最終更新日: 2021.03.19 公開日: 2021.03.21
暮らし

子どものオンライン学習の実施率は約4割?保護者が感じている課題とは

2019年に文部科学省が提唱した、インターネットなどの活用による「GIGAスクール構想」。この一環として、オンライン学習もじわじわと浸透してきています。コロナ禍でこのオンライン学習の重要性がわかり、時代がどんどん変わってきていると感じている親御さんも多いのではないでしょうか。
 
どのような環境でも子どもの学びが停滞しないということはうれしい限りですが、実際にオンライン学習の効果はいかほどなのか、他の家庭はどうしているのか、不安に思う方もいらっしゃると思います。
 
そこで今回は、気になるオンライン学習の実態などについて、株式会社公文教育研究会が発表した「家庭学習調査 2020」の結果(※1)を中心に見ていきましょう。最後に、オンライン学習にかける国の予算もチェックしてみます。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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GIGAスクール構想とは

近ごろよく聞くようになった、「GIGAスクール構想」。これは、災害や感染症の発生などによる学校の臨時休業などの緊急時においても、「1人1台端末」の実現や家庭の通信環境の整備などを実現することで、オンラインですべての子どもたちの学びを保障するという構想です。
 
学校内の通信ネットワークの整備や、児童生徒「1人1台端末」の整備などをはじめ、自治体や家庭ごとでオンライン学習の格差ができないよう、文部科学省が実現に向けて進めています。
 
具体的には、2022年度までに1校あたり「学習者用コンピュータ:3クラスに1クラス分程度整備」「超高速インターネット及び無線LAN:100%整備」「ICT支援者:4校に1人配置」などを目標として掲げています(※2)。
 

コロナ禍で子どもの家庭での学習時間に変化はあった?

株式会社公文教育研究会の「家庭学習調査 2020」は、小1から小3の子どもがいる世帯の母親1000人、父親800人を対象に、2020年11月に行われたもの。まずは、コロナ禍で子どもの家庭での学習時間に変化があったかどうかを見てみましょう。
 

【家庭学習の週平均学習日数】

●2019年:5.9日
●2020年:5.8日

 

【家庭学習の平均学習時間(1日あたり)】

●2019年:37.1分
●2020年:36.3分

 
コロナ禍で自宅学習が増えているかと思いきや、2019年の調査よりわずかに減少しているという結果に。2020年春の緊急事態宣言では一斉休校があったものの、その後は感染症対策をしつつ登校が再開されていることもあり、2020年11月の段階では特段自宅学習が増加していなかったことがわかります。
 

4割弱の家庭がオンライン学習を実施! PCなどを自腹で買う家庭も?

コロナ禍で、学校主導のオンライン学習を実施したり、自主的にオンライン学習を実施したりした家庭はどれくらいなのでしょうか。
 

【2020年2月以降、オンライン学習を実施】

●学校主導と自主実施の両方 8.0%
●学校主導のみ 16.3%
●自主実施のみ 11.0%
●いずれも実施しなかった 42.1%
●わからない・状況を把握していない 22.6%

 
オンライン学習を実施した家庭は、全体の4割弱という結果に。家庭でオンライン学習の環境が整えば、まだこれから増えることが十分考えられます。
 
いっぽうで、「わからない・状況を把握していない」と回答した保護者が2割以上いることに驚きです。小学校低学年の、日頃の学習の様子について、あまり気にしないという保護者も一定数いるということなのかもしれません。
 
また、オンライン学習において保護者が感じる課題については以下の通り。
 

【オンライン学習の問題点(複数回答)】

1位:子どもの集中力 28.6%
2位:子どものモチベーション 26.2%
3位:オンライン学習のためのネット環境(機器・回線など) 23.1%

 
TOP3はこのような回答になりました。やはりいつも生活している家庭内での学習となると、なにかと気が緩んだり散ったりして、子どもが学習に集中できないと感じる保護者が多いようです。
 
3位には、オンライン学習の環境がランクイン。自宅にネット環境がなかったり、学校や学習塾などからPCやタブレットがレンタルできず自腹で買いそろえなくてはならなかったりする家庭もあるでしょう。このように、準備段階で負担を感じる保護者も少なくないようです。
 
オンラインで学習すること自体は慣れてしまえば問題ないのかもしれませんが、環境を整えるという点では国の支援をまだまだ厚くしてもらわないと厳しいともいえそうです。
 

オンライン学習の環境を整えるために、いろいろ買う必要がある? 国の予算は?

政府は、GIGAスクール構想により、1人1台端末環境が早期に実現すると見通しています。それには、生徒へ支給する端末の確保、学校ICT化を進める自治体への支援など、莫大な費用がかかることが容易に想像できますよね。今年度、文部科学省はどれくらいの予算(※3)を計上しているのでしょうか。
 
【GIGAスクールにおける学びの充実のための予算】
令和3年度要求・要望額 4億円

(前年度予算額 3億円)
 
オンライン学習の基盤を整えるには、通信技術のプロの力が必要。上記は、自治体や学校がGIGAスクール構想を実現させるための支援や、インターネット時代を安全に生き抜くための「情報モラル教育」の推進、オンライン学習の効果測定などのための予算です。
 
オンライン学習で小さい子どもがインターネットに触れる機会が多くなると、トラブルに巻き込まれないか心配する親御さんも少なくないでしょう。その点で、情報モラル教育を同時に進めてもらえるというのは安心ですね。
 
【デジタル教科書普及促進事業のための予算】
令和3年度要求・要望額 22億円

(前年度予算額 0.2億円)
 
教科書といえば、時間割に合わせて毎日ランドセルに入れて持っていくもの……という印象があるもの。しかし、GIGAスクール構想により、デジタル教科書の普及が徐々に進んでいます。この項目の予算については前年度より大幅にアップしていることから、文部科学省の力の入れ方もよく伝わってきます。
 
ちなみに、国が補助するのは個人ではなく公立学校や自治体など。学校によって支給方法などはさまざまですので、焦って通信機器などを買いそろえたりせず、学校からのお知らせを待ったり問い合わせたりしてみると安心ですね。
 
教科書やノートを持たず、タブレット端末1台で登校する……なんて日も、そう遠くはないのかもしれません。オンライン学習の環境がすべての家庭に平等に整えられ、どんな状況でも子どもの学習が止まらない時代が来ることを願いたいものですね。
 
[出典]
※1 株式会社公文教育研究会「『家庭学習調査 2020』を実施」(株式会社共同通信ピー・アール・ワイヤー)
※3 文部科学省「GIGAスクール構想について」
※3 文部科学省「令和3年度予算」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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