更新日: 2019.07.01 その他暮らし

古物商の営業所は一つだけ!それでもわざわざ届け出なければならない?

執筆者 : 柘植輝

古物商の営業所は一つだけ!それでもわざわざ届け出なければならない?
2018年10月24日に改正古物営業法が施行されました。その内容の一つに「主たる営業所又は古物市場その他の営業所又は古物市場の名称及び所在地」(以下「主たる営業所等」)についての届出があります。
 
今回は、古物営業における主たる営業所等の届出についてご説明します。
 
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

古物商の営業所は一つだけ!それでもわざわざ届け出なければならない?

Aさんは10年以上古物商としてリサイクルショップを営んでいましたが、その間ずっと一つの店舗で営業を続けていました。しかし、古物営業法の改正により、主たる営業所について届け出なければならないと定められました。
 
ただ、Aさんは他に営業所を設けたことがないため、主たる営業所等の届出は必要ないと考えていました。さて、営業所が一つしかないAさんは主たる営業所等の届出は不要と考えても良いのでしょうか。
 

主たる営業所等の届出に営業所の数は関係ありません

結論から述べると、Aさんは主たる営業所等の届出をしなければなりません。なぜなら、改正後の古物営業法では主たる営業所等を定め、届け出なければならないとされているからです。
 
そして、旧法によって古物営業の許可を得ていた場合、主たる営業所等について届出をしないと、改正後の古物営業法に基づく許可を得ていることにはならないためです。(改正後の古物営業法3条、古物営業法附則第2条(平成30年4月25日)などを参照)
 
これは、他に営業所を一つも設けていない場合でも同様です。なお、主たる営業所とは営業の中心となる場所です。仮に本店と名乗っている営業所があったとしても、実際には別のBという店舗を中心に営業していた場合Bを主たる営業所として扱うこととなります。
 

届出をしないとどうなる?

主たる営業所等について届出をしなかった場合、無許可営業として扱われてしまいます。無許可での営業は3年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。(古物営業法31条1号)改正前に許可を得ていたからと、主たる営業所等の届出を怠ることのないようにしてください。
 

届出先や提出期限、費用はいくら?

主たる営業所等の届出先は、その主たる営業所などの所在地を管轄する都道府県公安委員会(つまり警察署)です。(古物営業法附則第2条1項(平成30年4月25日)))
 
届出の期限は改正法の一部施行日(平成30年10月24日)から改正法の全面施行日(公布の日から起算して2年を越えない範囲内において政令で定める日)までの間とされています。なお、この届出にかかる手数料は無料です。
 

必要な書類は?

届出にあたっては基本的に「主たる営業所等の届出書」のみです。届出書の配布は各都道府県警察のHPや警察署にて行われています。ただ、法人(株式会社など)が古物商の許可を得ている場合、必要となる書類が増えることがあります。
 

主たる営業所等の届出は早めに行いましょう

古物営業法が改正されたことで、古物営業法に基づく許可を得ているすべての事業者は新法に基づく許可を得るか、主たる営業所等の届出をする必要があります。期限までに届出をしていないと無許可での営業として扱われ、罰則の対象とされてしまうおそれがあります。
 
主たる営業所の届出をはじめ、古物営業法に基づく届出については、提出先となる警察署、あるいは古物営業に詳しい行政書士に相談すると良いでしょう。
 
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
 

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