更新日: 2020.08.04 その他暮らし

定期代を受け取りながら、自転車で通勤。会社にばれたら解雇理由になる?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 池田理明

定期代を受け取りながら、自転車で通勤。会社にばれたら解雇理由になる?
政治家による経費の水増しが、度々ニュースに取り上げられます。不正が何事もなかったように流されているのを見て、腹が立つこともありますよね。

ニュースで取り上げられるような水増しは、私たちにとって現実的ではないように感じるかもしれません。しかし、こんな人なら身近で見たことはありませんか?

「自宅から会社まで電車を使っていると会社に申請しているけど、本当は自転車で通っている。」節約したいがために、交通費の申請を偽ってしまう人です。これも立派な経費の水増し。

もし、虚偽の申請がばれたらどうなるのでしょうか。会社はこのような社員を解雇することができるのでしょうか?
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

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池田理明

監修:池田理明(いけだみちあき)

弁護士/東京桜橋法律事務所

第二東京弁護士会所属。
中央大学法学部卒。弁護士登録後、東京桜橋法律事務所に勤務。平成25年以降は同所パートナー弁護士に昇格し、主にIT関連、エンタメ関連の企業法務を中心として、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応している。

座右の銘は「強くなければ生きられない。優しくなれなければ生きていく資格はない。」時には、クライアント自身の姿勢を問うようなアドバイスができるよう心掛けている。

8割以上の会社が通勤手当を採用。上限額で最も多いのは平均10万円

自宅から会社までの交通費は、大抵の場合会社が支払ってくれます。全額支給される会社もあれば、月に上限が決まっている会社などさまざまです。
 
厚生労働省の「通勤手当」の資料によると、通勤手当を採用している企業の割合は2009年の時点で86.3%。1970年から一定して、8割以上の会社が従業員・職員に交通費を支給していることが分かります。
 
続いて、「通勤手当の支給の有無及び支給限度」を見ると、「金額の上限はない」が57.4%、「金額の上限がある」が40.1%、その他が2.5%という結果でした。半分以上の会社が、金額の上限を設けずに交通費を支給しています。
 
また、「通勤手当の限度額の分布」では、平均10万円を上限としている会社が49.4%と最も多く、次に平均5万円で31.2%という結果でした。平均5万円以上の通勤手当を支給する会社が8割以上です。
 
参考URL:厚生労働省「通勤手当について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000020thx-att/2r98520000020tm6.pdf
 

交通費の申請を偽った社員を、会社は解雇することはできるのでしょうか。東京桜橋法律事務所弁護士の池田理明先生にお伺いしました。

結論から言うと、解雇できる場合が多いと思います。
 
このようなケースでは、虚偽の報告をした額や、その回数によるところがあるかと思います。
 
1回目見つかった際は注意で終わっても、2回目が見つかれば解雇になることもあります。また、その内容が悪質か、確信的なものであるかも重要です。
 
例えば、カラ出張を申請して、交通費や宿泊代、場合によっては飲食代まで、まとまった経費を水増ししていたとしたら、会社としても見逃せない案件として1回目でも解雇されるかもしれません。会社によっては、代表者や上司の判断で解雇権を行使しない場合もありますので、「友達はばれたけど見逃してもらっていた」などという情報をうのみにして、「これぐらいなら解雇されないだろう」と思ってはいけません。
 
軽い気持ちから虚偽の申請をし、職を失っては元も子もありません。たとえ罰を受けなくても、そのことを知った人から信用を失うことは確かです。
 
「ずる」はいずればれるもの。軽い気持ちで、大事なものを失わないように気をつけましょう。
 
著:ファイナンシャル フィールド編集部
監修:池田 理明 (いけだ みちあき)弁護士
東京桜橋法律事務所、第二東京弁護士会所属  http://tksb.jp/

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