最終更新日:2019.06.28 公開日:2019.03.31
暮らし

結局、日本って不景気なの?景気を読み解く指標を知ろう!

厚生労働省が作成した『毎月勤労統計調査』において、不正が行われていたことが発覚し、問題となっています。
 
『毎月勤労統計調査』は、賃金、労働時間及び雇用の変動を明らかにするための調査であり、日本のテーマである“働き方改革”が本当に成果をあげているかを確認するために行われました。
 
また、『毎月勤労統計調査』がGDP(国内総生産)の算出に用いられるほど重要な政府の統計だったというと、騒ぎの理由がはっきりしますよね。そこで今回は、ほかにもたくさんある、日本の景気を読み解くための指標についてお伝えします。
 
中西雅也

執筆者:

執筆者:中西雅也(なかにし まさや)

酒井FP綜合事務所/お金工房わなび所属

2級FP技能士、AFP(日本FP協会認定)
「お金のことをもっと身近に感じてほしい!」をモットーに、“手帳”を使った人生設計の方法や、知っててよかったお金の話セミナーをはじめ、年間50回以上の講演を行う。

専門用語を使わないわかりやすい説明を心がけている。
http://www.fp-sakai.com

詳細はこちら
中西雅也

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執筆者:中西雅也(なかにし まさや)

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日本の景気は本当に悪い?

日本の景気の良し悪しを測る尺度として、『景気動向指数』と呼ばれる指数が存在します。景気動向指数は、これからの景気が分かる“先行系列”、いまの景気が分かる“一致系列”、いままでの景気が分かる“遅行系列”の3つに区別されます。
 
いま現在の景気動向指数は29種類ですが、用いられる指数はそのときの状況によって度々見直されます。
 

 

いまの景気を知ることができる11種類の指数

全部で29種類ある景気動向指数ですが、いまの日本の景気を知りたい人は一致系列(9種)を知るとよいでしょう。
 
“働いてほしいと考えている企業の募集者数”を“働きたいと考えている人数”で割った数字で表される『有効求人倍率』や、2015年を基準として残業時間がどのように推移しているかを表している『所定外労働時間指数』など、いまの日本の景気を表していると定められた、9種類の指数が用いられています。
 
ほかにも企業の『営業利益』や『商業販売額』、生産活動によって算出された製品の出荷動向を総合的に表す『鉱工業生産財出荷指数』なども、重要な一致系列として採用されています。
 
不景気だった時代と比べていまはどうなっているか…を知ることができるので、非常に興味深い資料と言えます。
 

人の気持ちで知ることができる日銀短観

日本銀行は、3ヶ月に1回のペースで1万社の企業を対象として、景気についてどのように感じているかを聞き取る『日銀短観』と呼ばれる調査を行っています。
 
これは、企業の経営者に対して『“いま”の景気はどうですか?』『“3カ月後”の景気はどうなっていると思いますか?』といった内容のアンケートを行い、「良いと思う(良くなると思う)」と答えたものから『悪いと思う(悪くなると思う)』と答えたものを差し引いて、%として表す指標です。
 
現場の声を経営者から聞くことができる調査なので、ウソが出にくい特徴があります。この調査を知ることで、経営者が実際に感じている景気を知ることができます。
 

いまの景気は良い?悪い?

では、いまの景気は良いと言えるのでしょうか。先述の指標から景気を読み解いていきたいと思います。
 
まず、現在の景気状況を表す『景気動向指数の一致系数』ですが、直近の調査(2018年12月)では102.3でした。この指数は2015年を100としている調査なので、いまの景気は2015年に比べると少し良くなっているということになります。
 

※1 内閣府HP「景気動向指数結果2018年12月分速報」
 
次に、経営者の実感から景気をみてみましょう。『日銀短観』はアンケート調査の結果より、“良い(%)−悪い(%)”を表した数字が結果として表示されます。“さほどよくない”については差し引きにカウントされません。
 
直近の調査(2018年12月)では、大企業では21、中堅企業では17、中小企業では12という結果になっています。
 
結果を見ると「良い」と感じている経営者の方が多いように感じます。しかし、調査結果にカウントされていない「さほど良くない」をみてみると、その割合はそれぞれの項目で約6割~7割を占めていることが分かります。
 
経営者の多くが、今の日本の景気について、あまり良い印象を持っていないことが伺えます。また、3ヶ月先の景気についても明るい未来を予想している人は少ないようですね。
 

※2 日本銀行「全国企業短観調査」より筆者作成
 
『景気動向指数の一致係数』をみて分かったことは、「2015年に比べると少しずつではあるが、日本の景気は良くなってきている。でも、『日銀短観』の結果では、経営者のほとんどが景気の良さを実感しにくい状況にある」という結果でした。
 

投資やビジネスに欠かせない情報を取る

結局、いまの日本は景気が良いの?悪いの?と思った人は『景気動向指数の一致系数』と『日銀短観』をみると、より詳しくいまの日本の景気を知ることができます。
 
いま私たちが感じている“気持ち”も大切な意見ではありますが、やはりさまざまなデータをもとに体系的に物事を考えることが大切ですよね。
 
始めにお伝えしましたが、景気動向指数には“いま”と“むかし”、そして、“これから”の景気を占う指標が掲載されています。景気の状況を判断するデータの読み方を知っていると、投資やビジネスに活かすことができます。
 
あなたは“いまの景気”を知って、どんなことに活かしますか?
 
出典
※1 内閣府HP「景気動向指数結果2018年12月分速報」
※2 日本銀行「全国企業短観調査」
 
執筆者:中西雅也(なかにし まさや)
酒井FP綜合事務所/お金工房わなび所属
 

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