更新日: 2019.05.17 その他税金

消費税が上がっちゃうから?! 今年のボーナスを使う前に確認したいこと

執筆者 : FPwoman

消費税が上がっちゃうから?! 今年のボーナスを使う前に確認したいこと
2019年10月に予定されている消費税アップ。今の8%でもキツイのに、10%になってしまうと驚くほどにお金の減りを感じることが想像されます。
 
そんな様子をイメージして、ちょっと気が利く人なら「今のうちに買いだめしておこう」となるかもしれませんね。
 
しかしその買いだめは本当に家計の悪化を避けるためなのか、少し冷静に考えてみましょう。
 
ボーナスが出るこの時期は特に注意が必要です。
 
FPwoman

執筆者:FPwoman(えふぴーうーまん)

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消費税が10%になると家計にどれだけ影響する?

消費税の2%アップは家計にどんなインパクトを与えるのでしょうか?世帯によって家計の状況は異なるので、ここでは「シングル一人暮らし女性」に絞ってみてみましょう。
 
総務省の家計調査(2017年)によると、働く女性単身世帯の1ヶ月当たり消費支出金額は、全国平均で167,652円となっています。
 
単純に考えると、消費税が2%上がることで167,652円×2%=約3,353円の負担増ということになりそうです。2019年10月からは毎月約3,300円少々、家計支出が増えることになるのでしょうか?
 

買いだめするのは賢い?賢くない?

給料が上がらなければ、毎月3,300円少々の支出増を家計のどこかから捻出しなければなりませんね。1年単位でみてみると約39,600円になりますから、結構インパクトはありそうです。
 
あなただったらどう対処しますか?洋服を買うのを1枚減らす?毎月外食を1回減らす?それとも月々の貯金に回すお金を3,300円分減らしてしまう?
 
もちろん、いまのうちに買っておく方法もあります。しかしそれが節約になるか浪費になるかはあなた次第。
 
たとえば、靴や洋服。消費税が上がったらなるべく買わないようにするから…ってボーナスでいつもより多めに購入。
 
でもやっぱり消費税が上がった後も「新作が欲しいなあ」といつものペースで買ってしまえば今回多めに買った分は浪費とも考えられます。
 
また、いまのうちに買い置きしておこうと、保存のきくレトルト食品や飲料類などを買いだめするのも悪くはないですが、ストックがあればあるほどついつい手が出てしまうもの。
 
仕事で疲れたからといって生鮮食品を使った自炊の代わりに、レトルト食品で済ませてしまっては意味がありません。そうではなくても消費期限の関係で急いで食べざるを得ないことも。
 
増税前に買うならば、本当の必要性を考えて冷静な判断で買うようにしましょう。
 

消費税には「かかるもの」と「かからないもの」がある

そもそも消費税は日本国内で事業者が事業として対価を得て行うモノやサービスなどの取引にかかるもの。具体的にいえば、いわゆるお買い物はもちろん、外食、旅行、美容院等々の支払いなどにもかかります。
 
しかしながら、実は、対価を得て行うモノやサービスなどの取引であっても消費税がかからないものもあるのです。
 
代表的なものをいくつか挙げてみます。
 

土地

土地の譲渡・売買取引には消費税はかかりません。一方で建物には消費税がかかります。
 

家賃

人が居住用に供することが契約で明らかとされている場合は消費税がかかりません。ただし、1ヶ月未満の貸付などには消費税がかかります。
 

教育費

学校教育法に規定する学校の入学金や授業料等には消費税がかかりません。
 
また、外国語学校やビジネススクールなどであっても、修業年限が1年以上で、その1年間の授業時間数が680時間以上などの一定の要件を満たす場合は授業料、入学検定料、入学金などに消費税はかかりません。
 

医療費・介護費

公的医療保険の対象となる医療費や薬代、また公的介護保険対象の介護サービス費や介護施設の利用料、車いすなど身体障害者用の商品には消費税はかかりません。
 
しかし、これらの、公的保険の対象とならないものには消費税がかかります。
 
たとえば市販の医薬品、人間ドッグの費用や美容整形、入院時の差額ベッド代などがあります。
 

すべてのものが増税されるとは限らない

消費税が日本に導入されたのは約30年前の1989年。働くシングル女性の多くは子どもの頃のお小遣いでの買い物にも当たり前のように消費税を払ってきたのでは?
 
消費税が当たり前に浸透している世代にとっては消費支出のすべてに消費税がかかると思いがちですが、そうではないことがお分かりいただけたでしょうか?
 
さらには消費税が10%になっても「軽減税率」というのが導入される予定です。これは、酒類・外食を除く「飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」は税率を8%のままにするというもの。
 
先述の家計調査では、家賃が平均27,271円、酒類および外食を除く飲食料品が23,803円ですから、同じ消費スタイルなら増税が影響するのはこれらを除いた116,578円の消費支出にかかる分。
 
つまり、116,578円×2%=約2,331円です。
 
これならコンビニに寄る回数を減らして、食事の工夫次第で対応できそうですね。
 
また、消費税アップにあわせ、自動車や住宅などの減税措置を拡大するなど、政府が消費税率アップ後の景気対策を検討中です。
 
税制の状況と自分の消費スタイルなどを静観し、かえってムダ遣いを増やさないことが大切です。ボーナスは貯金や投資、そして少しは自分へのご褒美など、有意義に使ってくださいね。
 
TEXT: FPwoman 貯金美人になれるお金の習慣
續 恵美子(つづき えみこ)
FPwoman Money Writer’s Bank 所属ライター
ファイナンシャルプランナー(CFP)

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