公開日: 2021.03.11 暮らし

ひとり親家庭の優遇制度。子どもの大学進学にはどんな制度ある?

執筆者 : 新美昌也

ひとり親家庭に対しては、さまざまな優遇制度があります。ここでは、ひとり親家庭が大学進学に使える主な優遇制度について解説します。
 
新美昌也

執筆者:

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

新美昌也

執筆者:

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

ひとり親控除

ひとり親であるときは、一定の金額の所得控除を受けることができます。これをひとり親控除といいます。令和2年分の所得税から適用されています。合計所得金額が500万円以下などの条件があり、これらの条件を満たすと申請により35万円の所得控除を受けることができます。
 
2020年4月に進学・進級する学生から、経済的理由で大学・専門学校への進学をあきらめないよう高等教育の修学支援新制度が始まりました。収入基準(住民税非課税世帯およびそれに準じる世帯)、資産基準、学力基準を満たしていれば対象になります。学力基準は、成績だけで判断せず、「学ぶ意欲」があれば支援を受けることができます。
 
また、給付型奨学金の対象となれば、申請により大学・専門学校等の授業料・入学金も免除または減額されます。収入基準は、「課税標準額」を基に判定されるため、所得控除が多いと有利です。「ひとり親控除」も含め、各種控除はしっかり申告しましょう。
 

母子父子寡婦福祉資金貸付金

都道府県、指定都市、中核市が実施しているひとり親家庭向けの貸付金です。貸付金の種類は、(1)事業開始資金、(2)事業継続資金、(3)修学資金、(4)技能習得資金、(5)修業資金、(6)就職支度資金、(7)医療介護資金、(8)生活資金、(9)住宅資金、(10)転宅資金、(11)就学支度資金、(12)結婚資金の計12種類があります。
 
利子は、貸付金の種類、連帯保証人の有無により無利子または年利1.0%です。償還方法は、貸付金の種類により、一定の据え置き期間後3~20年です。
 
貸付金のうち、大学進学に関する貸付金に、修学資金と就学支度資金があります。両方とも無利子です。連帯保証人については、親に貸し付ける場合は、子を連帯債務者とし、連帯保証人は不要です。子に貸し付ける場合は、親等が連帯保証人になります。
 
なお、令和2年4月から貸付金が拡充されています。
 
大学等に修学するための修学資金の対象経費は、改正前、(1)授業料、(2)授業料以外の学校納付金、(3)修学費でしたが、改正後はこれらに、(4)課外活動費、(5)自宅外通学に関わる経費、(6)保健衛生費、(7)その他学生生活を送る上で必要な経費が加わりました。
 
対象経費の拡充等に伴い、修学資金、就学支度資金に関しては次のように限度額も引き上げられました。
 
・修学資金(大学、高等専門学校および専門学校)
自宅生 8万1000円→10万8500円
自宅外生 9万6000円→14万6000円
 
・就学支度資金(国公立の大学等)
38万円→42万円
 
ひとり親家庭の方は、まずは、無利子で利用できる母子父子寡婦福祉資金を検討しましょう。申し込みから融資まで1ヶ月以上かかる場合がありますので、入学金等に就学支度金を借りたい場合は、余裕を持って自治体に相談しましょう。
 
なお、所得が多いと、母子父子寡婦福祉資金を利用できない自治体もあります。その場合は、優遇措置のある「国の教育ローン」を検討しましょう。
 

国の教育ローン

国の教育ローン(日本政策金融公庫)は、ひとり親家庭に対して3つの優遇制度を設けています。金利は通常の金利マイナス0.4%、返済期間は3年延長され18年以内、保証料は通常の3分2で利用できます。
 
例えば、100万円を金利1.68%、15年で返還する場合、元利均等返済では、毎月の返済額は6400円、連帯保証人をつけない場合の保証料は6万9751円です。
 
一方、ひとり親家庭の場合は、毎月の返済額は6200円、保証料は円と4万6500円と軽減されます。また、返済総額は109万8900円と通常の場合の113万1200円と比べ、3万2300円少なくなります。
 
国の教育ローンは資金が必要な2~3ヶ月前(受験前)に申し込むことができます。融資決定後のキャンセルも自由です。入学前に必要な入学金などのまとまったお金には奨学金は利用できません。奨学金が利用できるのは入学後からです。
 
入学金等の資金が不足している場合、合格発表後に申し込んだのでは、入学金等の納付期限に間に合わない可能性がありますので、早めに申し込んでおきましょう。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。
 

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