最終更新日:2019.01.10 公開日:2018.07.25
暮らし

親が病気や介護状態になってからでは遅すぎる! 離れて暮らす子どもが高齢期の親のために今しておきたいこととは?

高齢の親から遠く離れて暮らしている人にとって最も心配なこと、それは「もし親に何かあったら」ではないでしょうか。
 
「まだ元気に暮らしているから大丈夫」と自分に言い聞かせつつ、もしもそのときが来たらと思うと不安でたまらない、という声もよく耳にします。
 
でも、ただ不安を募らせたり心配したりしているだけでは何の役にも立ちません。親がまだ元気なうちにどれだけ前もって行動や準備をしておくかで、いざ何かあったときに大きく差がつきます。
 
福島えみ子

執筆者:

Text:福島えみ子(ふくしま えみこ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
マネーディアセオリー株式会社 代表取締役
リュクスセオリーFPサロン 代表
大学卒業後、都市銀行に入行。複数の銀行、法律事務所勤務中に、人生の悩みは結局のところお金と密接に関係することを痛感、人生をより幸せで豊かにするお手伝いがしたいとファイナンシャルプランナーに。FP会社にて勤務後、独立。これまで500件以上の個人相談を担当すると共に、セミナー、執筆と幅広く活動。相続・資産運用・住宅相談・リタイヤメントプラン等を得意とし、個人相談にも力を入れる一方で、セミナーや企業研修、執筆を通じてわかりやすくお金の知識を発信することに注力している。

http://mdtheory.co.jp/

詳細はこちら
福島えみ子

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Text:福島えみ子(ふくしま えみこ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
マネーディアセオリー株式会社 代表取締役
リュクスセオリーFPサロン 代表
大学卒業後、都市銀行に入行。複数の銀行、法律事務所勤務中に、人生の悩みは結局のところお金と密接に関係することを痛感、人生をより幸せで豊かにするお手伝いがしたいとファイナンシャルプランナーに。FP会社にて勤務後、独立。これまで500件以上の個人相談を担当すると共に、セミナー、執筆と幅広く活動。相続・資産運用・住宅相談・リタイヤメントプラン等を得意とし、個人相談にも力を入れる一方で、セミナーや企業研修、執筆を通じてわかりやすくお金の知識を発信することに注力している。

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親が動けなくなったらどうする?

離れて暮らす親が病気やケガをしたり介護状態になってしまったりしたら、親の身体も心配ですが、「親の身の回りの世話はどうしよう」という問題にすぐに直面することになります。
 
しかも、親がひとり暮らしであればなおさらです。そういったとき、せめて兄弟や親戚が近くにいればよいのですが、そうした家庭ばかりではないことでしょう。
 
離れているといっても、通える距離ならともかく、新幹線や飛行機の距離ほどに離れていて自分も仕事を持っていれば、親のところに行く頻度にも限りがあります。
 
ではどうすればいいのか? 自分や家族・親戚などがたとえ動けなくとも、お金を払って他の人の手を借りることはできます。
 
今は、入院支援サービス、生活支援サービス、食事の宅配サービスなどを提供している事業者も増えてきています。親の住んでいる地域でそうしたサービスを展開している事業者や料金、依頼方法などを親が元気なうちから調べておくと、いざというとき安心です。
 

親が介護状態になったらまず考えておくこと

ケガや病気であれば、短期間のみ他の人の手を借りればすむかもしれませんが、介護状態になった場合は長期戦も考えられます。
 
ここで、親にできるだけのことをしたいと仕事を辞めて実家に帰る人もいますが、いったん介護離職をしてしまえば復職が容易ではない場合もあります。収入が途絶えると自分自身のマネープランに支障を出てしまうことにもなりかねません。いてもたってもいられない気持はわかりますが、まずは勤め先の介護休暇など何か使える制度がないか、普段から確認しておくようにしましょう。
 
もしくは、親を呼び寄せての介護を検討する人もいます。たしかに、そうすれば仕事と介護を両立できそうですが、高齢になって慣れない環境で暮らすことで、親が状態を悪化させてしまうということも珍しくありません。親の状態によってケースバイケースではあるものの、慎重に検討すべきでしょう。
 
そう考えると、まずは実家での自宅介護で他人の手を借りるか、もしくは施設を利用するかを検討することとなります。これらの選択は親のそのときの状態やかけられる費用にもよりますが、いずれにしても強い味方となるのが介護保険制度です。
 

