2018.08.13 暮らし

人生100年時代の影響!? シニアの有業率が上がっているワケ

「就業構造基本調査」(総務局統計局)という統計データは、統計法により重要なものとされる「基幹統計調査」として、国が定期的に実施・発表するものです。具体的には、全国および地域別の国民の就業・不就業の状態を調査したものです。
 
1956年から1982年まで概ね3年ごと、1982年以降は5年ごとに行われており、先日平成29年度の調査の結果が発表されました。
 
この統計データを見てみると、2つほど興味深い事実が浮かび上がってきます。
 
それは「働くシニアが増えていること」と「育児をしながら働く女性が増えていること」です。
 

人生100年時代は本当かも? シニアの有業率がアップ

「有業率」とは15歳以上の有業者(何らかの職業に就き収入を得ている人)が全体に占める割合ですが、平成29年の有業率は、平成24年に比べて男性は0.4ポイント、女性は2.5ポイント上昇しています。
 
その中でも驚くべきは、シニア世代の有業率の伸びです。何らかの仕事をしているシニア男性の割合は、ここ5年で大幅に増加していることがわかります。
 
・男性60〜64歳:平成24年 72.7% ⇒ 平成29年 79.9%(7.2ポイントアップ)
・男性65〜69歳:平成24年 49.0% ⇒ 平成29年 56.3%(7.3ポイントアップ)
・男性70〜74歳:平成24年 32.4% ⇒ 平成29年 37.5%(5.1ポイントアップ)
 
高齢化の一途をたどっている日本では、シニアになっても仕事を続ける人が増えているということがわかります。
 
60~64歳の男性は「10人のうち8人」、65〜69歳の男性は「10人のうち5~6人」は働いていらっしゃる。70~74歳においても「10人のうち3~4人」は何らかの仕事をしていらっしゃるのですね。
 
人生100年時代と言われますが、本当にそんな時代になってきていることをひしひしと感じます。
 

育児をしながら仕事をする女性も増加している

平成29年度の本調査では、育児をしている女性のうち64.2%が仕事をしているという結果になりました。年齢階級別で分けても、平成24年と比べてどの世代も8.4〜12.3ポイントと有業率が上昇しているようです。
 
やはり、女性が働きやすい環境が整ってきつつあるということなのでしょうか。
 
この統計データでは、都道府県別に「育児をしている女性の就業状態」がまとめられています。すると自治体ごとに差があることがわかりました。
 

育児をしながら女性が働きやすい都道府県はどこ?

何となくのイメージでは、都会の方が、バリバリ仕事をしながら育児をしている女性が多そうなイメージがありませんか? でも、実際はそうでもないようです。
 
育児をしている女性の有業率がもっとも高いのは、島根県(81.2%)、福井県(80.6%)、高知県(80.5%)という結果になりました。
 
「育児をしながら女性が働きやすい」と一口にいってもさまざまな条件があるため、この結果がすべてではありませんが、有業率の高さだけから見るに、これらの県は育児をしながら女性が仕事を持ちやすそうに見えます。
 
いっぽう、東京都は61.4%、神奈川県は57.0%、大阪府は60.1%と、大都市圏の自治体の有業率は低いように見えます。
 
この数値だけを見ると、実は大都市圏の方が育児をしながら働く環境が整っていない……とも考えられます。とはいえすべての自治体において育児をしている女性の有業率が上がっていることから、改善傾向にはあるのかもしれませんね。
 
就業構造基本調査を紐解くと、現在の日本の状況がさまざまな角度から見えてきます。
 
5年後の調査で、どのような変化があるのかも興味深いですね。
 
Text:FINANCIAL FIELD編集部

FINANCIAL FIELD編集部

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