更新日: 2020.10.09 その他暮らし

赤ちゃんがいる家庭の備蓄・災害対策は? 便利な液体ミルクは価格でつまずく人も

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

赤ちゃんがいる家庭の備蓄・災害対策は? 便利な液体ミルクは価格でつまずく人も
いざというときのための備蓄や防災は、家族構成によって変わるもの。
特に、大人と同じようにはいかない小さなお子さんがいる家庭は、お子さん用の備蓄や対策が必要になります。
自分で動けず大人と同じものが食べられない赤ちゃんがいる家庭は、どのような備蓄・防災を心がけるべきなのでしょうか。
 
今回は、株式会社 明治が発表した「乳幼児ママ・プレママの備蓄・防災に関するアンケート調査2020」の結果(※1)を紐解いてみましょう。
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災害時の授乳、どうする?赤ちゃん用品の備蓄実情

この調査は、日本全国の乳幼児ママ・プレママ(第一子妊娠中、または末子年齢が2歳未満)を対象に行われたもの。
 
大人と同じものが食べられない赤ちゃんについては、離乳食やミルクが必須。災害時には、どのような懸念事項があるのでしょうか。
 
【災害時における授乳についての不安(複数回答)】
1位:哺乳瓶を洗浄できず、使えなくなる 55.1%
2位:調乳に適した安全な水を調達できなくなる 54.6%
3位:避難所で多くの人がいる中で母乳を与えることはストレスになる 53.1%
4位:調乳に必要なお湯を入手できなくなる 52.7%
5位:避難所で粉ミルクや液体ミルクの備蓄がなく、赤ちゃんに与えられない 44.9%
6位:避難所の粉ミルクや液体ミルクの備蓄が十分になく、赤ちゃんに与えられない 42.4%
7位:災害のショックやストレスで通常よりも母乳の出が悪くなる 41.3%
 
半数以上の人が、「哺乳瓶が洗えなくなる」「調乳に適した安全な水やお湯が調達できなくなる」「知らない人がたくさんいる中で母乳を飲ませるのがストレスになる」と考えていることがわかります。
 
また、4割ほどの人は「避難所に粉ミルクや液体ミルクの備蓄があるかわからない」ことも不安要素になっているようです。
 
実際に、自宅に備蓄している乳幼児用品はどのようになっているのでしょうか。
 
【現在、災害時用に備蓄している乳幼児用品】
1位:おしりふき 61.6%
2位:紙おむつ 44.2%
3位:離乳食 17.1%
4位:哺乳瓶 16.8%
5位:粉ミルク(缶入り)16.1%
6位:粉ミルク(キューブ型) 14.2%
7位:液体ミルク 13.2%
8位:粉ミルク用の水 12.9%
9位:子ども用の薬 10.0%
10位:使い捨ての哺乳瓶 7.7%
 
順位はこのような結果に。多くの家庭で、おしりふきと紙おむつの備蓄は進んでいることがわかります。
 
いっぽうで、赤ちゃんの栄養源である離乳食や粉ミルク、液体ミルクの備蓄は2割を切っているという状況に。大人と同じものが食べられない赤ちゃんの栄養源だからこそ、日頃からの備えも重要といえるでしょう。
 

災害時に便利な液体ミルクの普及率は? 値段がネック?

先ほどのアンケート結果でも、半数以上のママが調乳用の水やお湯の調達ができなくなることを不安に感じていました。
では、調乳の必要がなくそのまま飲ませられる液体ミルクの普及率はどうなっているのでしょうか。
 
【液体ミルクの認知度・購入経験率】
・今現在、使用している      3.9%
・知っていて購入したことがある 17.6%
・知っていた          60.4%
・知らなかった         18.1%
 
8割以上の人が、液体ミルクの存在を知っているという結果に。しかし、実際に買ったことがある人は2割ほどでした。粉ミルクより断然便利なのにも関わらず、そこまで使っている人が多くないというのはなぜなのでしょうか。
 
株式会社ベビーカレンダーが発表した「『乳児用液体ミルク』に関するアンケート調査」の結果(※2)によると、ママたちが思う液体ミルクのデメリットは以下のとおり。
 
【乳幼児用液体ミルクはどんな点がデメリットだと思いますか?(複数回答)】
1位:価格が高い 74.7%
2位:飲み残しを捨てなくてはいけない 68.5%
3位:量が中途半端 50.1%
4位:慣れない味や温度で赤ちゃんが飲んでくれないことがある 38.3%
5位:どこでも手に入るわけではない 35.0%
 
8割近くの人が、価格の高さをネックに挙げています。
 
国産の液体ミルクの価格は、一般的な有名メーカー品では1本125mlから240mlで200円ほど。一般的な育児用ミルク(粉ミルク)では1缶800gで2500円ほど。1回分を200mlとした場合、1缶で約30回分のミルクを作ることができ、1回あたりの価格は約83円となります。このように比較すると、液体ミルクは割高だと感じるママが多いことも納得できます。
 
調乳の手間をお金で買うと考えると、粉ミルクと比べて液体ミルクのほうが高価になるのは仕方ないことなのかもしれません。
また、一度開けると保存が利かないため、飲み残しは捨てなければならないところにコスパ的に引っかかる人も多いようです。
 
たしかに、日常的に使うのには不便な点もあるかもしれませんが、常温保存もできそのまま飲ませられるメリットを考えると、いざというときのための備えとして活用できそうです。
ローリングストックを心がけ、賞味期限が近づいたらお子さんに飲ませたり、離乳食に活用したり、牛乳代わりに料理に使ったりと、無駄なく消費できますね。
 
小さいお子さんのいる家庭は、紙おむつやおしりふきのほか、粉ミルク、液体ミルク、離乳食などお子さんの栄養源も日頃から備蓄しておくことを検討してみてはいかがでしょうか。
 
[出典]
※1 株式会社 明治「乳幼児ママ・プレママの備蓄・防災に関するアンケート調査2020を実施」(株式会社共同通信ピー・アール・ワイヤー)
※2 株式会社ベビーカレンダー「『乳児用液体ミルク』に関するアンケート調査」(株式会社 PR TIMES)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部


 

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