最終更新日:2019.01.10 公開日:2018.09.05
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中身が複雑!? 働き方改革はあなたにとっていいこと?それとも悪いこと?

国会で審議が行われ、政府が推進をしている「働き方改革」。推進しているといわれても、何のこと? という方が多いかもしれません。
 
この改革が、働いている方にとって具体的にどう影響が出るのか本当にわかっている方は多くはないでしょう。さて、あなたにとって働き方改革はいいことなのか、それとも悪いことなのでしょうか、知っておきましょう。
 

働き方改革の中身はこんなに複雑

政府は労働力人口の減少により、1人の人が複数の職業に就くことで労働力不足を補うという視点もあり、様々な働き方を推奨していくようです。
 
働く人には、色々な呼び方があります。「正社員」「パート」「アルバイト」「契約社員」「派遣社員」など、社内で呼ばれる呼び名によって社内での労働条件や待遇の違いが決まっていることがほとんどです。今回の働き方改革は、この呼び名に関わらず、全ての労働者にとってかかわりのある改革だといえます。
 
長時間労働を見直すため、労働時間の制度の見直しが含まれています。また、10日以上の年次有給休暇を与えられる労働者に対し、毎年時季を指定して与えなければなりません。正社員でなければ、有給休暇は付与されないと思っている方も多いですが、呼び名に関係はありません。半年労働し、その8割以上継続勤務した労働者に付与されます。
 
また、これも改革の中で注目すべき項目ですが、パート労働者や有期雇用労働者に関する同一企業内における正社員との不合理な待遇の禁止や待遇の説明義務の強化も予定されています。
今後、労働者の呼び方でなく、「同じ労働」をすると「同じ賃金」であると主張できるようになることが予想されます。
 

長時間労働を制限されると、残業代は見込めない

社員に時間外労働をさせるためには、会社は労働基準監督署に労使協定を提出しておく必要があります。そして、社員に時間外労働をさせる場合でも、上限が決まっており、時間外労働は月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別の事情がある場合でも年720時間ひと月当たり100時間未満を限度とされます(平成32年4月1日施行予定)。
 
また、残業代を25%割り増しとする会社が多いですが、今後それを超える%にすることが求められます(平成35年4月1日施行)。会社はあまり長時間労働をさせないような対策を取らざるを得ません。例えば、事前に会社に残業の申請をさせて、申請していない時間外労働を認めないなど、必要のない長時間労働をさせることは無くなってくるでしょう。
 
ですから収入として残業代込みで一定金額の収入を見越している方は、残業代を得られないことを想定して、他に副収入などで補う必要が出てくるでしょう。
 

副業を始めるときにはこんなことに注意するべき

以前は副業を禁止する企業がほとんどでしたが、今は事情が異なります。収入を補填するという意味と、会社以外の生きがいを持つという意味の方がおり、人によって目的が二分化しているようですが、今後、副業を認める企業は増えるでしょう。
 
副業で収入をアップさせることはいいことですが、会社に黙って始めるのはお勧めできません。注意が必要です。まずは、就業規則などの中に、副業に関する規定があるかどうかを確認しましょう。会社としては、本業がおろそかになっては困りますので、本業に迷惑がかからないよう、何らかの規定を入れているはずです。
 
また、本業の会社から副業の就業場所に移動して、途中で交通事故などが起こっても、通勤災害として請求できますので、事前に、本業に迷惑がかからないということを理解してもらったうえで始めましょう。
 
今回の法律改正は施行日がそれぞれ異なっており、大きなものは平成33年4月1日もしくは平成35年4月1日と、先に施行される項目が含まれています。ただ、今回の働き方改革の内容をじっくり見ると、今後どのようなキャリアデザインを描くつもりかを考えるきっかけになると考えてください。
 
私は社会保険労務士として、よく「扶養の範囲で働きたい」との相談もお受けしますが、扶養の範囲にとどまらず、自分の働きたい働き方を実現させるチャンスをつかめる人も出てくるでしょう。
ぜひ、この機会に自分のキャリアアップを目指してください。
 
Text:當舎 緑(とうしゃ みどり)
社会保険労務士。行政書士。CFP(R)

當舎緑

執筆者:當舎緑(とうしゃ みどり)

社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。

阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。かながわ県民センターや横浜市の区役所での行政書士相談、金融機関での年金相談、病院でのがん患者就労支援相談員としても活動している。セミナーの得意テーマは、教育資金の準備方法、社会保険の仕組み、エンディングノートの作り方、これから始めるやさしい終活、成年後見の活用方法、家族信託の仕組みなど。著書は、「3級FP過去問題集」(金融ブックス)。「子どもにかけるお金の本」(主婦の友社)など。子どもにかけるお金を考える会のメンバー、一般社団法人かながわFP生活相談センター理事。一男二女の母でもある。

 



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