公開日: 2021.01.06 暮らし

危機の時に必要な「相談する勇気」

新型コロナの陽性者数増加に伴い、再び時短営業等の自粛要請がある地域も出てきました(2020年11月現在)。
 
新型コロナの感染に対する不安はもちろん、経済的に厳しくなる人が増えてしまうことも心配ですね。すでに1年近く実質的な外出自粛が続きなどして、多くの家計は疲弊しています。
 
こうした中で大切なのは、経済的に追い詰められる前に「相談する勇気」です。
 
波多間純子

執筆者:

執筆者:波多間純子(はだまじゅんこ)

㈱bloom代表。ファイナンシャル・プランナー(CFP(R)),キャリアコンサルタント

「お金しだい」の人生から「自分しだい」の人生への選択をサポート。家計相談28年、相談件数4,000件超。家計相談と合わせて、その方の才能や適職を診断し潜在能力を高める「咲かせようじぶん資産」をテーマに個人セッションとワークショップを開催。
 
http://bloomfp.com/
YouTube『お金 FP 動画チャンネル bloom channel』

波多間純子

執筆者:

執筆者:波多間純子(はだまじゅんこ)

㈱bloom代表。ファイナンシャル・プランナー(CFP(R)),キャリアコンサルタント

「お金しだい」の人生から「自分しだい」の人生への選択をサポート。家計相談28年、相談件数4,000件超。家計相談と合わせて、その方の才能や適職を診断し潜在能力を高める「咲かせようじぶん資産」をテーマに個人セッションとワークショップを開催。
 
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相談することでもたらされること

相談するということは、避けていた現状と向き合うこと、自分の弱みを他人にさらすことですから勇気が必要です。しかし、その勇気を振り絞った分、得られるものがあります。
 
それは、
(1)自分以外の知恵を得て解決策にたどり着ける
(2)行動に移す

です。
 
相談することで解決の糸口が見え、行動に移せなかったことを前に進めることができるかもしれません。ひとりで行き詰まってしまったら、現状を打開するため相談することは必要ではないでしょうか。
 

大きな借入金にめどをつける

家計が崩れる経過の一例として、

  • 大きなお金が払えなくなる(例:住宅ローンや教育費)
  • カードローンなど小口の借入金を複数借りてしのぐ
  • 返済に行き詰まる

ということがあります。
 
小口の借入等で表面上は日常生活が続きますが、対処は遅れるほど立て直しに時間がかかり、精神的な負担も大きくなっていくかもしれません。
 
こういった場合は、借入先の金融機関などに相談するとよいでしょう。住宅ローンの支払いや奨学金は、専用の窓口で返済への相談を受け付けており、返済方法の見直しにより、当面の返済額の軽減を図ることができる可能性があります(一定条件あり)。
 
例えば、住宅金融支援機構や日本学生支援機構では、以下のような窓口を設けています。
 
●住宅金融支援機構「新型コロナウイルス感染症の影響により機構の住宅ローンのご返済にお困りの方へのお知らせ」(※1)
●日本学生支援機構「返還が難しいとき」(※2)

 
借入先に相談をすると、対処法が見つかるかもしれません。まずは、連絡してみましょう。
 

複合的な悩みは地域の市町村の福祉窓口へ

対応が遅れ放置してしまうと、金銭問題は複雑化します。
 
例えば、住宅ローンの滞納が続くと一括返済を迫られ、家の売却も視野に入れなくてはなりません。仮に売却代金で住宅ローン残高が相殺できても、新たな家を探すことになります。
 
さらに、状況を悪化させる例として、このような状況で職を失ったり、減給になってしまったりすると、生活は立ち行かなくなります。
 
複合的な要因で問題が複雑になっている場合、まとめて解決の道筋をつけてくれる機関への相談が適切です。それが国の「生活困窮者自立支援制度」に基づいて、各市町村が設置している窓口です。地域によって窓口の名称は異なりますが、社会福祉協議会などが運営しています。
 
こちらの制度は、従来の困窮家計対策で設けられているものですが、コロナ禍での緊急対策も併せて知ることができます。
 
■生活困窮者向け支援制度の内容
具体的な内容は、

<家計の補助>
○住宅確保給付金の支給…家賃相当額を支給
○家計相談支援事業…家計の立て直しをアドバイス
○就労サポート…就労支援員による就職活動のサポート
○就労訓練…すぐに就労が難しい方にあった訓練の提供
○就労準備支援…日常生活と社会生活の自立をサポート

 
その他、ネットカフェ等不安定な居住形態の方へ、一定期間宿泊場所や衣食の提供をしたり、小学校4年から高校生までの生徒を対象とした学習支援などがあります。
(※上記の一部支援メニューには収入·資産等の要件あり)
 

支援制度が複雑化

さらに従来の制度に加えて、今年に入り新型コロナの緊急支援対策が合わさり、支援策が増えています。
 
選択肢が増えるのはよいのですが、制度にたどり着くまでに時間がかかる可能性があります。また、緊急の支援制度の多くは時限措置のため、タイミングを逃してしまうことも考えられます。
 
さらに、こうした問題を抱える方の中には、介護や育児で家族の世話をしなくてはいけなかったり、ひとり親などで収入面等が困難な状態だったりする方もいらっしゃるでしょう。
 
こういったことも併せて相談することで、介護保険やひとり親家庭の支援につなげてもらうこともできるかもしれません。
 

相談する勇気を持とう

「相談しても解決できない」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、第三者に話すだけで自分の現状の整理につながる可能性はあります。また、誰かに悩みを話すことで心が軽くなるかもしれません。
 
それでも、「お金のことを相談するのが恥ずかしい」「プライドが許さない」など葛藤を持つ方もいらっしゃると思います。自分のことは自分で何とかすべきと考え、ぎりぎりまでひとりで頑張っている方もいらっしゃるでしょう。
 
筆者は、困窮している方の家計と就労支援に携わった経験がありますが、多くの方が「頑張りすぎて」メンタルが壊れるまで追い詰められていました。無理をして、生活だけではなく心身を壊してしまっては、元も子もありません。
 
つらいときはつらい、弱ったときは弱ったと口に出す、つまり誰かに相談すると、解決への糸口を見つけられるかもしれません。弱さをさらけだせる人が本当に強い人ではないかと筆者は思います。ぜひ、勇気を持って相談してください。
 
(※1)住宅金融支援機構「新型コロナウイルス感染症の影響により機構の住宅ローンのご返済にお困りの方へのお知らせ」
(※2)日本学生支援機構「返還が難しいとき」
 
執筆者:波多間純子
㈱bloom代表。ファイナンシャル・プランナー(CFP(R)),キャリアコンサルタント

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