最終更新日: 2019.08.20 公開日: 2018.04.04
暮らし

母子家庭の大学進学(1)授業料減免などの大学進学支援策とは

執筆者 : 新美昌也

一般的に、ひとり親家庭のうち母子家庭は、人一倍働いているにもかかわらず、正社員として働くことは難しいので、年間就労収入は200万円(月額約16万7000円)程度と決して多くありません。
 
大学進学となると学費だけで400万円以上必要ですので、子どもを大学に進学させてあげたいと思っても、経済的な理由で進学を断念しているケースが少なくありません。
 
実際、ひとり親家庭の大学進学率は全世帯の半分程度です。しかし、お金がなくても、勉強を頑張ることで、授業料の減免が受けられるなどの支援が受けられますが、情報が十分周知されていません。
 
第1回は、どのような支援があるのか代表的な制度を紹介します。
 
 
新美昌也

執筆者:

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

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新美昌也

執筆者:

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

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親も勉強が必要

保護者世代は大学進学率もいまほど高くなく、最終学歴が高卒というのも珍しくありません。大学に行っていないと、大学がどういうところか、学費はどのくらいかかるのか、奨学金のこと、学費負担軽減策にどのような制度があるのかなど、わからないと思います。
 
勉強を頑張ることで学費が軽減できるのに、そのことを知らず、子どもの大学進学を断念させてしまいます。
 
一方、子どもは中学生ぐらいになると家庭の経済状況がわかるので、最初から大学進学を諦めてしまいます。どうせ就職するんだから、ということで勉強にも身に入らないかもしれません(本当は、就職するにしても勉強することは大切にもかかわらず)。
 
親自身が大学の学費や軽減策等について学び、子どもに早くから伝えてほしいと思います。
 

勉強を頑張れば学費を軽減できる

●国公立大学への進学可能性が高まる
国立大学の初年度納付金は約82万円、入学金を含めた卒業までの学費総額は約250万円、私立大学文科系に進学する場合は、初年度納付金約120万円、入学金を含めた卒業までの学費総額は約420万円、私大理科系に進学する場合は、初年度納付金は約150万円、入学金を含めた卒業までの学費総額は約570万円です。
 
私大は進学する学部・学科により学費が大きく異なりますが、国立大学は基本的にどの学部でも学費は異なりませんので、国立大学に進学すれば学費が大きく軽減できます。
 
また、経済的理由による学費の減免制度もありますので、さらに、学費が軽減できます。
 
私立大学に比べ、国公立大学は学校数が少なく、地元に国公立大学がないかもしれません。そうすると、下宿を前提にしないと国公立大学を選べない可能性もあります。
 
その場合に心配なのが一人暮らしの費用です。この点、国立大学の場合、学生寮が格安で利用できる場合があります。
 
例えば、静岡大学の片山寮の場合、4人部屋ですが、寮費(月額)は、寄宿料700円、食費(2食)7395円、光熱水料6485円、経常費715円、寮食調理人人件費3400円、合計1万8695円となっています。年間約22万4000円、4年間で約90万円。学費と合わせても4年間で340万円程度です。
 
経済的に厳しいと、子どもを塾に通わせるのは難しいと思います。
 
費用を抑えて学ぶ方法として、NPO法人の無料学習塾や、月額1000円程度から利用できる、スマートフォンやパソコンを利用したオンライン予備校を活用してみてはいかがでしょうか。勉強を頑張って国公立大学を目指しましょう。
 
●私立大学の給付型奨学金を狙う
保護者世代に比べ、返済しなくていい給付型奨学金の種類も採用人数も大幅に増えています。多くの給付型奨学金は、入試の成績などが優れていることが条件となっています。そのほか、経済的困難を理由としたものもあります。
 
入学前予約型給付奨学金は、入学前に給付奨学金の予約ができ、入学すれば給付奨学金が確実に受給できるので安心です。多くは、首都圏以外の受験生を対象とするものですが、最近では、首都圏の受験生を対象とするものも増えてきました。
 
立教大学のセントポール奨学金は、首都圏の受験生を対象とした入学前予約型給付奨学金です。採用候補者は約250名。採用されると、文系学部は年額 40 万円、理学部は年額60 万円が原則4年間給付されます。
 
英検2級以上または、日商簿記検定2級のいずれかを入学までに合格した者に対して、4年間の授業料を全額免除する、横浜商大学の資格取得奨学生制度のようなユニークな奨学金もあります。
 
大学の給付型奨学金について、大学のホームページなどで調べてみましょう。
 
●日本学生支援機構の給付型奨学金が狙える
対象は、住民税非課税など家計が厳しい家庭の生徒です。ひとり親家庭向けというわけではありませんが、対象となる家庭は多いと思います。
 
そのうえで「各学校の教育目的に照らして十分に満足できる高い学習成績を収めていること」または「教科以外の学校活動等で大変優れた成果を収め、各学校の教育目的に照らしておおむね満足できる高い学習成績を収めていること」が条件です。
 
採用人数は各高校、1~数名程度です。給付型は、月額2~4万円です。勉強を頑張りすぐれた成績を残せば、高校から推薦してもらえる可能性が高まります。
 
つづきは第2回目にお伝えします。
 
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。
 

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