2019.02.09 暮らし

雪の多い地域の「雪おろし」は本当にたいへん!克雪住宅に対する補助金

執筆者 : 藤木俊明

ここしばらく冷え込みがきびしくなってきています。冬は雪が多く降り積もる地域にとっては、悩みの多い時期でもあります。北陸に生まれ育った筆者は、自分や自分の家族、周りの住民が、雪に苦しむ姿をこの目で見てきました。
 
屋根に積もった雪の重みで家が傷んだり、ひどいときはつぶれたり、その屋根から落ちてくる雪に埋もれ、人が亡くなったりするという大変な苦難でした。
 
現在、雪の多い地域では「克雪住宅」(こくせつじゅうたく)への取り組みが進められ、新築時や改修時に克雪住宅にするときには、自治体からの補助金制度もあるようです。で、「克雪住宅」って?
 

重労働でありその担い手も少なくなりつつある「雪おろし」

雪の多い地域では、屋根に雪が積もり出すと「雪おろし」をしなくてはなりません。そうしないと、雪の重みで家が傷み、ひどい場合はつぶれてしまいます。
 
石川県金沢市の「屋根雪下ろしの目安について」では、木造住宅の場合(いろいろな条件がありあくまで目安ですが)築後14年以内では70cmから100cm、築後54年以上たった場合では40cmから60cmの積雪を目安としています。
 
雪おろしは、屋根に上ってスコップなどで雪をおろすのですが、これがたいへんな重労働で危険も伴います。2018年2月には北陸地方を豪雪が襲いました。
 
『福井・石川・富山の北陸三県では雪おろし中の転落事故などで27人が重軽傷を負った』(2018年2月7日東京新聞)と報じられています。ちなみにそのときは福井市で積雪130cmを超えていたようです。
 
しかし深刻な問題は、高齢化によって、重労働である雪おろしの担い手が少なくなっていることです。地域で助け合うかボランティア、あるいは有料で建設業者や便利屋に頼む方法しかありません。
 
その相場は、かかる時間などによって変わるようですが、少なくとも数万円の支出は覚悟しなくてはならないのではないでしょうか? また、降雪がきびしいときは人手不足でなかなか依頼できないこともあるかもしれません。
 

雪に強い「克雪住宅」とは?

そこで多雪地帯の行政が呼びかけているのが、「克雪住宅」への取り組みです。雪害が予想される地域で家を新築するとき、あるいは家を改築するときに「雪に強い住宅」にすることです。新潟県の「克雪住宅事例集」によると、克雪住宅には3種類あります。
 
1.落雪式
屋根を急勾配にして自然に雪を落とすもの。ランニングコストはあまりかかりませんが、落ちてくる雪を貯めておくスペースが必要です。
 
2.融雪式
電気や灯油で屋根の雪を溶かす方法で、貯雪のスペースはいりませんが、メンテナンス費や燃料費がかかります。
 
3.耐雪式
家自体の構造を強くし、ある程度屋根に雪が積もっても耐えられるようにします。これは工事費用がかかります。
 

「克雪住宅」への補助金とは?

このような克雪住宅に立て替えたい、リフォームしたい家庭に、多雪地帯の自治体は補助金を出しています。たとえば富山県南砺市の場合、一定の条件の下に次の補助を行うようです(2018年度の募集は終了しています)。
 
1.落雪式住宅は、補助対象工事費が100万円以上のものに対し、30万円の補助
2.融雪式住宅は、補助対象工事費が150万円以上のものに対し、50万円の補助
 
同じく北陸の石川県白山市の場合は次のように定めています。こちらは融雪式住宅の補助のようです(2018年度の募集は終了しています)。
 
【対象経費】熱エネルギーを利用して屋根雪を溶かす装置の設置費用
【補助金額】設置費用の1/2以内で、上限100万円
 
当然、雪の多い地域の人たちはご存じと思いますが、雪おろし対策にはこういった補助を検討したほうがいいでしょうね。
 
また、比較的雪害が少ない都市部でも、雪による家の被害が起きることもあります。昨年(2018年)1月下旬の首都圏の大雪も記憶に新しいでしょう。克雪住宅とまではいかなくとも、築年数がかなり古い住宅では、雪に対しての何らかの対策を考えておくことも必要かもしれません。
 
※屋根雪下ろしの目安について(金沢市)
※克雪住宅を知りたい、つくりたい(新潟県)
※克雪住宅普及事業(南砺市)
※克雪化促進事業(白山市)
 
執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)
副業評論家
 
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藤木俊明

執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)

副業評論家

明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。