更新日: 2021.05.13 子育て

学資保険って本当に必要? 教育費の効率的な貯め方を紹介

執筆者 : 下中英恵

学資保険って本当に必要? 教育費の効率的な貯め方を紹介
子どもが生まれると、将来の教育資金のために、どのように貯蓄をしていこうかと悩んでいる方もいるかもしれません。学資保険への加入を検討する場合は、保険のメリットとデメリットを確認しておく必要があります。
 
今回は、子どもの教育資金の上手な準備方法について、一緒に考えていきましょう。
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

準備すべき教育費

まずは、いつまでに、どのくらいのお金を準備しなければいけないのかを確認します。一般的に、子どもが幼稚園から大学まで、全て公立の学校に通った場合、大体1000万円くらいの教育費が必要となります。一方、全て私立の学校に通うと、約2500万円が必要だといわれています。
 
ただし、1000万円~2500万円の教育費は、一度にまとめて必要になるわけではありません。幼児教育無償化や高校教育の無償化などにより、子どもが小さいころの教育費は補助を受けることができます。そのため、一般的に一番お金がかかるのは、子どもが大学生になったころです。つまり子どもが生まれてから20歳くらいになるまで、焦らず時間をかけて教育費を貯蓄していけばよいということになります。
 

学資保険の注意点

学資保険は、保険料の払込期間や保険金の受取方法・受取時期など、さまざまな内容の商品があり、自分で自由に選ぶことができます。学資保険の最大のメリットとしては、確実に子どもの教育資金を貯めることができるという点が挙げられます。
 
さらに、学資保険には契約者に万が一のことがあった場合、それ以降の保険料の支払いが免除される「保険料払込免除特則」が付いています。この特則により、契約者が亡くなってしまった場合でも学費に困らないように、学資保険を生命保険のように使うことが可能です。
 
一方で、学資保険には以下のような必ず確認しておくべき注意点もあります。
 

●途中解約すると解約返戻金がほとんど支払われない
→途中でお金が必要になったときに、自由に引き出せない
→途中解約すると大きく損をしてしまう
 
●保険会社が保険を維持管理するための付加保険料などの諸経費がかかる
→学資保険よりも自分で資産運用をした方が、諸経費が安いケースがある
 
●学資保険の返戻率は、そこまで高くない
→学資保険よりも自分で資産運用をした方が、お金が増えるケースがある

 
このような学資保険のデメリットを考えると、学資保険は必ず入らなければいけない保険というものではありません。学資保険に頼らずに、効率的に教育資金を貯める方法を考えていきましょう。
 

教育費を貯めるポイント

学資保険に入らずに効率的にお金を貯めていくには、NISAと呼ばれる少額投資非課税制度を使って資産運用を行うのがおすすめです。学資保険の契約から満期までの運用利回りは、1%から高くても10%前後となっており、NISAを使って自分で運用をした方が利益を上げることができたり、手数料や税金を安く済ませることができる可能性があります。
 
つみたてNISAの場合、毎年40万円を20年間非課税で運用することができます。非課税運用額は総額800万円となるので、教育資金の貯蓄にはぴったりです。
 
手数料については、例えば大手ネット証券であるSBI証券のつみたてNISAの場合、2021年4月末時点で買付時・解約(売却)時ともに0円となっています(上場株式投資信託を除く)。学資保険にかかる手数料と比べても大変お得です。
 
また、NISAで運用したお金は教育資金だけではなく、子どもの1人暮らし用の生活資金、自分たちの老後資金、家族の万が一のときの医療費などにも活用可能です。教育費の目的だけにしか使うことができない学資保険よりも、NISAを活用して自分で運用をした方がお金の使い勝手がよいといえるでしょう。
 
いかがだったでしょうか。教育資金の貯蓄として真っ先に思い浮かぶ学資保険です。
 
学資保険は、「保険料払込免除特則」など大きなメリットもありますが、運用については必ずしも効率的であるとはいえません。これから子どもが生まれるご家庭や、教育資金の準備について悩んでいる方は、今回ご紹介した内容を参考にしながら、NISAを活用して自分でお金を運用する方法を検討してみてはいかがでしょうか。
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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