更新日: 2020.07.20 その他暮らし

パートで生計を立てている母子家庭でも賃貸アパートの契約はできますか?

執筆者 : 柘植輝

パートで生計を立てている母子家庭でも賃貸アパートの契約はできますか?
パートやアルバイトなど非正規の雇用で生計を立てている母子家庭では、アパートの契約が難しいといわれることがあります。
 
実際のところ、パートやアルバイトで生計を立てていると、賃貸アパートの契約はできないのでしょうか?
 
今回はこの問題について、賃貸契約の実情を交え、その対策とともにお伝えしていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

パートの母子家庭では賃貸アパートの契約が難しいといわれることがあるのはなぜ?

パートで生計を立てている母子家庭でも、賃貸アパートの契約をすることは可能です。
 
ただし、正社員などで安定した収入を得ているような場合に比べると、アパートの契約のハードルが上がるというのも事実です。
 
なぜなら、賃貸アパートは、アパートごとに大家さんや管理会社などによって独自の入居審査があり、職業や収入の安定性、家族構成などが審査項目とされるからです。
 
一般的にパートで生計を立てていると収入が低く、不安定にもなりがちなため、審査においてはその点がネックとなってしまうのです。
 
そういった事情から、パートやアルバイトで生計を立てている母子家庭では、賃貸アパートの契約が難しいといわれるのです。
 

アパートの契約のためにできる対策は?

パートで生計を立てている母子家庭であっても、次のような工夫をして物件探しをすることで、賃貸アパートの契約をすることができます。
 
・不動産会社に事情を相談して条件に見合う物件を探してもらう
・初期費用を貯めておき、通帳のコピーを提出できるようにしておく
・連帯保証人を用意しておく
・収入の安定している親や親戚に契約してもらう
 
特に物件探しにおいて、不動産会社に状況を説明して相談しておくことは非常に重要です。
 
パートで生計を立てる母子家庭に理解のある物件を探してくれたり、希望する物件に入居できるよう交渉してもらったりすることもできるからです。
 
どうしても自分の名義ではアパートの契約ができない場合は、親や親戚の名義で契約するというのも手です。
 
その場合は、必ずその旨を不動産会社に相談してください。
 
無断でそれを行ってしまうと、規約違反として退去を求められてしまう可能性があります。
 
特に小さい子どもがいるような場合には、なおのこと注意が必要になります。
 

保証人が立てられなくても大丈夫

現在では、連帯保証人に代えて賃貸保証会社を利用することができる賃貸アパートも増えてきています。
 
保証人が立てられないからと、物件の契約を諦めてしまう必要はありません。
 
ただし、賃貸保証会社には審査があり、会社ごとに審査の基準が異なっているため、申し込んだら必ず保証会社を利用できるというわけではないのです。
 
仮に賃貸保証会社の審査に通らなくても、別の会社なら審査が通りアパートの契約ができるということもあるので、心配ならばその点についても不動産会社に相談しておくとよいでしょう。
 
なお、保証人が立てられないことが最初から分かっているのであれば、早い段階で不動産会社にそのことを伝えておき、賃貸保証会社を利用する方向で話を進めていくと、契約までスムーズに事を運ぶことができます。
 

入居しやすい物件の特徴は?

どうしても審査に不安が残るという場合は、例えば下記のような入居しやすい物件を選ぶという手も有効です。
 
・法人でなく個人が管理している
・生活保護や子連れでの入居がOKとなっている
・空室期間が長い
・築年数が古い
・駅から遠い
 
上記のような物件は競争率が低く、審査もさほど厳しくならないため、パートで生計を立てており、子どもを連れての入居となっても、比較的審査に通過する可能性が高いです。
 
また、そういった物件は家賃が安く、生活費を抑えることにもつながります。
 

不安があれば最寄りの市区町村役場に相談を

パートで生計を立てる母子家庭など、単身で子育てをする世帯に対する支援は年々厚くなってきています。
 
国の制度以外にも、自治体では独自の相談窓口を設置していたり、家賃の補助や公共料金の減免といった制度を設けていることもあります。
 
少しでも不安があれば、すぐにでも最寄りの市区町村役場に連絡し、相談窓口に取り次いでもらい、相談するとよいでしょう。
 
執筆者:柘植輝
行政書士