親が介護状態になったときは初動が勝負

介護保険を利用すると、さまざまな介護サービスを受ける際、一部の自己負担ですみます。その自己負担割合が1割~3割のいずれになるかは、下記のように所得によります(平成30年8月から変わります)。
 

ただ、この介護保険を利用するには、まずは7段階(要支援1~2、要介護1~5)の要介護度のいずれかに認定されていることが大前提です。しかも、認定はすぐにというわけにはいきません。
 
そもそもこの認定はどこでどのようにして受けるのでしょうか。親が住む自治体によって異なりますが、要介護認定は地域包括支援センターや市区町村役場の介護保険課などで申請します。
 
それから訪問調査を受け、主治医の意見書の取り付け、介護認定審査会での審査・判定という過程が必要です。そして認定されると、担当のケアマネージャーによるケアプランの作成を受け、そのケアプランにしたがって介護保険のサービスを受けていくことになります。
 
これらのステップに相応の時間がかかるため、親が介護状態になったら、なにはともあれ要介護認定へ向けてアクションを起こすことが何より大切です。
 
親が介護状態になってからはじめて申請場所を調べるのではなく、事前に親の住んでいる地域の申請窓口を確認しておくことをお勧めします。
 
さらに、自治体によっては自治体独自の高齢者向けの各種支援制度を設けていることもありますから、それも親が元気で自分の精神的・時間的に余裕があるうちにできれば調べておきたいところです。
 

帰省したら、ただ実家でくつろいでいてはいけない

実家に帰ったときにしておきたいことは、他にもあります。親の家にモノが不自然に増えたりしていないか、以前と比べて家が散らかっているなど、家の様子で変わったところがないか、そして親の様子や受け答えで以前と変わったところはないか、例えば反応が鈍かったり物忘れが多くなったりなどがないか、よく観察してコミュニケーションをとっておいてください。
 
訪問販売で不要なものを買わされたり、高価な買い物を繰り返したりしてしまっているケースもあります。
 
また、親が以前に比べて判断力が格段に落ちたり初期の認知症になっていたりするにもかかわらず、金融機関に勧められるがままリスクが高めの金融商品で運用していたり、頻繁に売買をさせられたりしていたりして、その結果、大幅に親の資産が減ってしまっていることも実際に複数ありました。
 
ちなみに、親の日々の変化には、近所の人や親の友人などのほうが「最近様子が変ね」と気づいていることも多いようです。
 
帰省したときには、近所の人や普段親がお世話になっている人たちにお礼かたがた、何かおかしなことがあれば連絡してほしいと伝えておくのもひとつの方法です。
 

自分で背負いすぎないことが一番大切

ところで、仕事柄、お子さん側からの相談を受けることも多いのですが、「親の面倒を見なければ」という気持ちが強く、自分がお金の面倒も見なければとまで覚悟している人も少なくありません。
 
ただ、よくよく話を伺うと、親と話したうえでのことではなく、一方的に覚悟を固めている場合がほとんどです。
 
しかし、それよりも先にすべきことは、親がいざというときのお金に対してどれくらい準備をしているかの確認です。
 
後日、親御さんを交えて話を伺うと、親の側では「子どもにお金の負担をかけたくない」という気持ちが強く、さらには、親の介護資金の負担や仕送りも覚悟していた自分の年収よりも、親の年金額のほうが多かったというケースすらあります。
 
まずは、親はもちろんのこと、兄弟も含めて、いざというときどうするかをよく話し合っておくこと、これを親が元気なうちから行っておけるかどうかであとあと違ってきます。
 
親のためならできることは何でもしたいという気持ちは、筆者も離れた実家に親を持つ身ゆえよくわかります。しかし、無理をすれば自分も倒れ、結局誰も面倒を見る人がいなくなるということさえあり得るのです。
 
自分で背負いすぎず利用できる制度はすべて使い、頼れる人にはありがたく頼り、そのための事前の準備はできる限りしておくことが大切です。もうすぐ夏の帰省シーズン。この機会にまずは「今できること」の準備から始めておきましょう。
 
Text:福島 えみ子(ふくしま えみこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
マネーディアセオリー株式会社 代表取締役
リュクスセオリーFPサロン 代表

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