最終更新日: 2021.03.09 公開日: 2021.03.10
暮らし

東日本大震災から10年。震災前後の石巻市の人口増減とは

執筆者 : 松浦建二

東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生してから10年がたちました。ここ1年は新型コロナウイルス感染症のことで頭がいっぱいですが、近い将来大きな地震が発生する可能性が高いことに変わりはありません。
 
首都直下地震や東南海・南海地震が発生した時、都市の人はどうなるのか、今回は東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市を例に、人の動きを確認してみました。
 
あなたの命と財産をも守るために、改めて10年前に起きたことを思い出し、明日への備えをしておきましょう。
 
松浦建二

執筆者:

執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/

松浦建二

執筆者:

執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/

石巻市の人口は震災後9年で12%も減少

東北地方太平洋沖地震のような大地震が発生すると、住家が壊れたり仕事に影響が出たりして、住み替えをする人の大移動が起きます。宮城県第2の都市・石巻市の場合、まずは人口にどのような変化があったのか確認してみました。
 
下記のグラフは、石巻市を本庁および10支所の地域に分けて、2005年から2019年まで15年間の人口の変化率を表したものです。各年の人口は9月末日現在で、地震のあった2011年3月11日より前の2010年9月の人口を基準(100%)にしています。
 

 
2005年から2010年にかけては、蛇田支所以外は足並みをそろえて徐々に人口が減少していました。しかし、地震が起きた後は、支所ごとに異なる極端な変化が起きており、グラフにすると掃除道具のほうきのような形になっています。
 
例えば、雄勝総合支所の地域では、2019年に2010年比で28%(72%減)まで人口が激減しています。もともと人口減少が激しい地域でしたが、震災により減少のスピードが加速してしまったようです。一方で、震災前に唯一人口が増えていた蛭田支所の地域は、2010年比で36%も増えています。
 
震災後に人口が増えた地域は他に2つありますが、人口が減少している時代の流れには勝てず、最近は減少に転じています。石巻市全体では震災後の9年間で12%も人口が減少しています。なお。石巻市内の仮設住宅は2020年1月にすべての入居者が退去し解消しています。
 

石巻市の世帯数は震災後いったん減るものの大きな変化はない

次に石巻市の世帯数の変化についても支所ごとに確認してみました。
 

 
再びほうきのようなグラフが出来上がりました。2005年の段階では2010年比で90.2%から104.1%の範囲にすべての支所が入っていますが、5年後の2015年は56.5%から153.1%まで、支所によって増減に非常に大きな差ができています。
 
2019年には37.6%から149.3%へ支所ごとの差がさらに広がっています。石巻市全体では世帯数に大きな変化はないので、市内でもより安全な場所へ大移動しているのではないでしょうか。
 
石巻市に限ったことではないですが、人口と世帯数は基本的に比例しているものの、核家族化によって世帯当たりの人数が減少しているため、減少のスピードは人口より世帯数のほうが緩やかになっています。
 

石巻市は地震で転出者が急増

さらに、地震前後の2010年・2011年(平成23年)・2012年の人口動態を確認してみました。各年の数値は1月~12月の合計値です。
 

 
自然動態では、出生数は2011年がわずかに少なく、死亡数は2011年が極端に多くなっています。震災により他の市区町村へ移住して出産したり、出産計画を延期したりした人がいたのではないでしょうか。死亡数の激増は石巻市で多くの人が地震の犠牲になったことを表しています。心からお悔やみ申し上げます。
 
社会動態では、石巻市への転入者数に変化はほとんど見られませんが、転出者数は2011年に前年の2倍以上になっています。家が壊れた人や仕事に変化のあった人が多く転出していったのでしょう。
 

石巻市で震災後にアメリカ人とフィリピン人が増加、中国人が減少

最後に、石巻市に住んでいた外国人の動きを確認してみました。下記のグラフは、石巻市の外国人登録者数の推移を支所ごとに分けて、2006年から2020年まで15年間の変化率を表したものです。各年の登録者数は3月末日現在で、地震のあった2011年3月11日より前の2010年3月末の登録者数を基準(100%)にしています。
 

 
石巻市全体の外国人登録者数を2010年と2020年で比べると、812人から1313人へ大幅に増えています。震災直後は多くの外国人が石巻市を離れて、2012年には490人まで減りましたが、その後は8年連続で増えています。
 
国籍別ではアメリカ国籍が18人→39人、フィリピン国籍が68人→148人へ増えている一方で、中国国籍は473人→180人、韓国・朝鮮国籍も129人→102人へ減っています。実数ではその他の国籍が117人→836人へ大きく増えています。
 
日本人が減っている状況でなぜ外国人登録者数が増えているのか、なぜ国籍による増減に違いが出ているのかはわかりませんが、日本人以上に地震によって大移動しています。
 
近い将来、首都直下地震や東南海・南海地震が起きて、首都圏や東海地方が被災するかもしれません。その時にはこれらの地域に住む外国人も同じように被災するでしょう。ともに避難生活を強いられるとしたら、どのようなことが起きるのでしょうか? どのようなサポートができるのでしょうか?
 
平和な今のうちに、もしもの時のための緊急資金を準備しておくと良いでしょう。また、地震保険の加入・見直しのみならず、自身が入院や通院などをすることになった時に備え、医療保険などの加入・見直しも考えておきたいものです。過去の経験を活かして、日頃から地震への備えをしておきましょう。
 
執筆者:松浦建二
CFP(R)認定者
 

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