2018.07.08 暮らし

外食して数日経ってから食べてもいないものがレシートに書いてあるのが判明…これって、返金してもらえるの?

飲食店でお会計をした際に、食べた記憶がないものが入っていたということはありませんか?

その場で気づいて店員さんに伝えられればいいのですが、酔っぱらっていたり、その場で確認せずに支払いをすることもあるかと思います。

家に帰ってからレシートを見て気づいた、ということもあるかもしれません。そのような場合、返金の期限はあるのでしょうか?

注文していなくても食べたら契約成立?まずは注文の成立について確認しよう

本題に入る前に、飲食店における注文はどうやって成り立つのかを確認してみましょう。
 
ご存じない方もいるかと思いますが、飲食店と客の間には知らず知らずのうちに「飲食物供給契約」が結ばれています。この契約は、客が注文をし、店側がそれを承諾することで成り立ちます。
 
今回は「お会計の際に食べた記憶のないものの請求が追加されていた」という話ですが、現実問題としては、注文していない料理がテーブルに運ばれており、深く考えずに食べてしまった可能性もあります。
 
もし、そのような状況であれば、飲食店からの提供に対して事後的に承諾したと考えられる場合がありますので、代金を支払わなくてはならない可能性もあります。
 
一方、注文していない料理がテーブルに出された時点で、注文していないことを申し出てテーブルから下げてもらえば、飲食物の供給契約は成立しません。
 
その商品が会計に加えられていても、支払う必要はありません。また、注文しておらず、テーブルに出されてもいない商品が会計に加えられていた場合も、当然支払う必要はありません。
 
今回は、最後の2つの場合のように支払う必要がないお金を支払ってしまい、後からそのことに気づいた場合で考えます。
 

会計時、提供された記憶のないものが追加されていた。帰宅後気がついたが、返金の期限はある?東京桜橋法律事務所の池田理明弁護士にお伺いしました。

このような場合の返金請求の根拠は、民法上の不当利得返還請求権と考えられます。
 
この不当利得とは、支払われる理由がないにもかかわらず、他人から金銭などの利益を受けた場合の「利得」のことをいいます。
 
その反面で「損失」を被った人は、「利得」を得た人に対してその「利得」分の返還を求める権利が認められ、これを不当利得返還請求権といいます。
 
不当利得返還請求権にも10年の消滅時効期間がありますが、請求の期限という観点からは、他に制限はありません。
 
今回のようなケースでは、何年も前の料理について請求するということはないと思われますので、請求の期限を特に気にする必要はないでしょう。
 
しかし、飲食店にクレームを申し入れたとしても、飲食店側から、真偽がはっきりしないという理由で、返金を拒否されることは十分に考えられます。
 
仮に裁判手続きで同様の請求をする場合、立証レベルの問題として、請求するお客の側が、その料理の提供を受けていないことを立証する必要があります。
 
飲食店の伝票などからは、そもそも真実の認定をすること自体が難しく、多くの場合、立証責任があるお客側の請求は認められないでしょう。
 
例えば、「2人で来店したのに10人前のデザート代の請求があった場合など、明らかにおかしなオーダーが入っていない限り、立証は難しいと考えられます。
 

オーダーミスで支払ってしまった代金は、経過日数に関わらず返還請求できる

食べた記憶がないものが会計に追加されており、そのことに気づかず支払いをしてしまったとしても、基本的には経過した日数に関わらず返金請求できるということが分かりました。
 
ただし、返金請求の際は、料理の提供を受けていないことを立証する必要があります。その立証は難しいので、やはり会計の時点で店員さんに伝えることが大事ですね。
 
このようなことを防ぐためにも、会計時はレシートと代金をしっかりと確認しましょう。
 
また、注文していないものがテーブルに出された際は、箸をつけずに店員さんに伝えるようにしましょう。食べてしまった場合は、事後的に承諾したものと受け取られる可能性があり代金を支払わなければいけないこともあります。
 
Text:ファイナンシャル フィールド編集部
監修:池田 理明 (いけだ みちあき)弁護士
東京桜橋法律事務所、第二東京弁護士会所属 http://tksb.jp/

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池田 理明

監修:池田 理明(いけだみちあき)

弁護士/東京桜橋法律事務所

第二東京弁護士会所属。
中央大学法学部卒。弁護士登録後、東京桜橋法律事務所に勤務。平成25年以降は同所パートナー弁護士に昇格し、主にIT関連、エンタメ関連の企業法務を中心として、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応している。

座右の銘は「強くなければ生きられない。優しくなれなければ生きていく資格はない。」時には、クライアント自身の姿勢を問うようなアドバイスができるよう心掛けている。

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