最終更新日: 2019.07.04 公開日: 2018.04.06
暮らし

売買時に説明が義務化されたホームインスペクション(住宅診断)って?何が変わるの?

執筆者 : 高橋庸夫

2018年4月1日より宅地建物取引業法のインスペクションに関する規定が施行され、中古住宅の売買時にホームインスペクション(住宅診断)について、不動産業者が買主や売主に対して説明することやホームインスペクション事業者(住宅検査事業者)を紹介・あっせんできるか告知することが義務化されます。

そもそものホームインスペクションの目的は「中古住宅の流通促進」と「買主保護」の2点とされています。
 
高橋庸夫

執筆者:

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

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高橋庸夫

執筆者:

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

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義務化の対象物件は中古住宅のみ

ホームインスペクション(住宅診断)は以前から新築住宅に対しても中古住宅に対しても任意で利用されてきました。
 
ただし、今回の義務化の対象物件は中古住宅のみです。そもそも、取引の透明性を高めることや買主の不安を払拭(ふっしょく)することで、中古住宅の流通量を増やすことが改正の目的の一つだからです。
 
日本は他の先進国に比べ、中古住宅の流通量の割合が少ないとされてきましたが、今後インスペクションの定着によって流通量の増加が期待されています。
 

義務化されたのは説明と紹介・あっせんの可否の告知

ホームインスペクションの義務化について、インスペクション自体を実施することが義務化されると勘違いしている人が一部で見られますが、実際に義務化されるのは、不動産業者から売主や買主に対するホームインスペクションについての説明、既にホームインスペクションを実施済みの場合にはその内容についての説明、ホームインスペクション事業者を紹介・あっせんできるかの告知についてです。
 
また、不動産業者による対応は、売主や買主との媒介契約時(媒介契約書)、売買契約締結前の重要事項説明書の説明時、売買契約書の締結時の3つのタイミングで実施されます。
 

義務化によるメリットとデメリット

買主にとっては、専門家によるインスペクションにより、お墨付きを受けることに対する安心感が最も大きいと思われます。
 
また、仮に問題点(瑕疵(かし)・劣化など)が見つかった場合には、あらかじめ購入後の補修・リフォームの計画を検討できることもメリットとなります。その反面、インスペクション費用の負担があることも考慮しなくてはなりません。(検査事業者や検査内容によって異なりますが、5万円~15万円程度といわれています。)
 
 売主にとっては、売買の前に建物の瑕疵等を把握できることで、事前に補修等を実施することができ、結果として売りやすくなることが想定されます。
 
また、売買後に買主から瑕疵担保責任を問われるケースが減ることで、全体としてトラブルが減少するものと期待されています。ただし、瑕疵等の内容によっては、高額の補修費が必要となる場合もありますので注意が必要です。
 
不動産業者にとっては、中古住宅の流通量自体が増えれば、売上・利益を上げるチャンスが増加することとなります。さらに、売買前に瑕疵等が把握できることで、取引後のトラブルやクレームが減少することも大きなメリットです。
 
また、不動産業者は法改正によって、インスペクションのあっせん、実施されたインスペクションの説明、現場での確認など、住宅の質に関わる内容について、これまで以上に重要な役割を果たすとともに、負担を強いられることになります。
 

インスペクション実施の注意点

インスペクション事業者の選定に際しては第三者性を有していることが重要とされます。しかし、日本においては、いまだ公的な資格として認められているものではありませんので、NPO法人など民間の団体が独自の基準でホームインスペクターとしての資格を発行しているのが現状です。
 
そのため、リフォームやリノベーションの施工事業者がインスペクションを実施するケースも多く、買手として検査結果に対して事業者からさまざまな提案を欲している場合には、その内容にあった事業者の選定が必要となります。
 
また、中古住宅の売買では、耐震診断(耐震基準適合証明書)、既存住宅瑕疵保険の加入のための検査、フラット35適合の検査などが必要となる場合もあり、これらとインスペクションを別々の事業者に依頼すると手間がかかり、大きなデメリットとなってしまいます。
 
結果的にはこれらの検査にも対応した事業者を選定したほうがお得となります。
 
買主の立場で考えれば、インスペクションの結果について信用できる状況が好ましいですが、残念ながらインスペクション事業者の中には、仕事をあっせんしてくれる不動産業者等との関係から本来なら買主へ伝えるべき建物の状況について、悪くない印象を与えるよう表現に変えることもあり得ます。
 
インスペクション事業者の第三者性が大事であることをよく理解し、ご自身で業者選びをすることを推奨いたします。
 
Text:高橋 庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー,住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
 



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