更新日: 2023.08.15 その他暮らし

起業したばかりだと経理事務が面倒!みんな法人カードをどう活用しているの?

執筆者 : 藤木俊明

起業したばかりだと経理事務が面倒!みんな法人カードをどう活用しているの?
独立・起業して仕事をするとき、仕事専用の法人用クレジットカードが欲しい場面というのはけっこうあります。
 
ところが、起業したばかりの法人というのは、よほどの場合(大企業の戦略ベンチャーなど)を除いて、法人用クレジットカードが作れないという話を聞きます。それは不便ですね……。
 
藤木俊明

執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)

副業評論家

明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。

起業したばかりの小さな法人では経理事務が煩雑

少人数で会社を立ち上げたときは、経理専門のスタッフなんていないことがほとんどでしょう。小口の現金精算は面倒ですし、現金の出入りごとに記帳していくのはとても煩雑なので、法人用クレカを使いたいものです。
 
記帳をクラウド経理システムで行いたい起業者も多いでしょう。クレカの使用履歴と連携できれば記帳が楽になり、経理事務にかける時間が減らせます。起業したばかりの会社は、売り上げにつながる事業に力を集中させたいもの。また、「Amazonビジネス」などのネットサービスは、クレカ決済の方が便利なことが多いです。公共料金の支払いなどもクレカで行えばポイントもつきます。
 
ところが、起業したばかりの法人は実績がないので、簡単に法人用クレジットカードが作れなくて不便だという声もよく聞きます。「3年間の売り上げ実績を出してください」とか言われてもそんな実績まだないですよね。もちろん対応してくれる法人用クレジットカードも増えていると聞きます。ただし、申し込みが手間だったり、限度額が低いとすぐ限度額がいっぱいになってしまいます。
 

法人用カードで重視するのは「年会費」「審査の通りやすさ」「申し込みの簡単さ」

そんな中、法人用のクレジットカード事業を行うfreeeが、「freee カードご利用者向けアンケート」で利用者の声を集め報道発表しました(※1)。調査サンプル数は多くないのですが(N=55)、なかなか聞けない層(起業家・代表者で事業用カードの保有者)からの声なので見てみたいと思います。
 

■事業用カードを作るときに、重視していること

1.年会費(最も重視40% : 2番目に重視22%)
2.審査の通りやすさ(最も重視29% : 2番目に重視15%)
3.申し込みの簡単さ[Web申し込みの可否。必要書類など](最も重視16% : 2番目に重視27%)
4.利用限度額(最も重視7% : 2番目に重視11%)
5.ブランド(最も重視2% : 2番目に重視13%)
6.ポイント(最も重視2% : 2番目に重視11%)
7.特典(最も重視4% : 2番目に重視2%)
 
「年会費」の有無または金額がもっとも重視するポイントで、ここにやはりお金を使いたくないということでしょうか。次いで「審査の通りやすさ」で、前述のように、通るかどうかを気にされている方が少なくないと言うことでしょう。そして「申し込みの簡単さ」が続きます。
 
思ったほど「利用限度額」は上位ではありません。まず、「あまりコストや手間をかけずにまずカードを作ること」が優先されるのかなと思います。
 
同調査によると「電子マネー対応」「ゴールドなど上位カードの有無」の設問については重視しているという回答はゼロだったようです。
 

経費を全部法人用カードでという人が18%も

■freee カード(事業用)の用途(複数回答)

1.交際費(22%)
2.EC/Web決済(20%)
3.通信費(18%)
4.経費全般(18%)
5.交通費・出張費(16%)
6.消耗品費(15%) 以下略
 
取引先と飲食を伴う交際費の場合は、やはりカードでスマートに支払いたいものでしょうね。そして予想通り、ECなどの決済で使う場面が多いようで、それに続きます。経費全般を法人カードで決済されている人も多いのですね。
 
その調査資料には事業用カードのコツが紹介されていますので紹介しておきます。
 
「自分の中で毎月の限度額を決める」「経費は極力カード支払いに集中させる」「店頭購入の場合、カードが使えるかどうかを事前に調べておく」「会計ソフトと連携させることにより、出金の把握や会計記録を簡単に行っている」
 
起業したばかりのときは煩雑な経理処理を減らしたいものです。会計ソフトと連動できる法人用カードを検討するのもひとつの方法ですね。
 
※1 2018年9月実施 「freee カードご利用者向けアンケート」より
 

Text:藤木 俊明(ふじき としあき)
副業評論家

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