更新日: 2020.02.17 その他暮らし

自分の口座なのにお金が引き出せなくなる!? 休眠預金ってなに?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

自分の口座なのにお金が引き出せなくなる!? 休眠預金ってなに?
休眠預金についてご存じですか。休眠預金とは、銀行に預けてあり、10年間まったく取引がないお金のこと。一定期間が過ぎると、そのお金は預金保険機構に移されます。
 
自分に休眠預金があったらどうしたらいいのか、預金保険機構に移されてしまったらどうなるのか、この機会に知っておきましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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預金が休眠預金になるとき

2018年1月1日に休眠預金等活用法が施行されました。法律の内容は、2009年1月1日以降の取引から10年以上まったく取引がなかった預金は、預金保険機構に移管され、民間公益活動に活用される、というもの。
 
預金者等が名乗りをあげないままとなっている休眠預金等は、払戻額を差し引いても、 毎年700億円程度(平成26~28年度)にものぼるといわれています。
 
高額なお金を眠らせておくよりは、預金者等に払い戻す努力を尽くした上で、休眠預金等を広く社会に還元しよう、より良い社会にするために役立てよう、という趣旨でこの制度が始まりました。
 
取引とは、入金や出金などお金の出し入れ(異動)がなかった場合を指します。金融機関によっては通帳記入も異動とみなすことがありますが、各金融機関によって定義が異なるので要注意です。ご自身の預金の預け先のHPで確認してみましょう。
 
まったくない動きのない預金の額が1万円以上だった場合、各金融機関は預金者、つまり持ち主に連絡をします。それでも、出入金等がない場合や、預金者不明となった場合は、休眠預金とみなされ、預金保険機構に移管されます。
 
郵送やメールなど、金融機関も手は尽くして通知を行ってくれます。しかし、転居していて通知が届かない、連絡がつかない、また1万円未満の少額である、など条件が重なってしまうときは要注意です。「持ち主が不明で異動もない」とみなされ、休眠預金となってしまいます。

預金保険機構に移されたお金のゆくえは?

預金保険機構に移されたお金は、法律に基づき民間公益活動のために活用されます。2019年度は、公募で名乗りをあげた非営利の団体のなかから、一般財団法人 日本民間公益活動連携機構(JANPIA)が資金分配先の団体を選定し配分を行いました。
 
採択された団体は、JANPIAのHPの公募結果から見ることができます。医療や福祉にまつわる活動が多く、預金保険機構に移されたお金が世の中の役に立っていることが分かります。

休眠預金となったとしても

もし1万円未満の少額の預金を忘れていて、10年以上たってしまっていたら…。転居先への転送手続きを失念し、金融機関からの連絡もなく忘れ去っていた預金があったら…。この休眠預金は取り戻せないのでしょうか。
 
いいえ、金融機関の窓口で所定の手続きをすれば、「元金+利息」を引き出せます。休眠預金になっているかどうかは、通帳・証書や口座番号などの資料をそろえた上で、取引のあった金融機関に問い合わせてみてください。
 
休眠預金とみなされるのは、普通預金、定期預金、貯金、定期積金です。統合・提携などにより、名称が変わっている銀行もあります。その場合は、資料を用意してから現在(統合・提携後)の金融機関を調べて問い合わせるとよいでしょう。
 
金融機関の手続きで欠かせないのが印鑑です。いくつもお手元に印鑑がある場合、手続きの過程で、届出印と異なるものを押してしまう「印鑑相違」の壁にぶつかる場合が少なくありません。良い機会なので、口座開設で使用した印鑑はどれかを確認しておきましょう。
 
休眠預金とみなされた後も、手続きすれば持ち主の手元にお金が戻る仕組みではありますが、複数の口座を持っている方、不要な口座についてはできるだけ早めに整理することをおすすめいたします。
 
また、ご自分の口座を把握していても、年老いた親御さんの口座はいかがでしょう。古い通帳をたくさんお持ちかもしれません。預金者が存命で手続きできるうちにやるべきことはやっておきましょう。近日帰省される方、整理のチャンスではないでしょうか。
 
【出典】
金融庁「長い間、お取引のない預金等はありませんか?」
内閣府・金融庁「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律 説明資料 平成30年」
内閣府「民間公益活動促進のための休眠預金等活用」 
一般社団法人 全国銀行協会「休眠預金ってご存知ですか?」
一般財団法人 日本民間公益活動連携機構(JANPIA)「資金分配団体の公募」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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