公開日: 2020.07.30 暮らし

駐車場用に貸している土地の契約を解除したいが、借主が借地権を主張。どうすればいいですか?

執筆者 : 柘植輝

使い道がなく遊ばせている土地を駐車場にすることは、資産運用のよくある手法の一つでしょう。そこで今問題になっているのが駐車場を他の用途に転用する場合です。
 
地主と契約者との関係は、法律上どのように規定されるのでしょうか?
 
柘植輝

執筆者:

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。
広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

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柘植輝

執筆者:

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

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駐車場を転用したいが借主との関係に悩むAさん

Aさんは、相続によって広大な土地を手に入れたものの、持て余していました。そこで、土地を有効利用するため、いわゆる青空駐車場としてBさんに貸し出していました。
 
何度か契約の更新を繰り返してきたある日、AさんはBさんに対して「次回の更新を最後に、駐車場としての契約を終わりにしたい」と述べました。すると、Bさんは借地権が存在することを理由に、契約は更新するべきだと主張しました。
 
さて、Bさんの主張通り、Aさんは契約を更新せざるを得ないのでしょうか?
 

Bさんの主張する借地権ってどんな権利?

まず、Bさんが主張する借地権について解説します。借地権とは、建物を所有する目的で土地を借りた場合に生じる権利で、借地借家法上に規定されています(借地借家法第1条)。
 
借地権は、借地借家法の適用を受け、契約の更新が原則であるなど一般的な賃貸借よりも借り手側の保護が厚くなっている権利となります(借地借家法第6条)。
 

Aさんは契約を解除することができる

結論から申し上げると、Aさんは次回の契約更新を最後に、駐車場として貸している土地の賃貸借契約を解除することができます。なぜなら、先にも少し触れた通り、借地権は建物所有を目的とした場合に成立するものであり、建物ではない青空駐車場には成立しないからです。
 
賃貸借は、契約を更新することができるとはいえ、あくまでも更新ができるのは貸し手と借り手双方の合意が前提です。民法の基本原則に従えば、双方で意見が合致せず、それにより更新をしないというのは至極自然な流れなのです。
 
AさんとBさんとの間で結ばれた土地の賃貸借契約は、駐車場としての利用を目的としており、建物の所有を目的としていません。そうなれば当然、借地権も成立しません。借地権が成立しない以上、更新は原則とはならず、更新しない理由が別の用途で使いたいという貸主側の都合でも問題ないのです。
 
もし、これが契約期間の途中であり、Aさんから一方的に契約の解除を申し入れたという場合は契約違反となります。
 
しかし、今回はそういった事情もありません。そのため、Aさんの申し入れ通り、次回の更新を最後に契約が終了するという結論となるのです。Bさんにとっては残念な結果になりますが、次回の契約を最後になることを説明し、理解をいただくことになります。
 

もし期間の定めがなかったら…?

では、少し事情が変わり、AさんとBさんとの間に契約期間の定めがなく、突然Aさんが来月で契約を解除したいと申し出た場合はどうでしょうか?
 
この場合、Aさんの主張は認められず、申し出の日から1年経過後に契約が終了することになります。契約期間の定めのない土地の賃貸借の場合は、解約の申し入れから1年を経過することによって契約が終了すると規定されているからです(民法617条)。
 

駐車場の賃貸借契約は条件をしっかりと確認すること

駐車場としての土地の賃貸借には、借地借家法上の借地権が成立せず、一般的な土地の賃貸借契約として処理していくことになります。
 
ただし、契約の内容によっては、借地権が成立しないまでも、契約の更新をしないことや契約の解除が認められにくいこともあります。無用なトラブルを避けるためにも、土地の賃貸借においてはしっかりと契約内容を取り決め、貸主と借主双方で相手を思いやり、契約を遵守することが求められます。
 
[出典]
※電子政府の総合窓口e-Gov「借地借家法」
※電子政府の総合窓口e-Gov「民法」
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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