最終更新日: 2020.04.27 公開日: 2020.04.28
暮らし

いざというときのために知っておきたい! 年金が生活最低費に満たない場合、どうなるの?

執筆者 : 遠藤功二

自営業をされている方やフリーランスの方の公的年金は厚生年金がなく、国民年金のみとなります。国民年金の年間の受取金額は、20歳から60歳までの40年間、全期間納付したとしても現在の制度では年間約78万円にしかなりません。
 
国民年金だけでは最低生活費に満たない場合、どのような制度を活用できるのでしょうか?その答えは「生活保護」制度です。この記事では生活保護の利用条件や受け取れる金額について述べていきます。
 
 
遠藤功二

執筆者:

執筆者:遠藤功二(えんどう こうじ)

1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)

三菱UFJモルガン・スタンレー証券とオーストラリア・ニュージーランド銀行の勤務経験を生かし、お金の教室「FP君」を運営。
「お金のルールは学校では学べない」ということを危惧し、家庭で学べる金融教育サービスを展開。お金が理由で不幸になる人をなくすことを目指している。

詳細はこちら
遠藤功二

執筆者:

執筆者:遠藤功二(えんどう こうじ)

1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)

三菱UFJモルガン・スタンレー証券とオーストラリア・ニュージーランド銀行の勤務経験を生かし、お金の教室「FP君」を運営。
「お金のルールは学校では学べない」ということを危惧し、家庭で学べる金融教育サービスを展開。お金が理由で不幸になる人をなくすことを目指している。

詳細はこちら

生活保護制度とは

厚生労働省は生活保護制度の目的を以下のように示しています。
 
「生活保護制度は、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としています。」(※1より引用)
 
生活保護の支給金額については「最低生活費」を基準として計算を行います。最低生活費の計算には居住地・世帯人数・年齢・その他(母子家庭・障害の有無)、持ち家有無、子供の有無などで金額が変わります。
 
ご自身の置かれた環境によって支給金額が変わりますのでお近くの福祉事務所までお問い合わせください。

生活保護金額の例

最低生活費について具体的に金額を例示します。*平成30年10月時点
 
■高齢者夫婦世帯(68歳・65歳)
東京都区部などの場合
生活扶助額 12万410円
 
地方郡部などの場合
生活扶助額 10万190円
 
■高齢者単身世帯(68歳)
東京都区部などの場合
生活扶助額 7万9550円
 
地方郡部などの場合 
生活扶助額 6万5500円
 
生活扶助基準額の算出を行う際の最低生活費の計算では、子供がいる家庭の場合は入学準備金・教材費の実費などが認定されています。
 
また、現役世代の場合、子供以外にも妊娠した家族がいる場合は一般生活費として妊産婦加算などもあります。臨時的な費用としては、被服費・家具什器費・移送費なども認められています。このほかに、医療費・介護費・出産費・葬祭費などが一定の基準で認定されます。

生活保護の手続き

生活保護の相談・申請窓口は、居住地域を所管する福祉事務所の生活保護担当になります。実際の手続きは、以下のフローになります。

【生活保護受給までの手続きフロー】

(1)事前の相談
・制度の説明、各種社会保障施策などの紹介や助言
 
(2)保護の申請
・預貯金、保険、不動産などの資産調査
・扶養義務者による扶養の可否の調査
・年金などの社会保障給付、就労収入などの調査
・就労の可能性の調査
 
(3)保護費の支給
・最低生活費から収入を引いた額を支給
・訪問調査、収入・資産などの届出の受理
・就労指導
 
このように、一般的に生活保護を受けるためには、扶養義務者の有無、資産や収入の有無、就労の可否といった優先的に利用できるものがないかを調査されます。保護が決まると、保護費は毎月初めに銀行口座に振り込まれるか、福祉事務所または町村の窓口で現金を支給されます。
 
65歳以上の方は、一般的に就業可能な年齢を超えてしまっているので、上記フローの中で就労を強く勧められるケースは原則ないと考えられます。

生活保護制度を取り巻く環境

生活保護制度は最低限の生活を送るため憲法で定められた国民の権利であり、セーフティネットです。
 
一方、現在の生活保護受給者の約47%が65歳以上であることは、社会問題となっています。日本は少子化、高齢化が続いており、社会保障の支え手よりも受け手が増加している状況です。
 
今の現役世代の方々が老後を迎える頃には、社会保障制度の崩壊を防ぐ目的で年金受給開始年齢や定年年齢の引き上げが行われ、60代や70代でも就労が求められる可能性は捨てきれません。老後の準備は、生活保護を当てにせず、自己責任で行う必要があります。
 
もし、現在日々の収入が低く、国民年金保険料の支払いが難しい方は未納ではなく「保険料免除制度」の活用を検討ください。

保険料免除制度とは

「所得が少なく本人・世帯主・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下の場合や失業した場合など、国民年金保険料を納めることが経済的に困難な場合は、ご本人から申請書を提出いただき、申請後に承認されると保険料の納付が免除になります。免除される額は、全額、4分の3、半額、4分の1の4種類があります。」(※2より引用)
 
また、個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入することで、現役時代の所得税を減らし、老後の年金資産準備を行うことができます。制度を知り、一歩一歩将来を見据えた準備を行っていきましょう。
 
(出典・参考)
厚生労働省 「生活保護制度」(※1)
厚生労働省 「生活保護制度の概要等について」
厚生労働省 「生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法」
日本年金機構 「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」(※2)
iDeCo 公式サイト
 
執筆者:遠藤功二

関連記事

本当に困ってしまった時に! 知っておきたい生活保護制度の仕組み
生活保護世帯への支援が注目!?どう変わるのか
生活保護とは違う生活困窮者自立支援制度とは?暮らしぶりを覗いてみた
 



▲PAGETOP