更新日: 2021.03.11 暮らし

東日本大震災から10年。震災前後の仙台市での出産や結婚、離婚の数の変化は

執筆者 : 松浦建二

東北地方太平洋沖地震が発生してから10年がたちました。ここ1年は新型コロナウイルス感染症のことで頭がいっぱいですが、近い将来大きな地震が発生する可能性が高いことに変わりはありません。もし、首都直下地震が発生した時、東京23区や横浜市等の大都市はどうなるのか、被災地で一番の大都市・仙台市の出産や結婚、離婚の数に着目し、市民の心境の変化を考えてみました。
 
あなたの命と財産を守るために、改めて10年前に起きたことを思い出し、明日への備えをしておきましょう。
 
松浦建二

執筆者:

執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/

松浦建二

執筆者:

執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/

2011年の婚姻件数は前年比6%減、離婚件数は16%減

東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)のような大地震が発生したことで、今までの普通の生活が大きく変わってしまった人もいます。被災地では、人生の一大イベントである「結婚」をしたくても、そのような状況ではなかったのかもしれません。大地震によって結婚や離婚にどのような影響があったのか、東北地方太平洋沖地震で被災した仙台市の、1999年から2018年まで20年間の婚姻件数と離婚件数の推移をグラフにしてみました。
 

資料:仙台市統計書(平成13年版~令和元年版)
 
東北地方太平洋沖地震が発生した2011年(平成23年)の、仙台市の婚姻件数は5940件で、前年の6323件から383件(6%)減っています。翌年2012年は6584件で、644件(11%)増えており、2011年だけ大きく減っています。
 
グラフで確認すると2011年の凹みがよく分かります。2011年だけ偶然に婚姻件数が減るとは考えにくく、やはり3月11日の地震により、めでたく結婚する状況ではなかったのではないでしょうか。
 
翌年には地震が起きる前の年を上回るほどに回復しましたが、少子化の影響からか、直近の2018年は5750件で、震災年を下回ってしまっています。地震は婚姻へ大きく影響しましたが、人口減少&少子化の影響は地震以上に大きいようです。
 
仙台市の離婚件数は、2000年頃から2000件前後で比較的安定していましたが、地震が発生した2011年は1775件で、前年より349件(16%)減っています。翌年は73件(4%)増えていることから、婚姻と同様に地震の影響は大きかったといえます。
 
地震により離婚が減るのは、生活の不安から離婚をしている場合ではないと踏みとどまった人が一定数いるのではないでしょうか。離婚件数も地震後に増えましたが、直近は1697件で、震災年を下回っています。こちらも人口減少等の影響は地震以上に大きいようです。
 

2011年の出生数は前年比5%減、死亡数は20%増

出産も人生の一大イベントであり、出産にも地震の影響があったのではないかと考え、同じく仙台市の、1999年から2019年まで21年間の出産件数と合わせて死亡件数も確認してみました。
 

資料:仙台市統計書(平成13年版~令和元年版)
 
グラフが上下対称に近い非常に奇妙な形をしています。
 
仙台市の2011年の出生数は8867人で、前年から498人(5%)減っています。2012年は9448人で581人も増えていることから、出生数も2011年だけ大きく減っています。やはり地震の影響は大きく、医療機関が被災し、自分自身も被災し、産活している状況ではなかったのかもしれません。
 
出生件数は2001年まで1万人を超えていましたが、婚姻件数の減少と同じように徐々に減っています。直近の2019年は7861人で、2011年を1000人以上も下回ってしまっています。これだけ大きく出生数が減っていれば少子化は当分止まらないでしょう。
 
2011年の死亡数は8839人で、前年に比べて1456人(20%)も増えています。翌年は7900人で939人(12%)減っていることから、2011年に東日本大震災で多くの方が亡くなられたことが分かります。お悔やみ申し上げます。
 
死亡数は出生数とは逆に増え続けています。2000年頃は出生数の半数程度でしたが、わずか17年後の2017年に逆転しています。今日では自然減(出生数<死亡数)が常態化しており、大都市の仙台市でも社会増がない限り人口減少は続くでしょう。
 
仙台市の婚姻・離婚・出生・死亡数を確認したところ、いずれも地震の影響を大きく受けていることが分かりました。近い将来、首都直下地震や東南海・南海地震が起きて、東京等の大都市が被災するかもしれません。その時は仙台市と同じように、婚姻・離婚・出生・死亡数が大きく変動するのでしょう。ただ、それが分かったところで講じることのできる対策は微々たるものかもしれませんが、せめて金銭的に困らないよう今から備えておくことは必要でしょう。
 
お金のことももちろん重要ですが、大地震が起きても慌てないことや、新型コロナウイルス感染症程度のことに負けず、毎日一生懸命生きることこそが最も重要なのかもしれません。
 
執筆者:松浦建二
CFP(R)認定者