貸家(賃貸アパート)の増加により、結果として分譲の共同住宅の割合が減ってしまったことも考えられそうです。
 
都心や湾岸地域ではマンションを含めて建設ラッシュの様相ですが、2020年の東京五輪が終わったあとは。どの様な時代になるのでしょうか?
 
松浦建二 CFP(R)認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士