更新日: 2019.01.10 その他暮らし

大学生の6割が経験?違法な労働をさせる「ブラックバイト」の特徴とは

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 池田理明

大学生の6割が経験?違法な労働をさせる「ブラックバイト」の特徴とは
大学生になると、アルバイトを始める人がぐっと増えますね。

自由な時間も増えるだけに、学業と遊び、アルバイトとのバランスをとることが求められます。しかし、アルバイトがすべて健全で規則を守ったものとは限りません。

中には、「ブラックバイト」と呼ばれる悪質な労働環境もあります。
社会人経験のない学生は、違法であると気づかないまま働き続けてしまうこともあります。

うわさのブラックバイトとはどのようなものなのか、確認してみましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

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池田理明

監修:池田理明(いけだみちあき)

弁護士/東京桜橋法律事務所

第二東京弁護士会所属。
中央大学法学部卒。弁護士登録後、東京桜橋法律事務所に勤務。平成25年以降は同所パートナー弁護士に昇格し、主にIT関連、エンタメ関連の企業法務を中心として、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応している。

座右の銘は「強くなければ生きられない。優しくなれなければ生きていく資格はない。」時には、クライアント自身の姿勢を問うようなアドバイスができるよう心掛けている。

アルバイトをした大学生の半数以上が労働条件上のトラブルあり

厚生労働省が大学生等へのアルバイトに関する意識調査を行ったところ、対象者1000人が経験したアルバイト延べ1961件のうち、48.2%(人ベースでは60.5%)で何らかの労働条件上のトラブルがあったとしています。
 
半数以上の人がアルバイトにおいてトラブルがあったというのは、驚きですね。
参考URL:厚生労働省「大学生等へのアルバイトに関する意識等調査結果概要」
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11201250-Roudoukijunkyoku-Roudoujoukenseisakuka/0000103575.pdf
 

ブラックバイトにおける主な3つのトラブルとは?

ブラックバイトの主な3つの特徴が以下になります。
 
〇賃金に関する情報がきちんと明示されていない
給料の支払日や支払方法、時給などが明示されていなかったり、不明確だったりする。
 
〇賃金支払いがきちんとされていない
準備や片付けの時間の賃金が支払われていない、1日に労働時間が6時間を超えても休憩時間がなかった、カードを打刻した後に働かされたなど。
 
〇事前に聞いていた内容と相違がある
採用時の合意内容以上にシフトを入れられる、合意した仕事以外の仕事をさせられたなど。
 

もし、上記のようなブラックバイトに該当する行為を受けたら、どうすればいいのでしょうか。東京桜橋法律事務所の池田理明弁護士にお伺いいたしました。

アルバイトも「労働者」であることに変わりありませんので労働基準法が適用されます。正社員ではないから労働基準法が適用されないということはありません。
 
したがって、例えば、1日8時間を超えて労働をした時間は、基本的には残業代がもらえます(あらかじめ残業手当がある場合などはもらえない場合もあります。)。この場合、時間外労働時間としての残業代となりますので1.25倍以上の時給が支払われなければなりません。
 
また労働時間のカウントの方法についてですが、例えば、名ばかりが「休憩時間」であっても、雇用主から指示があれば即時に仕事をしなければならないような時間は、基本的には、労働時間(いわゆる手待ち時間)と計算されます。
 
休憩時間が定められていても、休憩中にお店を手伝うことが常態化している飲食店もあると聞きます。この場合、働いた分は、少なくても所定外労働時間としての残業代が支払われなければなりません。
 
働いた時間だけの時給が出ていないケースでは、労働時間が争いになるケースも少なくありませんので、記録をとっておくのがよいでしょう。
 
例えば、タイムカードを切った後の労働に関しては、メールなどで記録するとよいでしょう。アルバイト先の上司や同僚に「仕事終わりました」と送ったり、それが難しければ家族に「今仕事が終わったから帰る」などと送ったりするのもありです。メールはねつ造がしにくいという点で、メモよりも有効になります。
 
最近ではノルマ未達成で罰金、遅刻したら罰金というように、アルバイトに罰金を科すケースもあります。このようなことも違法です。
 
また、店側が無断でアルバイトのシフトを増やすことがありますが、最初に定められた労働条件を超える量のシフトとなる場合、アルバイト側はこれを拒むこともできます。しかしながら、そのことを知らない大学生も多いと思います。
 
アルバイトを始める前に労働に関する知識を身に着けておこう
 
これから初めてアルバイトをするという人は、あらかじめ就業規定や労働に関する最低限の法律を知っておくことが大事です。不当に働かされないためにも、アルバイトの面接や説明の時点で、不明な点はしっかりと確認しておきましょう。
 
学生時代のアルバイトは就職前の社会勉強として、とても役に立ちます。快適な労働環境で、素敵な出会いがあるといいですね。
 
Text:ファイナンシャル フィールド編集部
監修:池田 理明 (いけだ みちあき)弁護士
東京桜橋法律事務所、第二東京弁護士会所属 http://tksb.jp/
IT関連・エンタメ関連の企業法務を中心に、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応。

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