最終更新日: 2019.01.10 公開日: 2018.04.14
暮らし

大学生のレポート提出。インターネットからの転載は違法か?損害賠償もありえるのか?

最近は学校の宿題やレポートを作る際に、資料集めでインターネットを使うことも多いかと思います。

検索すればすぐに知りたい情報が出てくるインターネットはとても便利ですが、ウェブサイト上の資料を丸々使うことは許されるのでしょうか?

大学生のYくんの例を見てみましょう。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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豊田賢治

監修:

監修:豊田賢治(とよた けんじ)

弁護士

開成高校卒、東京大学法学部卒。弁護士登録後、大手渉外法律事務所、外資系法律事務所での勤務を経て独立。現在は弁護士16名を擁する東京桜橋法律事務所の所長として、多数の企業や個人の法務顧問として活動。どんな相談に対しても「わからない」とは言わないことをスタンスに、日々クライアントのために奮闘中。
【東京桜橋法律事務所】

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豊田賢治

執筆者:

監修:豊田賢治(とよた けんじ)

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開成高校卒、東京大学法学部卒。弁護士登録後、大手渉外法律事務所、外資系法律事務所での勤務を経て独立。現在は弁護士16名を擁する東京桜橋法律事務所の所長として、多数の企業や個人の法務顧問として活動。どんな相談に対しても「わからない」とは言わないことをスタンスに、日々クライアントのために奮闘中。
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大学生のYくん(20歳)が作成したレポート。「いろいろなサイトからコピペすれば効率がいい」

大学生のYくん(20歳)は春の課題でレポートを提出することになりました。
 
クラスにオーストラリアからの留学生がいるので、日本とオーストラリアの文化を比較する内容のレポートを書こうと考えています。
 
家に帰り、資料集めのためにPCを開きました。いろいろと検索していると、政府関連のサイトにオーストラリアの概要があることがわかりました。
 
「これは、そのまま使えるぞ」
 

Yくんはそのサイトに掲載されているオーストラリアの概要についての文章をコピーして、そのまま自分のワードファイルに貼り付けました。

続いて、旅行サイトを見てみると、レポートに使えそうなオーストラリアの良い写真がいくつか見つかりました。Yくんは、その画像もコピーして自分のレポートに貼り付けました。
 
さらに検索を続けると、オーストラリアに滞在中の日本人が運営している個人ブログが目に入りました。記事を読むと、日本とオーストラリアの文化が詳細に比較されています。Yくんは、こちらの文章もそのまま自分のレポートに貼り付けました。
 
政府関連サイトの文章と旅行サイトの画像、個人ブログの文章、さらに複数のサイトの文章をコピペして加えると、Yくんが思い描いたようなレポートが完成しました。
 
「コピペだけでできてしまったけど、まあいいか」
 
Yくんはこのレポートをそのまま提出しました。
 
※Yくんの物語はフィクションです。
 

Yくんのようにインターネットからそのまま文章や画像を貼り付けて課題や宿題を作成することは法律的にどのように捉えられるのでしょうか?東京桜橋法律事務所の豊田賢治弁護士にお伺いしました。

法律的な観点より前に、転載でのレポート提出は、落第に値するでしょう。
 
法律的な観点からは、許される部分と許されない部分がありそうです。
 
まず、政府関連のサイトに掲載されているオーストラリアの概要は、単なる事実の記載と思われますので、「著作物」に該当せず、それを転載しても著作権侵害になる可能性は低いと思われます。
 
一方、旅行サイトの写真や個人ブログの文章は「著作物」に該当する可能性が高く、無断で転載すると著作権侵害となってしまうことが多いでしょう。
 
転載による利用が「私的使用」(個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること)の範囲内であれば著作権侵害とはなりませんが、大学の課題レポートでの利用がそれに含まれるかは微妙に思います。その課題レポートが公表される可能性のあるものの場合、まず「私的使用」とはいえないだろうと考えます。
 
なお、正当な「引用」の場合も著作権侵害になりませんが、「引用」は全体の中での一部分の説明等の都合上で引用元を明示して初めて正当なものとなります。自分のレポートの本体として利用することは「引用」ともいえなさそうです。
 
著作権侵害となった場合、利用差止(削除)等の請求を受けることがあるほか、損害賠償請求を受けることがあります。また、悪質な場合は罰則の対象となることもありますので、くれぐれも気を付けてほしいところです。
 
TEXT:ファイナンシャルフィールド編集部
監修:豊田 賢治 (とよた けんじ)弁護士
東京桜橋法律事務所 所長 http://tksb.jp/

弁護士登録後、大手渉外法律事務所、外資系法律事務所での勤務を経て独立。
現在は弁護士16名を擁する東京桜橋法律事務所の所長として、多数の企業や個人の法務顧問として活動



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