最終更新日: 2020.04.02 公開日: 2020.04.04
暮らし

学費と生活費を賄える「新聞奨学金制度」ってどんな制度?選ぶ際のポイントとは

執筆者 : 新美昌也

地方の経済的に厳しい家庭の子どもにとって、自力で学費と生活費を賄える新聞奨学金制度は魅力的です。新聞奨学生の業務は一般的にかなりハードですので、業務内容を十分理解しないまま、この制度を利用するのはお勧めできません。
 
低所得者世帯の子どもを対象に、2020年4月から高等教育の修学支援新制度も始まりますので、無理して新聞奨学金制度を利用する必要もありません。
 
しかし、高等教育の修学支援新制度の対象となっていない学校に通う場合など、新聞奨学金制度を利用せざるを得ない場合もあるかもしれません。新聞奨学生の業務内容はもちろん、リスクについても事前に知っておきましょう。
 
 
新美昌也

執筆者:

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

詳細はこちら
新美昌也

執筆者:

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

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新聞奨学金制度の仕組み

新聞奨学金制度は、朝日奨学会、産経新聞奨学会、日本経済新聞育英奨学会、毎日育英会、読売育英奨学会、東京新聞奨学会が実施しています。
 
新聞の販売店などに住み込み、新聞配達などをしながら学校に通います。適用校、適用地区が限定されていますので、よく確認しましょう。
 
入学金、授業料、施設費、実習費、諸経費などの学費を無利子で借り入れ、卒業まで勤め続ければ、奨学金が充当され借入金は全額免除になります。なお、学費が奨学金の限度額を超えた場合は自己負担です。
 
卒業まで勤め続けるのは大変です。勤め上げれば大きな自信になりますが、中途退会の場合は、借入金残額の一括返済などが求められますので、安易な気持ちで新聞奨学金制度を利用するのは控えましょう。
 
学費の貸与のほかに毎月給与も支給されます。給与は働き方(集金業務の有無など)によって差があります。年2回の特別手当が支給される場合もあります。また、部屋代無料の個室も用意されています。通学交通費の補助がある場合もあります。
 
業務中のケガの場合は労災保険が適用され、経済的な負担はありません。業務外の病気の場合は親の健康保険を利用するか、国民健康保険に加入する必要があります。卒業時には、卒業記念旅行の(4年制大学)への招待や、卒業記念祝賀会への参加、就職推薦書の発行などの特典があります。
 
働きながら学業と両立するのは大変ですが、新聞奨学金制度には学費と生活費の両方を工面できるという大きなメリットがあります。

【新聞奨学金制度の例】

読売育英奨学会の場合
〇勤務体制
Aコース:1日平均6時間
Bコース:1日平均5時間未満(集金なし)
 
〇奨学金
Aコース:4年制520万円(最大)
Bコース:4年制440万円(最大)
 
〇給与(2019年4月首都圏実績)
Aコース:17万6784円
Bコース:13万56円
 
〇休日
4周6休
有給休暇:初年度10日間
 
〇適用地域
東京地区(札幌・仙台含む)、中部(愛知)地区、京阪神(大阪)地区、福岡地区

業務内容は?

基本的な業務は、朝・夕刊の配達、チラシの折り込み、集金や新聞の勧誘などの付随業務等です。チラシの折り込みや月末、月初の集金などの付随業務がありますので、クラブ活動は難しいかもしれません。
 
配達には販売所で用意するバイクを使います(一部自転車区域あり)ので、入会までに原付バイクの取得をお勧めします。集金は月末、月初の週末に集中して行います。最近は口座振替・クレジット決済も普及しています。
 
細かい業務内容は販売店により異なりますので、よく確認しましょう。

【1日のスケジュール例】

午前2時頃 起床
午前2時~3時頃 朝刊へのチラシ折り込み
午前3時頃 朝刊配達
午前6時頃 配達終了
午前6時~8時頃 朝食・自由時間
午前8時頃 学校へ
午後3時頃 夕刊配達
午後5時頃 配達終了
午後5時~8時頃 夕食・翌朝の新聞のチラシの準備
午後9時~10時頃 就寝

適用校は?

大学・大学2部・専門学校・各種学校・予備校などです。適用校は新聞奨学会によって異なります。上記で見たように新聞奨学生の業務は時間の制約がありますので、学校、学科によって奨学金制度が適用にならない場合があります。
 
例えば、医歯薬看護介護、臨床検査、放射線、医療、福祉関係、保育関係、海洋水産系、芸術系学部、体育系学部や実習・研修旅行などで、長期間休まなければならない学校や、授業の関係で夕刊業務ができない場合は原則奨学金制度が適用されません。

奨学会の選び方

進学を希望する学校・学科等が適用校か、適用地域にあるのか、まず確認しましょう。どの奨学会でも適用校である場合、業務内容を比較しましょう。
 
各奨学会の勤務体制の組み合わせは、基本的に
(1)朝刊・夕刊・集金あり
(2)朝刊・夕刊・集金なし
(3)朝刊・集金あり
の3パターンです。
 
新聞の読者層にもよりますが、集金は意外に時間を取られます。何回も訪問しないと集金できない購読者もいますので、できれば集金は避けたいものです。
 
また、夕刊も授業のカリキュラムを組む時の制限になりますので、こちらもできれば避けたいところです。ただし、夕刊がないコースがあるのは産経新聞奨学会や東京新聞奨学会に限られています。
 
注目すべきは産経新聞奨学会です。朝刊のみ・夕刊なし・集金なしのコースがあります。奨学金は最大360万円(4年間)と他のコースに比べ少ないですが、学業に力を入れたい人には良いコースといえます。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー

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