公開日: 2020.01.29 暮らし

受験に勝つために、賢い塾代の掛け方を考えましょう

執筆者 : 石井美和

受験戦争といえば、古くは中国の科挙の試験から、受験する本人も親も、それどころか親類縁者まで悲喜こもごものドラマを繰り広げてきました。
 
最近は、偏差値40台から超難関有名私立大学に入学したギャルの奮闘が、人気女優さんを主役に据えて映画化されていたのも記憶に新しいところ。あの映画の主人公は個別塾に通っていたようです。
 
塾といえば親に重くのしかかる授業料が気になるところです。本当に効果が出ているのか? 通わせている塾の費用は高すぎないか? 集団の授業が良いのか? 個別のほうが良いのか? 後から後から湧く疑問をぐっとのみ込んでいる親御さんも多いのではないでしょうか?
 
そこで今回は、塾代にまつわるお金の話と、子どもの学力についての数字をご紹介します。
 
 
石井美和

執筆者:

執筆者:石井美和(いしい みわ)

中央大学法学部法律学科卒業。
20年に渡り司法書士・行政書士事務所を経営し、不動産登記・法人登記・民事法務・許認可などに携わる。また、保険代理店を併設。なお、宅建士、マンション管理士など複数の資格を保有。

石井美和

執筆者:

執筆者:石井美和(いしい みわ)

中央大学法学部法律学科卒業。
20年に渡り司法書士・行政書士事務所を経営し、不動産登記・法人登記・民事法務・許認可などに携わる。また、保険代理店を併設。なお、宅建士、マンション管理士など複数の資格を保有。

塾代はいくらが妥当?

文部科学省による子どもの学習費調査によると、平成30年度の子どもの学習塾費用は以下のようになっています(幼稚園を除く)。保護者が子ども1人当たりについて1年間に支出した費用です。
 

 
これは、子どもが通う学校の種別ごとに調査した結果で、興味深い数値が出ています。1つは、小学校に通う子の学習塾費用は、私立小学校に通う子どもを持つ家庭のほうが多く支出していることです。
 
これに対して、中学生を持つ家の学習塾費用を見ると、公立中学校に通う子どもの学習塾費用は、私立中学校に通う子どもの学習塾費用よりも多くなっています。この理由の1つとして、高校受験のための準備として子どもが学習塾に通う必要があるということが考えられます。
 
この表の数値は年間の支出額なので、公立中学校に通う子どもの学習塾費用は、月額に直すと1人当たり約1万7000円となります。例えば、英語・数学の2科目の授業を週に1回ずつ授業を受けることができる集団授業形式の塾に、子どもを通わせているご家庭が多いことが推測できます。
 
ただ、この数値はあくまでも一定のルールで計算した平均値です。子どもを月謝が高い個別塾に通わせたり、多くの授業を受けさせたりすれば、この額よりも高い学習塾費用が必要です。
 
親の期待とは裏腹に、お子さんにしてみれば「もっと遊びたい」「眠い」「何で塾に行かなければいけないの?」など不満もあるかもしれません。親御さんにしてみれば、「思うように成績が上がらない」「ただ通っているだけで復習をしない」など、塾と子どもの学力向上の関係、つまり「費用対効果」は悩みの種ですね。
 

日本の子どもの読解力の低下

費用対効果といえば、日本の子どもの多くが塾に通っている一方で、子どもたちの国語力は危機的な状況にあります。経済協力開発機構(OECD)による2018年国際学習到達度調査(PISA)で、日本の子どもの読解力が先進諸国の中でも下位の15位であることが発表されました。
 
特に著しいとされたのは、「長文読解力の低下」。その理由としてSNSやゲームの普及が一因とされる一方で、新聞や小説などを日頃から幅広く読んでいる子どもは、読解力が高いというのです。
 
しかし、日々遅くまで塾に通っていたら、長い小説を読む時間を取るのも難しいでしょう。
 
子どもにとって実は一番大切なのは「読書をする時間やきっかけ」を親が作ってあげられるかどうかではないでしょうか? 子どもに「難しそうだけど、一緒に読んでみようよ」と、文豪の本をプレゼントするのも読解力向上(+日本近代史の勉強)の一助となるかもしれません。
 
ちなみに、夏目漱石の「草枕」は比較的読みやすい約180ページの文庫本が大手出版社から刊行されています。また森鴎外の「高瀬舟」も、読みやすい長さの短編が数本収録された文庫本が出版されています。
 
実は、国語の試験に出題される部分はあくまでも小説の「切り取り」であり、塾の国語の授業では、その「切り取り」部分をいかに効率的に解釈する力を養えるかという「テクニック」を教えてくれます。しかし、これでは「底力」を養ってくれているかどうかは、わかりません。
 
「真の読解力を養わせてあげたい」「英語・数学だけではなく、塾の国語の授業も受けさせたいけれどこれ以上払えない」という場合、実は手頃な価格の本を子どもに読ませるのも、1つの解決策でしょう。
 

まとめ

塾は、いまや日本の受験社会においては、なくてはならない存在です。しかし、家計にも親御さんの精神的にも優しい範囲で、塾を利用するに越したことはありません。
 
お子さんの将来を考えるとなかなか思い切った決断は難しいとはいえ、一度「塾の棚卸し」をして、必要不可欠な回数と費用に絞ることを、親子で話し合ってみてはいかがでしょうか?
 
(参照・引用)
e-Stat「子供の学習費調査」
毎日新聞「PISAで読解力低下 長文に触れる機会作りを」
 
執筆者:石井美和

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