最終更新日:2019.01.10 公開日:2018.07.16
暮らし

会社主催のBBQ 楽しかったはずが、まさかの集団食中毒。これって労災?それとも食材を焼いていた人の責任?

会社の中には懇親を深めるためにイベントを行うところもあります。
 
野外でのBBQは普段とは違う開放的な空間の中、みんなで協力して美味しいものを食べるという新鮮さが魅力です。
 
しかし、夏のBBQでは食材が傷みやすいという危険性も…。もし、会社のBBQで「食あたり」になった場合、労災は下りるのでしょうか。それとも、食材を焼いていた人の責任になってしまうのでしょうか。
 
Tくんの例をみてみましょう。
 
FINANCIAL FIELD編集部

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

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石垣美帆

執筆者:

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監修:石垣美帆(いしがき みほ)

弁護士

中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。

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会社のBBQで「お肉係」を引き受けたTくん。翌日、大変な目に遭い…

新入社員のTくんは、会社主催のBBQに参加することになりました。参加は任意で、若い社員を中心に20名ほどが集まる予定です。
 
Tくんは集合場所に向かう前に同期2人と待ち合わせし、スーパーに行きました。参加者から集めたお金で、お肉を中心に野菜やお酒を買います。3人は、大荷物を抱えて現地に向かいました。
 
キャンプ場では、すでに先輩社員たちがテントを張っています。みんなでお肉や野菜を切り、炭に火をつけて準備万端です。
 
Tくんは率先して、「お肉係」を引き受けました。1枚焼いては、紙皿に並べます。Tくんは先輩を立てなくてはと思い、一心不乱に焼き続けました。そんなTくんを見て、周りは「偉いねえ」と感心しました。BBQはおおいに盛り上がり、楽しい一日となりました。
 
しかし、翌日の早朝。Tくんは強烈な吐き気で目が覚めました。トイレに駆け込んで戻しましたが、それでも吐き気は収まりません。おなかの調子も悪く、トイレから出られない状態に。
 
Tくんがなんとか病院に行くと、診断結果は「食中毒」。症状から、お肉が原因だろうと言われました。
 
Tくんが慌てて他の社員にメールを送ると、BBQに参加した社員の内、数人がTくんと同じ症状になっていることが分かりました。社員はみんな「Tくんが悪いわけじゃない、お肉に問題があったんだ」「Tくんのおかげでおいしくお肉を食べられた」と励ましてくれましたが、Tくんは自責の念でいっぱいです。

*物語はフィクションです
 

会社主催のBBQで集団食中毒が起きた場合、労災になるのでしょうか。それとも、食材を焼いていた人の責任なのでしょうか。東京桜橋法律事務所の石垣美帆弁護士にお伺いしました。

このようなトラブルは、イベントの性質により会社の業務の範疇になるのか、ならないのかという線引きが議論の争点となっています。
 
イベントの費用が誰持ちなのか、イベントの目的は何かなど、さまざまな要因から判断されます。全員が参加を強制されている、会社が全額負担している、休むと欠勤扱いされるなど、かなりの拘束力があるイベントでないと業務の範疇とするのは難しいでしょう。
 
そのため、今回のケースのように任意で集まっている場合は、労災にはならないでしょう。
 
また、労災にならないとしても、単に食材を焼いた人の責任にもならないと考えられます。
 
食中毒を引き起こしたのは食材の保管状況が悪かった、食材自体に問題があったなど、複数の要因が考えられます。また、製造元、スーパー(BBQの場所と食材を提供してくれるサービスの場合はそのお店)の問題も関係してくるので、単に食材を焼いただけでは責任は生じないと思われます。
 

労災になるかは「業務の範疇」だったかがポイント。焼いた人の責任にはならない

よほど会社の拘束力があるイベントでない限り「業務の範疇」とすることは難しく、労災にはならない可能性が高いことが分かりました。それと同時に、食材を焼いた人の責任にはならないと考えられます。その点では、Tくんは一安心ですね。
 
「自分のせいで」と落ち込んでしまうことはあるかもしれませんが、食中毒にはさまざまな原因が予想されます。原因が明確でないのに、Tくんのように自分が悪いと思い込みすぎることも精神衛生上よくありません。
 
夏は野外で食事をする機会も増えるかと思います。自分たちで調理する場合は、食材が傷まないようにする、しっかり焼くなどに気を付けて、食中毒を防ぎましょう。
 
Text:FINANCIAL FIELD編集部
監修:石垣 美帆(いしがき みほ)
弁護士
中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。

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